【マジすか学園】ゲキカラさん【松井玲奈】 ★7at AKB
【マジすか学園】ゲキカラさん【松井玲奈】 ★7 - 暇つぶし2ch166:名無しさん@実況は禁止です
13/03/27 16:51:46.67 Bx9QDB+j0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 33>

「ガサッ」隣の部屋でと何かが動いている音。誰かが意識を戻して、起きたのか?

・・・このほんの一瞬を見逃す薊(アザミ)ではなかった。
流石、オニ女国際コース3年、戦闘のプロ、立ち上がり様ノーモーションから左腕をサイドスローで振りながら、
左手首裾からブラックジャックを出しつつ、ゲキカラの右膝を強打!素早い!
「バキッ」と大きな衝撃音「ゲキカラ!」とサドの絶叫!その声も間に合わなかった「うっ」

ゲキカラはの右膝にはブラックジャックが食い込み、動きが止まる。
・・・ニヤッと笑うゲキカラ、強がりか?いや、「ぎゃあああ」悲鳴をあげたのは・・・薊だった。
刹那、木刀を左下から右上に逆袈裟に切り上げ、薊の左手首を強打したので相打ち。
しかも若干早くゲキカラの木刀が当たっていたのだ。大きな衝撃音は木刀が薊の手首を打ち据えた音。
ブラックジャック水平打ちを木刀逆袈裟のカウンターで撃墜とは?まさに喧嘩の天才!打たれた右膝をパンパンと叩く。ノーダメージ?

「あはははは、こりゃ暫くは何も出来なくなるよ、馬・鹿・だ・ね?ふふふふふ」

「おらあ」もう止まらない「バキッ、バシッ、ガキッ、グチャッ、ゴンッ、ドカッ・・・」木刀が左腕のみを痛打する。
「ぐああああ、痛い、助けて~」「ふふふふふ、駄~目、きゃはははは」「ぎゃああああ」
暫くして、薊から悲鳴すら出なくなった。ゲキカラが薊の髪を掴み「んっ?」と顔を覗き込むと、
薊のその両眼は菘(スズナ)と同じ恐怖だけになっていた。両腕の痛みが復讐心を叩き割ったのだ。
ゲキカラが振り向き、完全に心を閉ざして”見ないようにしている”菘に「おいでおいで」と手招き。
「嫌あああ」怯えきって後ずさりしてカーテンにしがみ付く菘。
「ねぇ、5秒以内に来なかったらお仕置きだよ?来たら何もしない」すると菘がサッとダッシュで近づく。
オニ女試験監督としてゲキカラの前にそびえ立った菘はもう居ない。余程怖いのだろう「はあ、はあ、はあ、はあ」過呼吸?
菘と薊の髪の毛を両手で掴み、交互に顔を覗き込みながら、ゲキカラが笑い声が地獄の底から聞こえる。

「きゃはははは、今度うちの校舎に勝手に入って来たら、首もぎとるぞ、あははははは」
そして交互に首筋に「フウー」と細い息を吹きかけた。冷たい息が刃に感じ、総毛だった二人。
「ぎゃああああ」「じゃあ、すぐ帰れ」「はいぃぃ!」腰が抜けたのか?四つん這いで出て行った。

そのまま隣の部屋についていくゲキカラ。木刀の切っ先で床を「コン、コン、コン、コン」と叩く。
「あははははは、1分以内に全員出ていかないと・・・バラバラに壊しちゃうよ、きゃははははは」
「ぎゃあああああ」「助けて、助けてぇ」「ひゃああああ」「気絶した奴は担ぐんだ」「急げ、何やってんだ」
ゲキカラが笑う「じゃあいくよ、60・59・58・57」「うっぎゃああああ」一斉に逃げ帰るオニ女連中。
「ほら、ダッシュ、えっと、どこまで数えた?46・45・44・43」「ひゃあああ、待って、待って」
ゴロゴロと階段を転げ落ちる音を「きゃははははは」と追い立てる笑い声・・・

「マジ女の連中にこんな追い込みかけられたら、廃人ばかりの精神病棟になっちまう。
やっぱりこいつは普通じゃない、どっか頭イカれてる。・・・本当に味方で良かった」
遠ざかっている筈なのに逆に大きくなる悲鳴の大合唱に、サドは思った。

「きゃはははは、22、21、20、19、あははははは」「ぎゃあああああああああ」

167:名無しさん@実況は禁止です
13/03/27 19:19:07.29 spxytxgx0
こええw

168:名無しさん@実況は禁止です
13/03/27 21:48:35.43 otJnPxBX0
ゲキカラさん最高

169:名無しさん@実況は禁止です
13/03/27 23:19:26.28 PvPl4TdP0
ほしゅ

170:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 00:18:26.47 5xofNHb/0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 34>

ゲキカラがラッパッパ部室に戻って来た。サドが腕組みで窓から校庭を眺めている。
他の皆はまだ保健室のようだ。すると、ゲキカラが何か意を決したかのようにサドに近づいていく。
歩きながらゲキカラがスッと木刀を投げると、部屋の隅にある「道具入れ」に「ガタンッ」と収まった。
木刀、竹刀、鉄パイプ、ゴルフクラブなどが物騒に立ててある。とても女子高の部室とは思えない恐ろしさ。
「んっ?帰って来たか?」サドがゆっくり振り向こうとすると・・・サドの背中にスッと自分の背中を合わせ、
「そのままで・・・聞いてくれ」とゲキカラが言う。

「あのさ、私が転校した日、皆に挨拶するように仕切ってくれたって?聞いたよ。知らなかった。
・・・遅くなったが・・・ありがとう、な」ゲキカラの素直な言葉に、サドがみるみる赤面する。
「ば、ば、馬鹿な?何のことだ。皆が勝手に出てきて、勝手に挨拶したんだろう?」
「それに、今日もお前の心を知らず、勝手に動いて悪かったな」ゲキカラが詫びるとサドも本音を語り出す。
「私は・・・いつも真っ直ぐなお前が羨ましかった・・・のかも知れないな」
ゲキカラが言う「お前が副部長なのが、優子さんにラッパッパを任されているのが、今日分かった気がする」
「今日の戦いを見てたら、お前が味方で本当に良かったって、心底思ったな」と笑うサド。腕組みを解いておろすと、
その両腕がゲキカラの両腕に触れた。「たった1人でラッパッパを守り、素手で武器持ち15人以上ぶっ潰すお前も、凄いよ」
ゲキカラも笑う。その時、サドが少し両脚を開いた。丁度頭の高さが一緒になり、髪の毛が触れ合った。
「暫く・・・このままでいないか?」とサドが言うと「悪くないな」とゲキカラ。背中で語り合っている。
夢コンビ「激サド」、お互いを認め合い、更に強くなった2人。いいぞ!「激サド」最高だ!

・・・その時「サド、大丈夫?ゲキカラ、助けに来てくれた?」とトリゴヤが慌ただしく入って来た。
慌てて「バッ」と離れる2人。後ろにブラック、シブヤも居る。何とか復活したようだ。
「あれぇ?どうしたの?何か恋人同士みたいだったよ。遠慮せずにくっつきなよ」トリゴヤがからかう。

「いきなり『転校初日はありがとう』なんてこのもやしが言い出すから調子が狂っただけだ」と焦りまくるサド。
「何だと?『真っ直ぐなお前が羨ましい』ってほざかなかったか?うすらデカ」とゲキカラがもう切れてる。
「はあ?『今日も勝手な事してごめんね』って小学生か?爆笑もんだろ?ハゲ」サドの言葉に
「ふーん。『暫くこのままでいたい』の方が恥ずかしくて死にそうだよ、でくのぼう」とゲキカラ。
「ここでケリつけるか?」「上等だよ?」・・・やっぱり夢コンビ「激サド」長続きしなかったか?どうしてなんだ?

「もう、仲間同士なんだから、仲良くやろうよ。ねっ?」トリゴヤが間に割って入る。
その時、トリゴヤの右手がゲキカラの胸、左手がサドの胸に触れた。「あっ」と胸を押さえて赤面する「激サド」。
2人とも胸の大きさには自信が無いのだ。気まずい雰囲気・・・の後、
「小さい事に拘らない、仲良く引き分け」と天然のトリゴヤが別の意味で言ってしまった。
「小さいだと?このデカパイが」完全に意味違いで2人が怒る「そうだ、さぞかしご立派なんだろな?」
2人がトリゴヤの胸に触る「いや、何で胸触るのよ?変態」シブヤとブラックもニヤニヤしながら混ざってくる。
「そんなにでかいのか?」「巨乳!触らせろ」「きゃああああ、やめて、揉まないでぇ~」トリゴヤの悲鳴。

「うるさーーーーーい」あっ、優子さんだ!

171:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 00:55:01.07 Ncveow4H0
>>170
なごみますなー

172:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 04:51:57.68 x7+ArE3q0
良いね

173:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 10:12:51.21 DpJ0bAbx0
俺もゲキカラのおっぱい触って赤面させたい

174:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 12:52:47.48 /9SmAgak0
(ゲキ・ω・カラ)

175:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 16:36:40.41 /9SmAgak0
保守

176:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 17:35:22.57 VMGiA8030
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 35>

いつものソファーに座りながら優子が聞く。
「今日、隣町のオニ女が攻めてきたんだって?珍しいな、どうしたんだ?」

「はい、オニ女の昇級試験があったようです。そして、優子さんとゲキカラが特別賞金首になっていました」
 今までのドタバタが嘘のようにサドが報告する。切り替えの早さは流石。すぐに優子が言った。
「っつうことはサドよ、オニ女の馬鹿どもはまだお前の怖さを知らないって事だな?
こっちはまだサドがいる、そしてシブヤ、ブラック、トリゴヤもまだ切り札として使えるって訳だな?そいつはラッキーだ」
サドの表情がパッと変わった。ずっと優子・ゲキカラから完全に1枚落ちのポジションで内心悔しかったのだ。
やはり、優子のカリスマは「ちゃんと見てくれている」信頼の上に成り立っている。

「そして・・・」サドがゲキカラを見ながら言葉を選ぶ。
「ゲキカラの知り合いの家が、オニ女に狙われているようです。手を引け、と言ってきました」
優子は悲しそうに下を向いたゲキカラを見逃さなかった。
「ゲキカラ、大変なことが・・・あったようだな?」

「川沿いの土手の遊歩道の近くの家、地上げ屋に脅かされていたおばあさんと知り合ったのが1カ月前くらい
・・・そのうちに書道を習うようになって・・・金曜は元気だったのに、月曜の今朝、亡くなってた
・・・末期膵臓癌だったんだ、知らなかった・・・私に宿題って、亡くなる寸前まで何百枚も書いてくれてて
・・・でも、おばあさんの周りには財産をたかる様な奴が居て、おばあさんいつもどこか寂しそうだった」
「分かった、もういい。ゲキカラ、辛い事思い出させて悪かったな?」
という優子を、ゲキカラが遮って続ける。

「おばあさんには3人の子供が居て、何年も会っていないって・・・多分、3人の子供か、
親戚の誰かが裏で何か企んでいるんだ・・・オニ女はそいつの手先だと思う」
「そうか、そこでつながったんだな?よく話してくれた」と優子。
「私が貰った書道用具も、実は凄い値打ちがあるみたい
・・・家の中を漁ってた奴らが「あれだけで何百万だ」って、「20万で売ってくれ」って
・・・質素な暮らししてたけどおばあさんお金持ちだったのかも知れない
・・・家も寄付して公園にしたいから弁護士に相談してるって、おばあさんが言ってた」
涙をこらえて必死に説明するゲキカラを見守る優子。
「急にいろいろな事が有ったから、自分でもよく分からない・・・でも・・・」
顔をあげたゲキカラの両眼が光った。

