14/07/03 16:17:38.10 zv3F11TK
>>870
>ただ、共感できるかどうかはともかく、たくさん語れる人って同じ映画代払っててもしっかり元をとってる感じがしてちょっと羨ましい。
それは、大いに同感だね。
同じ映画でも、エクスペンダブルズみたいに、語れるところが1㍉も無いのもあるし。
「君子豹変す」という諺があるけど、ノアがまさしくそれだね。
「善き人は、すぐに態度を変える=すぐに自分の過ちを悟り、改める」ということなんだけど。
映画を見て、ノアが狂人だとか変人だとか思ってるのは、浅はか。
ラストに向けてノアがどう変わっていったか、そこを見るべき。
ノアが赤ん坊を殺そうとする、でも、殺せなかった。
あの姿こそが、「君子豹変す」の良い例だね。
しかし、「君子豹変す」が善きことだという認識がなければ、自分はいいかげんな人間だと思い苦しむことになる。
その苦しみの描写に、「酒びたりのノア」という聖書のくだりを被せたというあたりが、演出のうまさというか、唸るところだよね。
そういう風に監督は解釈したのか、と膝を打つべきシーンだよ。
赤ん坊うんぬんを抜きにしても、ノアの家族以外を見殺しにしたというノアの苦悩は描くべきだからね。
基本的に、ノアの箱舟の話は、「身勝手なノア」と表裏一体のものだから。
ノアの裏側を、ストレートに、やや誇張して描き出したのがこの映画。