09/09/20 19:00:07 8K5nFTmu
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「錦鯉に手え出したらあかん」
「おっちゃんなあ、錦鯉で失敗したんや。」
京都駅に向かうタクシーの中、その初老の運転手は、なんの脈絡もなく話しかけてきた。
「好きがこうじて、商売にしよう思ってな。あれや、ブリーダーや。でもなあ、錦鯉はお上品やから、
すぐ体調くずすねん。弱い、すごく弱い。想像してみい、朝起きたら、100万円が死んでんねんで。」
死んだ100万円……、よくわからない。そもそも錦鯉の値段のこと考えたことがない。
なんでそんな話を客の私にするんだろう。運転手のおっちゃんは、常に助手席に置いているらしい
『月刊 錦鯉』をおもむろに持ち上げて見せた。あるんだ専門誌。しかも月刊。
「愛好家は今も確実におる。がしかし、錦鯉に手え出したらあかんで。」
出す確率、たぶんゼロです。
新門前界隈の骨董屋さんや茶道具の取材を終え、京都のマニアックな世界の奥深さにちょっと脳みそが
痺れていた矢先の出来事です。この街ではオタクがデフォルトなのか? 不思議です、京都。