「おばあさんの遺志を継ぐ者として、最後の生徒として、裏に居る汚いカス共は・・・私が必ず潰すよ」

もう涙ではない、闘志、いや殺気による眼光だ。

177:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 17:40:06.30 VMGiA8030
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 36>

優子がガバッとゲキカラを抱きしめた。優子の両眼から涙がこぼれ落ちていく。
「”私達が必ず潰すよ”って言えよ。何でこんな小さな背中に全部背負っちまうんだよ?」

そして、ゲキカラを抱きしめたまま、涙の優子が震えながら叫ぶ。
「サド!その「おばあさんの家」とオニ女の関係を詳しく調べてくれ。急ぎだ」
「分かりました」サドが答えるや優子は続ける。

「シブヤ!ブラック!トリゴヤ!決戦に打って出る前にマジ女の体制を整えてくれ。
私ら6人全員出撃することになる。留守を任せられるようキッチリな。武器もそろえておけ」
「はい!」

そして、ゲキカラの両肩をしっかり掴み、その燃える両眼を真っ直ぐ見て、優子が告げる。
「そして、ゲキカラ、おばあさんの宿題をしながら、おばあさんの気持ちを感じ取ってくれ。
何かヒントがあるかも知れない。そして当日まで出来る限り、力を蓄えること。
この戦いは、お前が真っ先に切り込むんだからな」
「今から行っても大丈夫だよ」笑うゲキカラ。
「頼もしいな、流石だ」優子がゲキカラの頭をポンポンとする。
「流石に今日の今日は辛いよ、勘弁してくれ」と思うブラック、シブヤ、トリゴヤ。
仲間とは言え、ゲキカラのあまりのタフぶりに呆れる。

しかし、サドは違った。
「もし、こいつが敵に回ったら、どうすればいいんだ?打つ手なしだ」
そんな事態にならなければ良いのだが・・・。
いや、そもそも、ゲキカラがラッパッパを潰しにかかる?そんな事を考えるのは止めてくれ!サド。

「マジ女がオニ女に攻め込まれたことは事実。もうゲキカラだけの問題じゃなくなった、マジ女皆の問題だ。
今日は帰って休んでくれ、明日から色々忙しいし。よし、来週の金曜、6人全員で乗り込むぞ!」
「はい!」

流石はマジ女いやこの街のてっぺん大島優子。その一挙手一投足がラッパッパの「魂」だ。
皆の気迫が「200%充填」され、長かった今日の激闘の疲れは一気に吹っ飛んだ。

ラッパッパがまるで狼の群れだった、一番ギラギラしていたのは、まさにこの頃・・・

・・・マジすか女学園VS鬼百合女子高等学校、「マジ」に生きる不良の溜まり場VS現代版傭兵養成所、
県内不良高校最強決定戦とも言える壮絶な死闘が、来週金曜日に決まった!

178:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 18:46:09.31 zTK4/ntd0
決まった!

179:名無しさん@実況は禁止です
13/03/28 21:47:11.85 /9SmAgak0
wktk

180:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 00:24:34.81 HzBs11rg0
いけー!

181:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 05:17:24.34 HzBs11rg0
(甘・ω・口)

182:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 09:13:57.00 I1SRiMBG0
(中・ω・辛)

183:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 10:53:27.12 ygbET3OD0
松井玲奈主演NHKドラマ今夜放送!オカロもあるよ
スレリンク(akb板)

184:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 12:34:30.28 YScZDjx50
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 37>

帰り際、優子がサドに言った「今日は留守番ありがとうな。で、オニ女はどうだった?」
サドが答える。「基本的に『勝てば何でもあり』です。
戦いの美学・信念は何もなく、喧嘩でなく暗殺・戦争のノリです。
ブラックジャックという棍棒、ボディプロテクター、金属鋲入りグローブ、ジェイソンマスク、この辺が特色です。
私は素手に拘って戦ったのでかなり手こずりました。15人くらい倒すのがやっとでした。
ゲキカラは戦いの中、どんどん対応・進化して、結局何10人倒したか分かりません。30~40、いや50人か?
少なくとも今日来ていた中のトップ2人はゲキカラに完全に壊されました」
「完全に壊された?」優子が聞く。

「1人目は髪の毛掴んで壁に放り投げてぶつけたり、ショルダータックルで跳ね飛ばし続けたり、
最後は床を引きずり回して人間モップに」とサド。
「無茶苦茶だな・・・そこまで見てるなら止めてやれよ?」優子がからかっても
「そして、2人目は両腕だけを徹底的に木刀で打ち据えてました」とマジ返しのサド「両腕だけ?」優子が聞く。
「ナイフを使った右腕、棍棒を使った左腕だけを・・・残酷なまでに徹底的に」サドが続ける。

「それに・・・私を助けに来た時、飛び込んで来てすぐ照明を消して、暗闇で10人は倒してました」とサド。
「ゲキカラは夜目が利くのか?」と優子が聞くと
「分かりませんが、確実に1撃1殺で仕留めていました」サドが答えた。
「ふーん、聞けば聞くほど恐ろしい、いや頼もしいな。流石、最凶ゲキカラだ。味方で良かった」優子が唸る。

「それと、今日ゲキカラと背中合わせで戦ってみて分かりました・・・あいつは喧嘩の天才です」とサド。
「へぇ、サドが手放しで褒めるなんざ、滅多にないな。どうした?」
優子がわくわくする。実は「激サド」見たかったのだ。
「仲間割れの喧嘩するように眼で全身で仕向けてくるんです。ゲキカラの演技に乗せられて戦い、気が付いたら敵は残り2人。
お互い、タイマン用1人ずつ「取っておいた」んですが、結局「一番くじ」はゲキカラが引きました」
「でもさ、それを理解してアドリブ出来ちゃうサドも凄いぞ。天才は天才を知る?私もそこまでは自信ないよ」
「そして、その戦いの中、本能的恐怖心から敵が私の方に流れて来たんです。ゲキカラの前は・・・過疎ってた」
「よし分かった。オニ女戦、サド、ゲキカラは確実に大量2桁得点だ。で、トリゴヤ、ブラック、シブヤはどうした?」
「ゲキカラのフォローに行きましたが、戦線離脱、保健室に運びこまれたようなので、かなり苦戦したかと・・・」
と残念そうなサド。
「ってことはもう1人くらい大量2桁得点しないと駄目だな・・・ここは『優子さんフル出場』が必要かな?」
あっけらかんと優子が笑う。
「・・・大丈夫なんですか、身体は?」「何の事だ?」「最近、休み多いし、度々病院行ってますよね?」
「そういうつまんねぇ事、誰にも言うなよ、テンション上げ上げで行こうぜ!」

・・・しかし、そう言う優子の眼に、いつもの迫力は無かった。サドは悲しそうに下を向く。

185:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 16:35:14.28 wIp8wF880
優子おおおおおお

186:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 19:56:14.06 HzBs11rg0
保守

187:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 21:53:40.39 FxnC7rYQ0
チョーコクさんの出番は…ないの?

188:名無しさん@実況は禁止です
13/03/29 23:58:57.25 HzBs11rg0
保守

189:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 05:09:47.24 83pMIaLB0
あげとくぜ

190:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 11:59:22.23 Tnn0c8cI0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 38>

「うーん?うーん?」帰宅後、考え込んでしまったゲキカラ。
自分の直感に素直に生きてきた喧嘩の天才は・・・物事を深く考えるのは大の苦手なのだ。
さっきから自分の部屋でおばあさんの宿題を見て、ずっと唸っている。知恵熱が出そうだ。
全部で300枚以上はあるだろうか?紐で一束に括ってある。パラパラと捲るだけで「うっぷ」と胸やけした。

『ゲキカラさん まだまだ練習することは沢山あります。上手く書けない時には硯や墨や筆や紙に心で聞くこと。
ちゃんと答えてくれます。頑張れ。 おばあさんより』・・・一番上のメッセージ。

「上手く出来なきゃ心で聞く?・・・分からん。兎に角、まずは練習してみろって事かな?」硯で黙々と墨をする。
準備が出来た「よし、書いてみよう」1枚めくる「あれ?まだお手本じゃないぞ?」またメッセージがある。

『ゲキカラさん 漢字が難しければ、最初は仮名から書いてみましょう。
意味が分からなければ声に出して読んでみてもいい。とにかく続けることが大事です。 おばあさんより』

もう1枚めくる。確かに難しそうな漢字に仮名がふってある。っていうか一枚全部漢字じゃん?
国語の授業でやった漢詩など全く覚えがないゲキカラ「駄目だぁ、おばあさん、急に難しすぎるよ」不貞腐れて仰向けに寝てしまった。
天井におばあさんの顔が思い浮かんだ。最後におばあさんに会った、あの金曜日の会話が甦る。
『「次からは、もう少し難しいの、頑張りましょうね」・・・「出来るかな?」
・・・「出来るところからやってみればいいのよ」・・・「頑張ってみるよ」』

「出来るところやる・・・取り敢えず、ふり仮名だけでも書いてみるよ、おばあさん」
サッと起き上がり、ゲキカラが一生懸命丁寧に書いてみた。仮名なら書ける。意外と素直なゲキカラ。

ちようなんとちじなんかぶさんなんびじゆつひんちゆうい

「何だこりゃ?日本語?」また仰向けに寝てしまった「全然分かんないよ?おばあさん」
しかし「とにかく続ける、か?」寝ながら声に出して何回か読んでみた・・・これまた意外と素直なゲキカラ。

ちようなんとちじなんかぶさんなんびじゆつひんちゆうい
ちょうなんとちじなんかぶさんなんびじゅつひんちゅうい
ちょうなんとち じなんかぶ さんなんびじゅつひん ちゅうい

「んっ?」ゲキカラが起き上がって読み直す「そうか?これが言いたかったんだね?おばあさん」

長男 土地、次男 株、三男 美術品、注意

・・・地上げ屋は長男が手配し、書道用具は三男が狙っていたのだ。可哀相なおばあさん・・・。
「本当の敵はこいつらか?」ゲキカラの両眼がギラッと光る!

191:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 12:02:36.33 Tnn0c8cI0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 39>

翌朝、川沿いの土手の遊歩道を通り、おばあさんの家が見えるところまで来た。
マジ女への登校には著しい遠回りであるが、ゲキカラが大好きな道なのだ。
朝は空気が澄んでいる。風も気持ちいい。ゲキカラの長い黒髪がフワッとなびいた。

「姉貴、ゲキカラの姉貴!」・・・その時、聞き覚えのあるあの声。
卑怯の代名詞だったような、この男。ゲキカラの転校直前に心身とも完全破壊され、
その後更生し、今では「ゲキカラの一の舎弟」を自称する・・・元暴走族の”パシリ”だ。

「はぁ、気分台無しだな、何だよ?朝っぱらから」ゲキカラが言うと
「昨日オニ女が派手に攻めてきたって聞いて心配になって」とパシリ。
「オニ女・・・大した事なかったぞ、名無しさんとか根暗さんばかりで」ゲキカラが笑う。
「姉貴、この辺を歩いているオニ女ってのは所詮2軍なんです」と言うパシリに
「昨日、「監督」菘だの「試験官」薊だの偉そうな3年生は2人壊したけどね?」とゲキカラ。
「本当のトップいわゆる1軍クラスは実地訓練に出てて、学校なんて来ませんよ」
「ふーん?」取り合わないゲキカラ。
「ゲキカラの姉貴と優子さんが特別賞金首になりましたが、それは2軍以下の昇級課題としてです」
「ほー?」ゲキカラは関心が無く、話に飽きてきた。キラキラとしている水面(みなも)を見ている。
「そして・・・もし、マジ女ラッパッパとオニ女1軍が戦ったら・・・多分、マジ女が負けますよ」
「何だと?」パシリの胸倉を掴み、睨むゲキカラ。
「優子さんと姉貴が、最強最凶コンビだって行っても、それはあくまで「街の不良界」での話で、
オニ女1軍は世界中に「戦士」として多数派遣されている。アマチュアとプロでは勝負になりません」
パシリが引かない「だから、オニ女とはこれ以上戦ってはいけません」
「・・・そうか?」ゲキカラがパシリの胸倉を掴む手を放した。
「それなら、オニ女1軍を倒せば、マジ女が世界クラスって事だな?」ゲキカラが笑い、続ける。
「それにな、あの家に住んでいたおばあさん、あの人の遺志を継ぐ者として、
最後の生徒として、裏に居る汚いカス共は・・・私が必ず潰す、と決めたんだ」おばあさんの家に歩いていく。
「なあ?この辺は危なくなるから、お前も気をつけて帰れよ」とゲキカラ。
「いろいろ、ありがとうな」振り返らずに手を振った。

「ゲキカラの姉貴、オニ女とだけは戦っちゃ駄目だ、勝てっこない」
最凶ゲキカラの怖さを誰よりも知っている筈のパシリが・・・そう絶望的に呟いた。

192:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 14:20:41.17 iws+EXUa0
パシリktkr

193:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 19:27:12.38 4vqeLPJ40
保守

194:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 19:58:42.79 0FrqpfCz0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 40>

長い黒髪をなびかせ土手を下りていくゲキカラ。
それとすれ違う様に土手を駆け上がっていくウインドーブレーカーに身を包んだ鍛え上げられた長身の少女。
格闘家独特の、厳しい環境に身を置く独特のオーラを出している。フードの下の精悍な眼。まさに「全身凶器」。
「シュッ、シュッ」打撃系特有の呼吸音で楽々と土手を駆け上がる。

土手に「ブワァー」と強い風が吹いた。枯草や砂埃と共に落ち葉が舞い上がる。
「シュッ、シュッ、シュッ、シュッ」立て続けにジャブを繰り出す、全身凶器。
お構いなしに下りていくゲキカラ。眼の前で左手をパッと開くと「ハラハラハラハラ」と無数の落ち葉。
流石のゲキカラも歩きながら「ほー?」と魅入る。すれ違いざま、ウインドーブレーカーのフードの中の両眼が光った。

「ブォン」全身凶器からノーモーションの右ストレートが唸る!
「くっ?」反応が遅れたゲキカラが左ストレートで必死にクロスカウンター!
「ゴツン」「バシッ」ゲキカラはパンチを額で受け止めよろめいたが、全身凶器は左手でパリーして受け流した。

しかし、必死に飛び退ったのは・・・全身凶器。何か嫌な予感が本能的にしたのである「気のせいか?」
「きゃはははは、挨拶の仕方が凄いな、お前オニ女?あはははは」ゲキカラが問うと
「マジ女のチョウコクだ」「マジ女?じゃあいいや、オニ女だったら今ここでぶち殺すけどね」ゲキカラが去っていく。
日頃から優子に「マジ女同士での喧嘩は禁止」ときつく言われているゲキカラ。マジ女と聞いて戦意は消えた。

行ってしまったゲキカラに、唖然とするチョウコク。一目見て、強いと見込んだので「拳を使った挨拶」をしたのである。
「まあいい。あいつ、反応は早かったが、格闘家としてはまだ甘いな」
と走り去ろうとするチョウコクの顎がズキンと傷んだ。
「うっ?」顎を押さえると打たれた感触が残っている。いつの間に?「ブッ」と唾を吐くと、血が混じっていた。

ゲキカラは左クロスカウンターを受けられた直後、追撃の右ストレートを放っていたのだ。
格闘家チョウコクが感じた「何か嫌な予感」・・・これがゲキカラの本能で放つ拳、喧嘩の天才の恐ろしさ。
それをこれまた本能でかわしたチョウコク。強者同士にしか分からない濃厚な時間を共有した二人。
これを機に、更に鍛錬を積んだチョウコクは100人狩りに着手、
まさにアナザーストーリー「喧嘩地獄変!チョウコク」なのである。

そして、それを土手の上で本を読みながら歩いていた眼鏡の少女が「ふーん?」と見ていた。
これだけの喧嘩の攻防を見て全く驚いていない。無表情「それで?」という感じでまた歩き出す。

・・・前田敦子。数か月後、マジ女に転校してくる。

この街の喧嘩レベルは、あまりに高い。オニ女には決して負けていない。

195:名無しさん@実況は禁止です
13/03/30 22:07:37.11 Ka2Py7zQ0
チョウコク敦子ktkr

196:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 00:52:58.32 0CLCZ8gK0
保守

197:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 05:28:15.71 1RnJCnBj0
あげ

198:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 11:23:15.18 0CLCZ8gK0
(ゲキ・ω・カラ)

199:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 15:10:25.80 0CLCZ8gK0
(甘・ω・口)

200:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 15:59:20.11 WesmQR2k0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 41>

土手を下りてきたゲキカラ。
垣根越しにおばあさんの家の中を覗いてみる。書道やおしゃべりをした楽しかった空間。
・・・しかし、人気(ひとけ)の無い独特の寂しさがもう漂っていた。
僅か数日なのに、もう家が廃れ始めているのが、ゲキカラには無性に悲しい。

松の枝ぶりが悲しそうに見えた「水くらいあげてもいいよね?おばあさん」

ゲキカラが垣根越しに庭に入る。
水道ホースを蛇口につなぎ、水を撒き始めた。霧状の水の向こうに、虹が見えた。
おばあさんが、松の木が、喜んでいるように見えて、ゲキカラは嬉しくなった。ホースを夢中で振る。

その時、家の奥で人影が見えた。スッと蛇口を閉めるゲキカラ。そっとホースを置く。
美術品を漁っている・・・三男一派か?
ゲキカラに気がついたのか?裏にある門の方から逃げるようだ。
「くそっ」ゲキカラが走って、門に回り込もうとするが、通り道が不要な荷物などで塞がれて、通れない。

仕方なく、ゲキカラは垣根を飛び越え、外の通りを走って回り込む。
しかし、車に乗り込んだ「犯人」達は手際良く、出発し逃げていった。

それでも必死に走って追いかけるゲキカラに・・・バイクが背後からぶつかって来た。
「ドカッ」「ぐあっ?」撥ねられた衝撃で壁に頭から激突するゲキカラ「ドカンッ」
そして「うううっ」と呻くと気絶してしまった。

車が手際良くバックで戻って来る。後部座席の1人、全身筋肉質な長身な男がうつ伏せのゲキカラを覗きこむ。
この男・・・そう「陸奥」だ。以前オニ女「ヤイバ」とゲキカラを見ていた奴。残虐性を表しているその両眼が光る。
「こいつがゲキカラだ。思わぬ収穫だ。取り敢えず乗せろ。連れていく」

ぐったりして動かないゲキカラを後部座席に押し込むと、すぐに車が走り出した。
狭い車内ながらも、両手、両足をパラシュートコードで縛る陸奥。特に両手は後ろ手なのでもう身動きが取れない。
更に「こいつは何するか分からんからな」と手ぬぐいを猿轡のように口にまいた。
そして、陸奥は麻酔銃用の麻酔薬入りの矢を取り出すと、ゲキカラの首筋に打った。

流石のゲキカラもバイクに撥ねられ、両手両足を縛られ、麻酔を打たれたら・・・暫くは動けまい。
すると、陸奥は自分の両腿の上にゲキカラを仰向けに寝かせた。
顎をくいっと上に向け、顔をマジマジと見る「左目上の傷を消せば、かなりの金額で売れるな?上物だ」

・・・最悪の奴に、捕まってしまった。

201:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 16:03:40.39 WesmQR2k0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 42>

陸奥がバックミラー越しにずっとついてくる来る車が気になりだした。運転手に言う。

「左に曲がれ」後続車も左折した。次の角でまた言った。
「左に曲がれ」後続車も左折した。次の角でまた言った。
「左に曲がれ」後続車の左折を見て、どこかに電話している「後ろの車を潰せ」

陸奥がゲキカラの頬を撫でながら言う「折角仲間が助けに来たのに、あいつ死んじゃうよ?」
気絶しているゲキカラには聞こえていない・・・

後続車は・・・パシリのだ。やはり心配で土手の上からゲキカラを見ていたら
撥ねられ、拉致されたのが分かり、慌てて追跡していたのだ。
しかも、携帯電話で警察に現在位置や車両のナンバープレートや特徴を電話しながらである。
どうした、パシリ?滅茶苦茶出来るいい奴になった。頼む「ゲキカラの姉貴」を助けてくれ!

・・・ところが、いきなり「ガシャン」フロントガラスが粉々に割れた。背後から来た2人乗りのバイク。
さっきゲキカラを撥ねたバイクだ。後部座席の奴が鉄パイプを持っている。
移動車両襲撃に最も適している、1ドライバー1アタッカーの2人乗りバイク「コロンビアスタイル」!

「うわっ?」追跡と携帯電話に夢中で背後からバイクが来た事に気がつかなかった。
バランスを崩し、蛇行運転するパシリの車「ドカン」とガードレールにぶつかり
そのまま「ガガガガ」とガードレールを擦るように止まった。
パシリは血まみれで動かない。車は大破?
バイクの2人は周囲を見る「目撃者無し、作戦終了、だな?」・・・走り出す。

ところが、「ブロロロロ、ブロロロロ」エンジンをかけ直す音が背後から聞こえた。
「グオオオオオオン」半分壊れたパシリの車が動き出す。まさかと慌てる2人、反応が遅い。
そのままバイクを撥ね飛ばす「ドゴッ、ガシャーン」2人が吹っ飛ぶ「ぎゃああああ」

「邪魔だ、ボケ」追跡を始める血まみれのパシリ。元暴走族の血が騒ぐ!
「お前ら、殺すよ?」ゲキカラが乗り移った!いけ、パシリ、「ゲキカラの姉貴」を取り返せ!

202:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 18:04:23.53 Nul+bzsZ0
パシリ大活躍

203:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 20:54:55.91 0CLCZ8gK0
パシリがんばれ

204:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 22:34:39.46 IvCfGObF0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 43>

報告が無く焦る陸奥。車はゆっくりと走っている。
そこへ、「グオオオオオン」とさっきの車が突っ込んでくる。
「まずい、急げ」陸奥の声で車のスピードが上がる。
衝突したダメージで煙を噴き上げながら、パシリの車が追い付いてくる。
「何してるんだ、スピードを上げろ」陸奥が怒鳴る。

「ゴツン」後ろからパシリの車が陸奥の車にぶつかって来た。
「ドカン」「うわああ」陸奥の車が大きく揺れる。
「急ぐんだ」陸奥の声にドライバーが思い切りアクセルを踏む。
流石に煙を噴き上げるパシリの車は、もう追い付けない。

「仕方ないな?」と陸奥の残酷すぎる両眼が光る。絶対関わり合いたくない眼である。
後部座席ドアを開けると・・・何とゲキカラをいきなり放り捨てる。

「ドサッ」

「うわああああ」ゲキカラを轢きそうになり急ハンドルを切ったパシリ。
路肩を乗り越え「ドガン」石壁に激突し、大破し、動かなくなった。

「キュウウウウウウン」陸奥の車が嫌味な程手際よくバックで戻って来る。陸奥がゲキカラを拾い上げる。
両手両足を縛られたまま、かなりのスピードで走る車からいきなり落とされたのだ。
顔、腕、太腿等をひどく擦りむき、全身が小刻みに痙攣している。相当なダメージだ。

「やっと、邪魔者が消えたな」
石壁に激突し大破した車やその中のパシリなど全く気にせず、ゲキカラを車に担ぎ入れる陸奥。
「さあ、急ごう」「分かりました、陸奥さん」運転手がエンジンをかける。
・・・やっぱりこいつは狂っている。人間の心をどこかに捨てて来たようだ。

遠くで救急車とパトカーのサイレンが聞こえる。誰かが通報したのだろう?
顔面を強打し、血まみれのパシリが車からよろよろと出てくる。尋常でない出血。
最後の力を振り絞って、自分の車のリアドアに「ムツ」と自分の血で書く。
そして「ゲキカラの姉貴、すいません・・・」と前のめりに倒れ、動かなくなった。

・・・パシリの執念も空しく、ゲキカラは陸奥に拉致されてしまった。

205:名無しさん@実況は禁止です
13/03/31 22:38:17.71 IvCfGObF0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 44>

「ポチャン、ピチャン」

水が滴り落ちてくる音。独特の埃臭さ、換気が悪い。薄暗く視界が利かない。ここはどこかの倉庫のようだ?

「・・・?」ゲキカラの意識が戻った。全身バラバラになったような鈍痛が走る。
無理もない、後ろからバイクに撥ね飛ばされ、両手両足を縛られたまま車から突き落とされたのだ。
暗がりの中、自分が両手両足を縛られたまま、天井近くの梁から吊るされているのが分かった。
かなりの時間吊るされていたのか?
全体重がかかるパラシュートコードが手首に食い込み、青紫に腫れ上がっている。

かろうじて爪先立ちになる高さで吊るされたゲキカラが、フラフラしながらも思い出し始めた。
「おばあさんの家で美術品を漁っていた奴ら・・・そうか三男の手下・・・そいつらに捕まったのか?」

その時「パッ」といきなり照明が点いた。
「ううっ?」暗がりに居た為、明る過ぎて両眼が痛いくらいに眩しい。
「マジすか女学園ラッパッパ四天王、ゲキカラ・・・だな?」全身筋肉質の長身な男「陸奥(ムツ)」が、
残虐すぎるその両眼で吊るされたゲキカラを覗きこむ。動物に例えるとホオジロザメのイメージか?

「ドスッ」いきなり強烈な右ストレートがゲキカラの鳩尾に叩き込む「ぐおお」流石のゲキカラも呻く。
爪先立ちで吊るされているので、腹筋を締める事が出来ず、衝撃がまともに内臓に伝わるのだ。
息が止まるような強烈なパンチにゲキカラがサンドバックのように前後に揺れている。
戻って来たサンドバック、いやゲキカラを今度は強烈な右ボディアッパー「グバッ」「うぐっ」
ゲキカラの身体が跳ね上がり、上下に揺れている。もう完全に、人間サンドバックになってしまった。
「ドカッ」右前蹴りを鳩尾に突き刺す「ぐうう」呻くゲキカラが力なく向こうに揺れ、
「ズズズ」爪先がかろうじて地面をすりながらこちらに戻って来る。

そこへ今度は、左ボディフックをゲキカラの背中側から、肝臓を狙って、打つ「ドウッ」「はうっ」
まともに肝臓を強打されて流石のゲキカラも明らかに呼吸がおかしい「ぐっ、ふっ、ぐっ、ふっ」
「ドスッ」もう一度肝臓打ち「うごお」すぐに血の塊を吐き出した「げへっ」
その後明らかにおかしい呼吸音「はっ、うっ、はっ、うっ」まともに効いてしまっている。
そして、左ミドルキックを肝臓に蹴り込む陸奥「バキッ」「あうっ・・・あっ、はっ、あっ、はっ」

見るからに呼吸障害を起こしている。しかしまだ眼が死んでいない、怯えていない。
陸奥は、冷静に残酷に、ゲキカラを分析している。そして陸奥は判断した。

・・・「こいつは無痛症だ。痛みでは心が折れず、死ぬまで戦いを続ける、敵にすると一番厄介なタイプだ。
ならば『別の方法で身体ではなく心から破壊する』しかないな?」残虐すぎるその両眼が、少し笑った。

206:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 00:57:06.04 Sitz7jUd0
がんばれ

207:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 02:25:51.59 59VIyd+60
エロ展開くる?ドキドキ

208:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 06:53:05.26 Sitz7jUd0
あげ

209:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 10:30:35.65 8135eiWz0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 45>

「おい」暗闇に声をかける。三つ子が現れる。感情が読めない、強い殺気で恐ろしい顔。オニ女特有の表情。
だが今までの奴らと違うのは・・・残虐性オーラが半端でない。人を殺す事に罪悪感を感じない独特の雰囲気!

「お前ら、お得意の「奴隷化」しろ?方法は問わない。1週間くらい楽しんでいいよ」
「ご注文は?」三つ子がやたら可愛い声で合わせる。・・・が、「能面顔」は全く可愛くねぇ!
「最新型”くのいち”だな。強くて、綺麗で、エロい。勿論何でも言う事聞くようにしてくれ。
まあ、どうせ名前の通りの順番で極限まで追い込むんだろ?・・・じゃあ、任せたぞ」陸奥が消えた。

この三つ子の名前は「朝顔」「昼顔」「夕顔」という。オニ女国際コース3年。既に全課程を修了し、
実地訓練中である。そう、朝は朝顔、昼は昼顔、夕方は夕顔、そして夜は3人で獲物を共有する。
・・・こうやっていつも獲物をいたぶりながら、「奴隷化」調教するのだ。

夕顔がダラッとぶら下がっているゲキカラに近づき、胸に触れて言った「まだ固くて、青い」
昼顔が今度はゲキカラの腰回りを触る「そうだな、これはガキだよ」
朝顔が注射器を用意してゲキカラに近づく「それでも・・・3人分くらい打っちゃうか?」

「何打つんだ?朝顔?」「ヒント、ヒント?」
「組成式は・・・C21H23NO5」「分からないよ、正式名称は?」
「3,6-ジアセチルモルヒネ」「モルヒネ・・・分かった、ヘロイン!」
「正解!」・・・何だこいつら?女子高生の会話とは思えない。

流石のゲキカラも「薬物の王様」ヘロインを静脈注射されては、いずれ廃人になってしまう!

その時、陸奥が戻って来た。「そう言えば、1時間くらい前に首に麻酔銃の矢を刺したって言ってなかったな?
お前ら耐えられるギリギリまでデータ取るから、正確に言っとかないと、「奴隷」を殺されたらかなわん」
「陸奥さん、車に積んであった麻酔銃使ったんですか?」「そうだ」
「そしたら、塩酸チレタミンと塩酸ゾラゼパムの混合薬かな?」「馬鹿、それはまだ開発中だよ」
「やっぱ、ケタミンだろ?無難なところで」・・・どう考えても、こんなの女子高生じゃない!

「でも1時間前に打ったって、麻酔銃効いてなかったじゃん?」「陸奥さんが打ち損ねたのかな?」
「まずはそこから確認でしょ?」「じゃあ、麻酔銃取ってくる」夕顔が嬉しそうに走って取りに行った。

・・・ヘロインは免れたが、麻酔銃を耐えられるギリギリまで打たれる?

210:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 10:36:40.91 8135eiWz0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 46>

「お待たせ」麻酔銃を持ってきた夕顔。
「効いたかどうかはどう判断する?」昼顔は悪巧みを思案中の顔だ。朝顔が言った。
「どのくらいの投薬で意識を失うか?と本当に無痛症か?をテストしよう」「賛成!」

直径1.5メートルくらいのとても大きな金属性のタライを持ってきた朝顔。
吊るされ爪先立ちのゲキカラの両脚をタライの中に入れる。
「ああ、あれね?」昼顔が手際よくコンロ式小型ガスバーナーを持ってきて点火する。
「先こっちからやるよ、危ないから」夕顔がタライの中に燃料用油を手際良く流し込む。

「しっかり咥えてろよ、危ないから」
点火済ガスバーナーについたチェーンをゲキカラに咥えさせたと朝顔。
「今から麻酔銃を撃つから、寝ちゃだめだよ。全身燃えちゃうから」3人が離れる。
もしゲキカラがバーナーのチェーンを口から放したら、
金タライの中の燃料が燃え、ゲキカラも炎につつまれるだろう。恐ろしいテストである。

「じゃあ、行くよ」朝顔が狙いを定める「3・2・1、バン」「ズブッ」「うっ」
ゲキカラに麻酔銃が撃たれた。3人は時計を見ながら、嬉しそうに計測している。

「・・・・40秒・・・・45秒・・・・50秒・・」「何だよ、効かないじゃん?」
「分かった。60秒でもう1発追加する。・・・・57、58、59」「バン」「ぐっ」
「・・・・170秒・・・・175秒」「どうした?」「早くもう1発」「・・・178、179、バン」「くっ」
「・・・・210秒・・・・210秒」「おい、どうなってんの?こいつ」「効かないじゃん」「つまんないよ」

その時、陸奥が入ってきた。麻酔銃と火炙りか?とその場を見て理解した。
「相変わらずの悪趣味だな?いったん中止だ。雲鷹(ウンヨウ)さんがいらっしゃった。ゲキカラを見せに行く」
「はーい」3人が声を揃える・・・声だけはめっちゃ可愛い。尚更、こいつらむかつく!
「おい、放していいよ」とガスバーナーを引っ張る朝顔「放せよ」やっと取り上げると・・・顔が引きつる。
「こいつもう気を失ってたよ?」「打ったのは弛緩剤だろ?何で」「意味分かんない」
天井から吊るしているロープを外し、金タライの外に出すと、完全にフニャフニャと床に崩れ落ちるゲキカラ。
両手、両脚を縛られていたので、まともに顔から落ち、うつ伏せになり、もう全く動かない。

「やっぱ、麻酔薬は効いていたんだ・・・なのにこいつはずっとバーナーのチェーンを噛み続けていたのか?」

消えゆく意識の中でゲキカラは3人を確かに「ロックオン」していた。

「顔は覚えた・・・次に会った時・・・ぶっ殺す!」

211:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 13:20:01.56 Sitz7jUd0
age

212:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 16:06:40.16 Sitz7jUd0
age

213:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 19:00:59.72 Sitz7jUd0
age

214:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 20:03:37.28 ZhgVsEyV0
ゲキカラ危機一髪

215:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 22:18:29.53 1k32st4r0
監禁されたんだからエロい事されそうになる展開が欲しい

216:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 22:22:56.43 5n9TyUEj0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 47>

「雲鷹(ウンヨウ)」・・・陸奥が唯一頭の上がらない直属上司。
あのホウジロザメのような陸奥が絶対服従するのだから、雲鷹がどんな人間なのかは想像がつく。
そう陸奥がオニ女国際コースの生徒を使い、
好き勝手な事が出来るのは比叡の後ろ盾があるからに他ならない。
麻酔銃はおろかヘロインまで、雲鷹がどうやって入手しているのか?陸奥でさえ知らない。
分かるのは、「雲鷹についていけば間違いない」という事だけ。

ゲキカラが吊るされていた場所は、雲鷹が経営するホテルの「地下倉庫」だったのだ。
陸奥が「おい、しっかりしろ」とゲキカラの頬を叩くが、身体から完全に力が抜けきっている。
当たり前だ、中型動物用の麻酔銃を立て続けに3発も撃たれたのだ。
「しかたねぇな」と両手両足を縛られたゲキカラを右肩に担ぎ、そのまま雲鷹の部屋まで連れていく。
一般客の眼に触れないように、朝顔・昼顔・夕顔が見張りながら、非常階段から回り込んだ。

「失礼します」陸奥が雲鷹の部屋に入る。
やっぱり雲鷹のオーラが半端ではない。さっきまでホオジロザメだった筈の陸奥がイルカに見えてしまう。
長身で筋肉質、スーツが似合うが、眼光は恐ろしい光を帯びている。どれだけの修羅場を潜り抜けてきたのか?
「陸奥か、おおご苦労さん」と雲鷹の機嫌が良い。陸奥がホッとして立ったまま報告する。
「マジすか女学園3年、大島優子と並び、この街の不良界でトップの「ゲキカラ」という少女です」
「ほお?聞いた事があるぞ。これが・・・ゲキカラ?」
「はい」と言いながら、雲鷹の向かいのソファーに座らせる。まだ麻酔銃が効いていて、首が据わらない。
「良い面構えをしてるな、こいつは上物だ」雲鷹が喜ぶと「使い道はいくらでもありそうです」と陸奥。

「陸奥、お前ならどう使う?」と雲鷹が聞く。陸奥が緊張する。ここが勝負、認められたいのだ。
「はい、最新型「くのいち」にしたいと思います。「強くて綺麗でエロい」・・・需要はいくらでもあるかと?」
「陸奥」「はい?」「流石だな、お前と同じ事を考えていたよ」「ありがとうございます」陸奥の喜びの絶頂である。

「コン、コン」

その時、ノックが響いた。「どうした?」陸奥が答えると「雲鷹様にお客様です」
「おお、待ってたぞ、入ってくれ」雲鷹が笑顔で答える「・・・?」不思議に思う陸奥の前を
「失礼します」と分厚い筋肉、格闘家特有の鋭い眼、のし上がって来た者独特のオーラを出す男が通り過ぎた。
流石の陸奥がそのオーラで少し下がったのだ。こいつは本物だ。
「雲鷹さん、お久しぶりです」と握手しながら頭を下げた人物の名は・・・総合格闘家「ダイマ」。

217:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 22:27:19.02 9LDoPyMb0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 48>

「ダイナマイトみたいな戦闘力と、怒ると大魔神みたいに怖いってことで「ダイマ」だそうだ。
今後、ダイマ君を応援しようと思ってる。デビュー戦でランカーを秒殺だぞ、楽しみだ」嬉しそうに雲鷹が陸奥に語る。
「陸奥、『鈴蘭』って覚えてるか?あれは恥ずかしながら、私の隠し子なんだが・・・
娘、鈴蘭をダイマ君のプロデューサーにしたいと頼んでいるんだよ」流石の陸奥も苦笑いした。
「格闘家をプロデュースって?女子高生に何が出来るんだよ」とはとても言えないが・・・

「雲鷹さん、この女は?」ダイマが聞いた。
そこには、まだ麻酔銃から覚めていないゲキカラがソファーの背もたれに寄りかかっていた。
「おお、そうだった。こいつはゲキカラって、この街の不良界でトップだそうだ。
うちの陸奥が捕まえたんだ。まあ最新型「くのいち」として要人警護や諜報活動をしてもらい、
いずれどこかのVIPの眼に止まれば、高い値がつく若いうちに売り飛ばそうと思ってる」

「雲鷹さん、この女を私にくれませんか?」いきなりダイマが言ったので雲鷹が慌てる。
「くれって、どうするんだ?」「興味があるんですよ、こういう女に」ダイマが笑う。
「一目惚れか?若いな?」「違います、こういうドSっぽい女をドMにするのが楽しいんですよ」
「ははははは、そうか、今は真面目な格闘家だが、昔はかなり悪だったようだな?」雲鷹が笑う。

そして、ダイマが雲鷹の一番聞きたかった言葉を言った「その代わりと言っては失礼ですが、
私の海外デビュー戦を鈴蘭さんにプロデュースして貰うっていうのは?」
雲鷹が大喜びする「やっとOKしてくれたか?よし、この女は好きに使ってくれ」
「ありがとうございます」ダイマが礼を言った。
「何日か滞在するつもりです。鈴蘭さんのご都合が良い時間に打合せしましょう」と
ダイマは手足を縛られ眠ったままのゲキカラをお姫様だっこで担いで出て行った。

「陸奥、すまんな。何か埋め合わせはする」と雲鷹が頭を下げたので陸奥が慌てる。
「雲鷹さんが決めたことですから、異論はありません・・・
しかし、あのダイマがゲキカラの味方だったら、どうします?逃がされた上、こちらの情報が筒抜けに・・・」
陸奥はダイマの心を信じていない。

雲鷹が笑って陸奥を諭す。
「陸奥、ダイマは昔”豹鬼”という暴走族の頭だった。その”豹鬼”をゲキカラ1人に潰されたらしい。
悔しさをバネに狂ったように練習して総合格闘家としてのし上がって来た。そんな時、昔、
自分を、自分の族を叩き潰した憎き女が眼の前で寝ている。男なら・・・やる事は決まってるよな?」

・・・やばいぞ、ゲキカラ!絶体絶命

218:名無しさん@実況は禁止です
13/04/01 23:54:55.90 ixHQXmmo0
盛り上がって参りました!

219:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 01:27:54.39 T2Fhts/B0
やる事って、やっぱり…ハァハァ…

220:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 04:18:23.92 oAbrxQmR0
ドMに調教されるゲキカラさん…ハァハァ…

221:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 09:31:35.35 0g6+auAm0
保守

222:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 12:10:27.67 njdinxOk0
オラなんだかムラムラしてきたぞ!

223:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 13:02:38.82 qwgaRlMd0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 49>

ダイマは自分の部屋にゲキカラを運び入れた。
急な宿泊だったので、2人部屋になってしまったのが、かえって好都合なようだ。
2つある奥のベットにゲキカラをドサッと下ろした。
ゲキカラの身体がベットの上でバウンドし、長い黒髪がバラバラと乱れた。
スカジャン、制服、ロングブーツもそのまま。血や汚れでシーツを汚れてしまっている。

まず、ダイマはゲキカラの両手両足の縛りを確認する。緩んではいない。
そして、噛みつきを恐れてか?手ぬぐいを猿轡のように噛ませる。
まだ全く目覚める気配はない。

次に、部屋の中を一通り回ってみる。ダイマは用心深い性格のようだ。
部屋に怪しいところがない事が分かり、ゲキカラと違う方のベットに寝転んだ。
カーテンをしっかりと閉め、TVをつけ、ぼんやり眺めている。
時々ゲキカラを見る・・・ゲキカラが目覚めるのを待っているのか?

暫くすると、ゲキカラの意識が戻った。まだ頭がフラフラする。麻酔銃3発食らったんだ、仕方ない。
「ここは・・・さっきの倉庫じゃない、ホテルの部屋?・・・両手両足は縛られたままか?口に猿轡?」

その時、TVのボリュームが大きくなった・・・隣のベットに大きな影。ゲキカラの全身に緊張が走る。
立ち上がった男が近づいてくる。見覚えがある顔・・・「ん?・・・ダイマ?」
隣に居た大きな影が、昔素手素足での正々堂々とタイマンし、拳で魂で分かりあえたダイマと分かり
「助かった」とホッとしたゲキカラ。笑みが戻った。

しかし・・・そのゲキカラの思いを踏みにじり、ダイマがゲキカラの身体にのしかかって行く。
「はっ!?」慌てるゲキカラ。しかしダイマがゲキカラの身体に体重を預ける。
「うっ」後ろ手に縛られたまま重さが加わり、両腕が軋む。

それより裏切られた心の痛みがゲキカラを襲った「ダイマ?・・・どうして?・・・嘘だろ?」
次に、のしかかられたダイマにこれから何をされるのか?という恐怖がゲキカラを襲った。
喧嘩以外でこんなに近くに男が来た事が無いのだ。
両手両足を縛られ、猿轡をされ、麻酔銃でまだ身体が動かないゲキカラ。
その絶対絶命のゲキカラを更に恐怖させるダイマの一言。

「久しぶりだな、ゲキカラ。こう見ると・・・ただの華奢な女の子だな。
まさかこういうチャンスが来るとは。棚からぼた餅って諺がリアル過ぎて笑えるな。
ドSっぽいお前がドMになれば、ギャップ萌えが凄いよ?想像するだけでたまらない」

・・・見損なったぞ、ダイマ!ゲキカラ、逃げてくれ!

224:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 16:12:00.79 njdinxOk0
ドキドキ

225:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 19:32:06.31 wyOOG6hB0
興奮してまいりました

226:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 21:47:43.13 gMBzo6AA0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 50>

猿轡され、後ろ手に縛られ、両脚も縛り上げられた上、麻酔薬でまだ身体がいう事を利かない。
今のゲキカラに残された武器は・・・そう「一撃必殺の頭突き」のみ。
自由の利かない身体で、ダイマの巨体にのしかかられ、身体の反動は全く期待出来ない。

「気迫で行くしかない」一撃必殺の頭突き!

「それしか、ないよな?」しかしダイマがゲキカラの額を左手で押さえた。
完全に読まれていたか?・・・そしてのしかかってくるダイマ。最悪の事態!
あの最凶ゲキカラがもはやただの清楚で美しい「だけ」の女子高生に「成り下がった」。

後ろ手に縛られた両腕が、そして全身が、何より心が軋む。あまりのショックにろくに動けないゲキカラ。
・・・突然、身体を起こし、ゲキカラの猿轡を少しだけずらしたダイマ。
全身が軋むような重さが無くなり、猿轡が少しずれて、やっと呼吸が出来たゲキカラ。

しかし、ダイマがゲキカラのスカートを捲りあげ、真っ白な太腿をむき出しにした。
「んーーーっ」恥ずかしさで赤面したゲキカラが必死で叫ぶが、猿轡のせいでくぐもった声にしかならない。
「なかなかいい眺めだな?」ニヤリと笑うダイマ。満足気にドアの方を見る、何を考えているんだ?

「バシッ」「ぐうっ」いきなりダイマの張り手がゲキカラの太腿を強打したのだ。真っ白な太腿が真っ赤に染まる。
流石にプロ格闘家の掌底、凄い迫力。室内に響き渡る打撃音。ゲキカラは身体より「裏切られた」心へのダメージが効いている。
もう、なされるがまま。ダイマがもう一発叩く「ビシッ」「ううっ」強烈な張り手にゲキカラもたまらず声を漏らす。
「バチッ」「ああっ」ダイマの強烈な張り手を太腿に浴び、もう弱々しい声しか出なくなるゲキカラ。

すると、ダイマが攻め方を変えてきた。TVをアダルトチャンネルにしてボリュームを上げる。
思わず画面を見てしまったゲキカラがあまりの卑猥さに顔を背ける。「お前ももうすぐああなるよ」ダイマが近づいて来る。

身をよじって逃げるゲキカラをダイマが易々と捕まえた。
ダイマがゲキカラの身体にのしかかりながら左耳に顔を近づけてくる。
未知の恐怖に「んーーーっ」と声にならない悲鳴を上げ、身をよじるゲキカラ。
必死にダイマから顔を背ける。ダイマの囁くような息を左耳に感じた。ゾッとして総毛だったゲキカラ。
しかし流石の最凶ゲキカラもしっかりと抑え込まれていては、
全身でバタバタと暴れて、ダイマを少しでも拒絶するくらいしか出来ない。

「時間はたっぷりある、楽しもうぜ」

ニヤリと笑ったダイマの言葉が部屋中に響いた。ゲキカラ、どうなってしまうんだ!

227:名無しさん@実況は禁止です
13/04/02 23:15:35.77 s+m+9E6b0
つ、続きを!!

228:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 00:00:06.30 w75vtvUH0
攻めダイマ

229:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 02:39:46.85 fg0BOH9t0
ゲキたむ( *´Д`)ハァハァ

230:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 07:20:17.11 j0jf/juu0
保守

231:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 09:55:19.26 IUTQxyS70
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 51>

「んーーーーー」流石にパニックを起こし、満足に動かない身体ながら暴れ出すゲキカラ。
「仕方ないな」と立ち上がったダイマ、バスルームに入って行った。
持ってきたのは歯ブラシ?ニヤリと笑うダイマ。恐怖と絶望のゲキカラ、身体が動かない。
戻ってきたダイマの左手で両眼を覆われた。何も見えない恐怖!
少しずれた猿轡の隙間から、いきなり歯ブラシの柄を喉奥深く突っ込まれた。

「うげっ・・・ごほっ、ごほっ、ごほっ」

流石のゲキカラも喉奥に歯ブラシの柄を突っ込まれてはたまらない。真っ赤になって咳き込み、悶え苦しむ。
ゲキカラの身体があまりにも華奢に見え、悲惨に思えてくる。「おえっ、おえっ」と
何とか歯ブラシの柄を吐き出そうとしても、ダイマがそれを許さない。更に押し込んで来る。

「うっ、うぐっ・・・うげええっ・・・げほんっ、げほんっ、げほんっ、げほんっ」

流石に耐えきれず、涎を振り撒きながら、涙目で悶え苦しむゲキカラに、ダイマが大声で笑う。
「喉奥まで突っ込まれるとたまらないだろ?そろそろ、ドMが目覚めて来たか?」
あまりの苦しさに全身で泣き悶えるゲキカラを見て、大笑いするダイマ。しかし、何故かゲキカラ越しにドアの方を見た。
その隙を見逃すゲキカラでは無い・・・そうここは既にゲキカラの「殺戮圏内」!

一瞬の隙をつき、歯ブラシを何とか半分くらい吐き出すと、何と柄を噛み割ったのだ「バキッ」
「ブッ」と柄をダイマの眼に向け吐く「うっ?」刹那、ダイマの顔面目がけて、ゲキカラの一撃必殺の頭突きが飛ぶ!
「バキャッ」しかし流石、元県内最強暴走族の頭、現プロ格闘家のダイマ。
かろうじてかわし、目尻をかすめて「ブハッ」と血が舞ったが、致命傷にならなかった。

逆に、身体ごと頭突きで突っ込んだゲキカラは、ダイマにまともに抱きしめられてしまった。
ダイマの太い両腕で抱えられ、身動きが全く取れないゲキカラ。血を滴らせながらダイマが楽しそうに笑う。
「いいぞ、ドMとドSの両立、最高のツンデレだよ。そろそろこっちも楽しませてもらうぞ」室内に響く調教予告!

・・・ついに万策尽きたか?ゲキカラ、しかもダイマを本気にさせてしまう最悪の事態!そのダイマがまたゲキカラ越しにドアの方を見た。
「死ね!」抱きしめられて身体が動かないゲキカラ、懸命に首を斜め後ろに反らし、側面から頭突きをブチ込む!
ダイマが右前腕でゲキカラの喉を押し、頭突きを打たせない。しかし胴体のホールドが緩んだので、少しゲキカラの身体が動く。
縛られた両脚ながら、思い切り飛び上がり、ブーツの踵でダイマの足指を踏みつける「くたばれ!」
「うわっ?」ダイマがかろうじて脚を引き、これをかわす。流石に部屋用スリッパの上からブーツの踵で踏まれたらヤバい。
格闘家の本能か?男の本能か?ダイマはそのまま胴タックルのようにベットにゲキカラを完全に押し倒した。
目尻から頬を伝わり口元まで落ちて来た血を舐めるダイマの眼が残酷に光る。ダイマの身体が完全にゲキカラの上に乗った。
絶対絶命のゲキカラ!必死に顔を背ける。猿轡ごしに部屋中に響く絶望的な悲鳴。

「ああぁぁぁぁぁっ」

232:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 14:20:37.90 j0jf/juu0
どうなる

233:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 18:16:26.68 mohYy4ty0
age

234:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 20:43:54.36 j0jf/juu0
保守

235:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 23:06:10.05 WUA1qAgB0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 52>

アダルトチャンネルの卑猥な音声、「卑怯者」ダイマの高笑い、それらをかき消すようにずれた猿轡からゲキカラの大きな悲鳴。
今や「最凶ゲキカラ」も「ただの美少女」どころか「ドM調教の餌食」になってしまう?
捲りがったスカートの下からところどころ真っ赤に腫れ上がった真っ白な太腿が見える。白と赤のコントラストがエロすぎる。
それでも恥ずかしがる余裕すらない、身をよじり、とにかく全力で必死に「ダイマの身体の重さ」から逃げるゲキカラ。
しかし、それでも、ついにゲキカラの華奢な身体がダイマに完全に抑え込まれてしまった。最後の抵抗か?顔を背け続ける。

ついに、ダイマによるゲキカラドM調教が始まる。

・・・その時、耳元でダイマの息のように小さな声が聞こえた。
「落ちついてくれ、ゲキカラ。俺はあの時のままだ」少しダイマの身体が軽くなった「・・・ん?」ゲキカラが唖然とする。
ダイマが続ける「俺はまだ疑われているらしい、ドアの外に見張りが居るんだ」ゲキカラの捲れ上がったスカートを直した。
ダイマが身体を起こしたので、やっとダイマの顔を見た。眼が濁っていない!「確かにあの時のダイマだ」とゲキカラ。

ダイマが見ると、ドアの下から微かに見えていた影が無くなっていた。先程のゲキカラの大きな悲鳴を聞いてやっと見張りが去ったのだ。
多分あの三つ子だろう?ダイマが耳元で囁く「まだ、しゃべるなよ」そして両手両足のパラシュートコードを取った。
次に猿轡を完全に取り去ると、ベットサイドのメモ帳とペンを取るダイマ。すぐにこう書いた。

『いずれどこかに売り飛ばされるところだった、本当に無事で良かった、ゲキカラ』

ダイマの眼は、純粋に「大切な仲間を心配する」優しい眼だった。
ダイマはずっと「なるべくエロい事をしているようにアピールして、早く見張りを追い払おう」としていたのだ。
「ひどい事をして、悪かったな?」と心から謝るように背中をさするダイマ、自分の目尻から吹き出す血はそのままなのに・・・。
みるみるうちにゲキカラの両眼に涙がたまる。唇が震える。そのままバスルームに走っていき、
そして内側から鍵をかけると、スカジャンの袖を口に押し当てながら、声を殺して泣いた。
流石に怖かったのか?変わらぬ友情に安心したのか?・・・そして泣き止んだゲキカラが戻って来て書いた。

『本当にごめん、ダイマ。お前が信じられなかった。自分が情けない』
『迫真の演技だったろ?でも、手脚縛られ、猿轡、麻酔が効いててあそこまで戦うんだから、流石最凶ゲキカラだ』
『ありがとう。今プロ格闘家なのか?凄いな』『お前に負けてから、本気で格闘技をやってる。そっちは?』
『オニ女と戦っている。そしてムツに捕まった』『俺の知り合いが雲鷹、陸奥の上司。もう陸奥は襲ってこないだろう』
『ウンヨウとムツはヤクザなのか?』『表向きは企業家だが、危ない事も相当やってる』
『最近知り合ったおばあさんの家にたかっている奴がオニ女を使ってる』『雲鷹は地上げ屋も使う』
『おばあさんの長男が何かたくらんでいる』『いろいろ大変だったな』
『来週金曜、オニ女と戦う』『それにはまずは体力回復、今は休めゲキカラ、無茶するな』

バスルームから取ってきたバスタオルをゲキカラの頭からフワッとかけるダイマ。
赤面して下を向いているゲキカラにふと気がついて、慌ててアダルトチャンネルを消す。
『子供には刺激が強すぎたかな』『ああいうのは無理だ』そして、2人の筆談はいつまでも続く。

・・・やはり、命がけで戦ったゲキカラとダイマの「拳の絆」はしっかりと残っていた。2人は言わば「拳友」か?

236:名無しさん@実況は禁止です
13/04/03 23:32:27.13 k59puFS50
ダイマ信じてたぜ!
作者さんの発想すごい!

237:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 02:05:54.24 odJ1ZMh90
泣いてるゲキカラさんを抱きしめたい

238:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 08:19:41.37 kLixrb8e0
age

239:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 13:20:44.58 kLixrb8e0
age

240:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 16:24:11.39 kLixrb8e0
age

241:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 17:43:49.70 QN02IUil0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 53>

真っ赤な眼をしたゲキカラを見て、流石に可哀想に思ったダイマ。やっぱり歯ブラシの柄を喉奥に突っ込んだのは辛かっただろう?
『作戦とは言え、酷い事してすまん』『いや、その作戦が分からなかった自分が悔しいんだ』
ゲキカラ大号泣の理由は、まさか「ダイマの演技が分からず自分だけ素でいたから?」やっぱり「普通の美少女」では無い独特の感性。
「うーん?」流石のダイマもゲキカラを呆然と見る『どうした?ジロジロ見て』『普段はただのモヤシなのにな?』
『どういう意味だ?』『お前、やっぱり変だな』『何だと?』お互い額でグリッグリッと闘牛さながら押し合いながら譲らない筆談。

・・・その時、ノックもせずに入って来る人影。ギクリとするダイマ「雲鷹(ウンヨウ)にばれたか?」
そのまま、射るような眼でゲキカラを見ているのは・・・「鈴蘭」だ。
カードキーを持っていたのはホテルのオーナー雲鷹の娘だからだろう?
女子高生とは思えない成熟した身体。見るからに頭も良さそうだ。典型的な隙のない美少女系な顔。
ダイマのプロデュースが出来る聞き、喜び勇んで飛んで来てみれば、
ダイマとゲキカラがベットの上で、額を寄せ合い、親密に筆談している・・・ご機嫌斜めなのは明らかだ。

「ダイマさん、この人は誰?」ダイマはもう隠せないと腹を括った。小声で言う。
「ああ、マジ女いやこの街最凶と言われるゲキカラだ。前にタイマンで俺も倒された。滅茶苦茶強いぞ」
「ふーん、元カノじゃないんだ?眼で会話してたように見えたけど?」苛々している鈴蘭。
「陸奥に拉致されたんだ。いずれどこかに売られそうだったから、雲鷹さんに『ゲキカラをくれ』って頼んだんだ」
「雲鷹・・・その名前を出して欲しくないな、私に父親は存在しないから」

鈴蘭は親の心子知らずか?父親が大嫌いのようだ。

「素手素足、正々堂々のタイマンでゲキカラに負けて、俺はプロ格闘家になる決心をした。
あの時ゲキカラに負けたからこそ、ただの不良がアメリカで試合出来るまでのし上がって来れたんだ。
そんな時、ゲキカラが捕まって、いずれどこかに売り飛ばされると聞いた。
だから、何としてでもゲキカラを守らなければ俺はクズになっちまうと思った・・・それだけだよ」

小声ながら信念のこもったダイマの言葉に、鈴蘭が続けて言った。

「今のダイマさんの言葉に何一つ嘘は無かったと思う
・・・ゲキカラへの感情は、戦いの中から生まれた「真の友情」だという事も理解出来た
・・・私は雲鷹が嫌いだ・・・そしてダイマさんの事が好き
・・・最終的にダイマさんのプロデュースは雲鷹から私に移った
・・・私はダイマさんと一緒に仕事が出来る・・・だったら何の問題も無いよね?」

何とか気持ちの整理が出来たようだ。
聡明な鈴蘭は「この2人には男女の感情は無い」と即座に理解し、笑って出て行った。

「安心して、雲鷹には言わないから。いっぱい話してなよ。当面必要なのは、栄養と着替だよね?」

242:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 17:46:04.10 QN02IUil0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 54>

『スズランってすごい美人だな?今、好きだって言ったぞ!お前もてるな』とゲキカラがメモ帳に書く『そうか?』とダイマ。
『ところで、ウンヨウって何者だ?』『政治から芸能・スポーツ、金になることは何でも牛耳るドン』
『どうしてオニ女と組む?』『雲鷹がオニ女の創立した』
『どうしてオニ女を創った?』『人材育成。要人警護や諜報活動は女の方が目立たない』
『オニ女は不気味な奴ばかりだ』『血まみれで何度も立ち上がるお前の方が、相手から見ればどう考えても化け物だ』
『なんだと?』ゲキカラが睨む『ほめてるんだぞ!』ダイマが慌てて書く。
『バカにしてるのか?』カッカしているゲキカラのコメントにかぶせてダイマが書いた。

『色白美少女が実は最凶って、漫画の主人公みたいだ』

・・・それを見たゲキカラがメモ帳を握りしめたままクルッとダイマに背を向けた。
「美少女」と「漫画の主人公」を交互に見ては「てへへへっ」と照れている。
ゲキカラの顔が見えないダイマは「まだ拗ねてんのか?こいつ面倒な女だな」とばかりメモ帳を後ろからパッと取ると、
「んんー!」とゲキカラがダイマに飛びかかり、すぐにメモ帳を奪い返した。
「訳分からん」とばかりにダイマが「メモ帳よこせ」と身振りで伝えると、ゲキカラはメモ帳を胸に抱えて「イヤイヤ」と首を横に振る。
ダイマが「渡せ」と再度ジェスチャーすると、ゲキカラは『色白美少女が実は最凶って、漫画の主人公みたいだ』
の頁だけ「ピリ、ピリ、ピリ、ピリ」と丁寧に慎重に切り取ってから、ダイマにメモ帳を渡した。
その頁を切り取った事に「ピーン」と来たダイマ、こう書いた。

『清楚、真っ白な肌、長い黒髪、そんな美しき女子高生が最凶伝説をつくる・・・こんな映画ありそうだな?』

ゲキカラは見た途端「ボンッ」と真っ赤になり、またクルッと後ろ向きに座り直し、
「美しき」「伝説」「映画」の文字を何度も見て、ベットの縁で左右交互に脚をパタパタして「んふふふ」と喜んでる。
耳まで真っ赤だ。ダイマが後ろからゲキカラの右肩をトントンと叩き、「メモ帳貸して」とジェスチャーする。
やはり『清楚、真っ白な肌、長い黒髪、そんな美しき女子高生が最凶伝説をつくる・・・こんな映画ありそうだな?』
の頁を「ピリ、ピリ、ピリ、ピリ」と丁寧に慎重に切り取って、ダイマにメモ帳を渡す。何を書いてるのか?興味津々なゲキカラ。
早く見たくて身を乗り出す。しかし、『調子に乗るな、バカ』と書いてあるメモ帳に「ふがー」とゲキカラが怒った。
頭から湯気が出そうだ。ダイマが声を押さえながらも楽しそうに笑う。もう一回「メモ帳貸して」と身振りで伝えると、
ゲキカラはポイッと投げつけた。からかわれて、相当怒っている。もう一回やったら殴られるぞ!ダイマ。

『お前が漫画や映画の主人公じゃないか?と何度も思ったよ。普段のお前を見ると、
今でも俺はタイマンで負けたのが信じられない。美と凶、強さと儚さ、白と黒、光と闇、表裏一体がお前の凄さだ』

「ほー?」ピリッピリッと破いて一応「キープ」したゲキカラ「ふむふむふむ」と読んでいる。機嫌が直ったようだ。
『儚さって?』『はかなさ、少しは勉強しろ、馬~鹿』また「むあー」とゲキカラが怒ってダイマに飛びかかる。
「はい、イチャイチャタイム、終了~!」あれ?鈴蘭が戻って来てた。流石にちょっとムッてる。・・・ダイマ、災難!

243:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 20:15:42.46 rIUgA6G/0
ゲキカラかわいい

244:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 22:15:49.34 z0wVw+oc0
ゲキたむ( *´Д`)ハァハァ

245:名無しさん@実況は禁止です
13/04/04 23:48:06.64 kLixrb8e0
age

246:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 02:26:31.54 OHfWUvb60
保守

247:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 08:13:47.82 mmewOre60
age

248:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 13:38:23.79 XU5jEXTg0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 55>

鈴蘭の手際よい対応で、入浴、着替、食事を済ませ、ゲキカラの体力も順調に復調した。
結局、2泊3日、男1人女2人、合宿のような楽しい「奇妙な同居」を続けることになった。
極力、小声も控え、そのやりとりを筆談で通した。やはり、見張りの影が時折ちらついたからだ。
休養中とは言え、朝・午前・午後・夜と日に4回の自主トレを欠かさないダイマは部屋に居る時間が殆ど無い。
しかしダイマが居ない間もずっと鈴蘭が残ってくれたので、不自由を感じる事はなかった。
ゲキカラの体調を気遣ってか?ダイマへのアピールもあったか?食事は全て鈴蘭が作ってくれた。なかなかの腕前だ。
夜も片方のベットにダイマ。中央に敷居を挟み、もう片方にゲキカラと鈴蘭の2人で一緒に寝たので、
極度に人見知りのゲキカラでさえ、鈴蘭と仲良くなるのに時間がかからなかった。今や「親友」である。
流石にホテルの大浴場には行けなかったが、部屋での入浴、鈴蘭の献身的なマッサージや美味しい食事により、
バイクで撥ねられたダメージも癒えた3日目の早朝、鈴蘭の手引きでこのホテルを脱出することにした。

クリーニングが済んだピカピカの自分の制服に着替えると、やはり気になるのはマジ女の仲間。
ゲキカラの身体は軽かった!ダイマと鈴蘭のお陰だ。『いろいろありがとう。助かった。私に出来る事があればいつでも呼んでくれ』
とゲキカラがメモ帳に書いてダイマに渡す。『今、1つだけ頼んでいいか?』とダイマ『何だ?』とゲキカラ。
『膝枕して耳かきしてくれないか?』『したこと無いから、やり方分からん』『痛かったら手をあげるよ』

バスルームからメンボーを取って来たゲキカラ。ベットに腰掛けて「来い」と身振りで手招きする。
ゲキカラの膝枕に頭を乗せ、眼を閉じるダイマ。おっかなビックリの手つきが逆に可愛い。
一通り終わり「フー」と吹いて、頭と脚を反対向きにして、反対側の耳をかこうとすると、
ダイマがその場で身体を反転させ、顔をゲキカラのお腹側に向けたので、まさかの行為に流石のゲキカラも驚く。
「調子に乗るな、馬鹿」と頭をぶん殴ろうとしたが、止めた。ダイマが震えていたからだ。

日本の総合格闘技界に彗星のように現れた無差別級ホープのダイマ。
しかし、これからアメリカで自分より2回りも3回りも大きな強者との試合が待っているのだ。
「震えるのも仕方あるまい」ゲキカラは反対側の耳かきも終え、ダイマの頭をポンポンと優しく叩いた。
これから戦いに挑む仲間を思いやる気持ちで。しかし、ダイマもビビって震えていた訳ではない。
一種の武者震いだったのだ。自分が格闘技大国アメリカで勝ち上がるには「どんな強い奴に対しても絶対に折れない心」
しか無いと分かっていた。その心を一番持っているのがゲキカラだと言う事も知っていた。
だから、「ゲキカラの心」を自分の中に必死に植え付けていたのだ。
「ゲキカラの折れない心が俺にあれば、自分より遥かに大きい奴にもきっと勝てる。
なぜなら、こんなにもやしのようなゲキカラが無差別級の俺を倒したのだから」ダイマは思う。
「今回も両手両足縛られ、猿轡、麻酔が効いた状態で、歯ブラシ噛み割って、あの頭突き。俺だから間一髪かわせたが、
他の奴なら恐らく「一撃必殺」で破壊。いや麻酔無しならば、俺もまた沈められていたかも?・・・何なんだ、ゲキカラって?」

膝枕から起き『サンキュー』と書いたダイマがゲキカラに問う。絶対絶命で何を思ったか興味が湧いたのだ。
『嫌な事思い出させて悪いが・・・もしあの時本気でお前を辱めようとしたら、どうしてた?』
『もう少しでさるぐつわが外れた。そしたら喉笛にかみついた』必死に顔を背けたのは何と猿轡を解く為。
猿轡越しの「必死の悲鳴」に聞こえたのは「反撃に向けての野獣の唸り声」だったのか?やはり最凶ゲキカラ恐るべし。

「あそこから喉笛に噛み付くとは思いつかなかった。もし手を出してりゃ、今回も俺が負けたのか?
・・・こいつの彼氏になる奴って想像つかんな?閻魔大王くらいか?」・・・流石のダイマも苦笑いするしかなかった。

249:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 13:39:48.11 XU5jEXTg0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 56>

「はい、イチャイチャタイム、終了~!」・・・とは、「膝枕耳かき」の現場を目撃した鈴蘭も、今回は言わなかった。

ダイマとゲキカラの間に男女の意識が全く無い事が、この3日間で嫌と言うほど分かっていたからだ。
ダイマが少しでもゲキカラを女として見たら・・・
あるいはゲキカラが少しでもダイマを男として見たら・・・
鈴蘭は嫉妬に心乱れたであろう。ところが全くその心配がなかったのだ。
喧嘩では「最凶」だが、そういう意味ではまさに「安心安全」のゲキカラ。ゲキカラとダイマは命がけで拳を交えた「拳友」。

例えば、シャワーを浴び、Tシャツとハーフパンツで現れたダイマ。その鍛え上げられた筋肉に眼が釘付けになる鈴蘭。
しかし、「ここは効くだろ?いや、この角度か?」と軽くレバー打ちを「ドカッ」「ズドッ」と当て、ダイマを「うっ」と言わせ
得意そうなゲキカラ。「そもそもお前の拳は骨が固すぎるんだよ、その拳じゃどこ打たれても痛いよ」
と苦笑いするダイマ。「ドスッ」と鳩尾にお返しのボディアッパーを入れるダイマ。身体ごと浮き上がるゲキカラ。
「きゃあああ」あまりの迫力に悲鳴を上げる鈴蘭をよそに、「流石、プロだな」と笑っているゲキカラ、何で平気なんだ?

そして・・・「ありがとう、ダイマ、鈴蘭」とゲキカラが囁くように小さな声ながら、心からお礼を言った。
いよいよ別れの刻。ベットに腰かけたダイマが顔を上げる・・・

左眉毛を挟むように2ラインの傷跡がある、清楚な色白美少女。
長いストレートの黒髪が風になびく。 極細ウエストのスリムな身体つき。
真っ白な美肌に「ROCK」という大きなネックレスが鈍い光を放つ。
微笑しながら、 ローヒールの黒色ロングブーツでゆっくり歩み寄ってくる。
黒のニーハイと裾が斜めのスカートの間の絶対領域、真っ白な太腿が眩しい。
制服の上に着た深緑色のスカジャン、背中には「龍と富士」。
そのポケットに黒いブレスレットをした左手を突っ込み、 右拳をダイマに突き出した。

コツンと右拳を合わせるダイマが驚く。
「ゲキカラ、お前、俺と戦った時より滅茶苦茶強くなってないか?」
「おいおい、プロ格闘家が何言ってんだ?」
「いや、あの時より、数段上だぞ、お前の最凶オーラ。何があったんだ?・・・」

「いい天気だよ」太陽から舞い降りた妖精のように美しい鈴蘭がカーテンを開け放つ。
しかし、格闘家ダイマの眼は最凶ゲキカラに釘付け、後光が射しているように思えたのだ。まさに闘神!

「・・・本当の仲間が出来たからかな?」

ラッパッパの仲間を思い、グッと右拳を握る。ついに、ゲキカラ完全復活!

250:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 13:42:21.32 XU5jEXTg0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 57>

やはり、鈴蘭の頭の切れ味は凄かった。流石女子高生ながらプロデュース業をするだけある。

ルームサービスの台車の下段にゲキカラを乗せ1階まで下ろさせると、
裏口からシーツや部屋着の洗濯業者の運搬用トラックにゲキカラを乗せた。
既に洗濯業者の作業着に着替えた鈴蘭が、深く帽子をかぶり助手席で待っている。

「さあ、出して」鈴蘭が言うと、運転手が出発しながら言ってくる。「雲鷹様はこのことはご存じなんですか?」
「大丈夫だよ、心配しなくても。もしバレて雲鷹に問い詰められたら、
『鈴蘭に言う事聞かないと首にする』と脅されたと言えばいい。迷惑はかけないから安心して」
鈴蘭とダイマとで話は出来ていたのだ。もし雲鷹に問い詰められたら
「死んだように大人しくなったのでパラシュートコードを解いたらいつの間にか部屋から逃げた」と口裏を合わせるように。

運搬用トラックがマジ女すぐ近くのコンビニ駐車場に止まった。
「ここでいい?流石にマジ女の前で止めたら目立つから」と鈴蘭が荷台のシートに聞く。
荷台のシートの隙間から辺りを窺う野獣の両眼。無事が分かると中から黒い影が飛び降りた・・・ゲキカラだ。

「ちょっと待っていてくれ」スッとコンビニに入ると、飲物を勝って出てきた。
運転手に缶コーヒーを手渡し「少しだけ、時間をくれないか」と言った「はい」ゲキカラの最凶オーラに唖然とする。
そして鈴蘭に「ミルクティーが好きだったよな?」と手渡す。自分は炭酸をプシュッと開けた。
トラックの影で2人で「別れの杯」をした。「鈴蘭、世話になった、ありがとう。困った事があれば何でも言ってくれ。
お前の頼みなら、いつでも駆け付けるよ」・・・初めて喧嘩以外で出来た「親友」であろう鈴蘭。
「ゲキカラのお陰で凄く楽しい3日間だったよ!」鈴蘭が悪戯っぽく作業棒を斜め被りにしてウインク。決まってる、可愛い!
「ねぇゲキカラも?」やってみるが両眼一緒につぶったり、鼻がひくひくしたり・・・ゲキカラ、ウインク出来ず!赤面。
「私は邪魔だったろ?ダイマと暮らせて良かったな」ゲキカラの言葉に、今度は深く帽子をかぶり、真っ赤な顔を隠す鈴蘭。
美少女2人が楽しそうに赤面してるのは・・・思わず見とれる。

「それじゃまたな、鈴蘭」ゲキカラは空き缶をゴミ箱に投げ入れると、もう走り去っていた。
鈴蘭の眼にあっという間に小さくなった「龍と富士」が映っていた。「ゲキカラ、風みたい・・・」
間も無くマジ女の校舎が見えてきた、ゲキカラの足取りはますます軽い。

「優子さん・・・サド・・・ブラック・・・トリゴヤ・・・シブヤ」仲間の名前を噛みしめるように呼ぶ。
青空に浮かんだ雲が、皆の顔に見えてきて嬉しい。

・・・しかし、ゲキカラはまだ知らない。

自分が陸奥(ムツ)に拉致され、ダイマや鈴蘭に匿われ、体調回復に充てていた日々に
マジ女ラッパッパに起こってしまったあまりにも辛すぎる「悲劇」を。

251:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 17:07:22.05 ETHbm0r50
面白い

252:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 20:04:30.30 mmewOre60
実際の玲奈ちゃんもウインク出来ないんだよね

253:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 22:08:32.67 mmewOre60
age

254:名無しさん@実況は禁止です
13/04/05 22:32:29.34 3irpNHhl0
引き込まれますなー
続きがきになる!

255:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 00:52:10.01 0+YzwxXi0
あげ

256:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 06:05:53.51 0+YzwxXi0
(ゲキ・ω・カラ)

257:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 10:43:05.59 BQ3jOrPd0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 58>

黒い疾風がマジ女正門を駆け抜ける。気分も体調もバッチリだ。完全に回復している。
「うおおおお」そのまま、階段を駆け上がり、ラッパッパの部室に入る「おはよう、いや、ただいま!」。

しかし誰も居ない「あれ、まだ早すぎたかな?皆、寝坊かな?仕方ない奴らだ」
バッとカーテンを開け放つゲキカラ。陸奥ら卑怯者達の拉致監禁を耐え抜き、
拳友ダイマ・親友鈴蘭と過ごした時間が、ゲキカラを1回り成長させたか?半端ないオーラ!

すると奥の部屋から、ゲキカラと対照的にやつれ果て、眼の下にクマを作ったボロボロのサドがフラフラと出てくる。
「ゲキカラ、お前、どこ行ってたんだ?」と全く張りのない声でサドが言う。ゲキカラが答える。
「おばあさんの家で陸奥ってやつに拉致されて、今朝までダイマと鈴蘭に匿ってもらってた」

サドが自分の感情を可能な限り抑え、ゲキカラに言った。
「・・・昨日、優子さんが病院に担ぎ込まれた。まだ意識不明の重体だ」
「はあ?冗談止めろよ?この間、元気だったじゃないか?」
そう言って詰め寄るゲキカラ、しかし逆にゲキカラの胸倉を掴んでサドが淡々と話す。

「お前が謎の失踪、パシリが交通事故で『ムツ』という血文字を残して入院。心配した優子さんが一人で動いた」
「えっ?」
「お前がオニ女の連中らに拉致されていることを突き止めた優子さんが、単身オニ女に乗り込んだ」
「まさか?」
「優子さんは喧嘩しに行ったんじゃない、お前を返してくれと頼みに行ったんだ」
「どうして?優子さんなら全員ぶっ倒せるかも知れないのに」
「分からないのか?そこで暴れたら、拉致されているお前が酷い目に合うと考えたからだろう?」

「『ゲキカラを返してくれ』と頭を下げて頼む優子さんを
・・・オニ女の奴らはあのブラックジャックで全身滅多打ちにして
・・・フラフラの優子さんをバイクで撥ね飛ばした上、マジ女の前に捨てて行った、鬼畜のような奴らだ
・・・頭を酷く打って、今、集中治療室に居る・・・今夜がヤマだろう」

そこまで言うと、耐え切れずにサドが泣き崩れた「うわああああ」床に頭をつけ震えながら泣いている。

「どこの病院だ?」ゲキカラがサドに聞く「・・・県立中央病院、面会謝絶だ」
・・・サドの言葉が終わるより早く、ゲキカラが疾風のように駆け出していた。

「優子さんがやられた・・・嘘だろ?」

258:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 14:03:08.56 cc+1YarR0
優子さああああああああん

259:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 17:06:19.05 Z4TF+nqW0
鬼畜や

260:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 19:52:35.84 0+YzwxXi0
上げ

261:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 20:45:31.80 Ch6NHyiN0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 59>

マジ女から数キロ先の県立中央病院まで、一気に駆け抜けたゲキカラ。
もうタクシーを使う、などと言う基本的な考えも思いつかなかった。
一刻も早く優子さんに会いたい、優子さんの顔が見たい、その一心だった。

「嘘だ、サドは何か勘違いしてるんだ。あの無敵の優子さんが意識不明?有り得ないよ」
ゲキカラは思った、いやそう思い込もうとした。

息を切らせ、受付で「大島優子さんは?」と聞くや、脳神経外科集中治療室まで猛ダッシュで駆け付けたゲキカラ。
そこには、肩を落とし呆然とするトリゴヤ、シブヤ、ブラック。

「ゲキカラ!」トリゴヤが叫ぶ。シブヤがゲキカラに殴りかかった。
「お前、何してたんだよ?優子さんが・・・優子さんが・・・」シブヤが泣きながらゲキカラを殴る。
呆然として、シブヤのパンチを顔面に受け続けるゲキカラ。
何発目か、殴っているシブヤの方が崩れ落ち、そのまま泣いている。

ブラックがゲキカラをジッと見ていた。視線に気づくゲキカラ。その時ブラックが視線を変え、部屋の中を見た。
ゲキカラも同じ方向を見た。

・・・その中に、傷だらけの顔で優子が寝ている。周りには見たこともない色々な医療器具。
口にも鼻にも腕にもいろいろな管がつながれ、「何とかかろうじて生きている」のが一目で分かる。
「うっ?」大概の事には驚かないゲキカラが、全身に電流が走ったように震える。

すると「お前も大変だったんだろ?」ブラックがゲキカラの肩を掴んで来た。
「おばあさんの家で陸奥って奴らにバイクで撥ね飛ばされて麻酔銃打たれて拉致されて
・・・陸奥の上司の雲鷹って奴にどこかに売り飛ばされそうなところをダイマに助けられて
・・・そのままダイマと雲鷹の娘・鈴蘭に匿ってもらってた・・・今朝逃げて来たんだ」

「事情は分かる。でも、昨日の朝までに何とか電話1本欲しかったな」と肩を放すブラック。
「予断を許さない状態だって。あとは天に祈るしかないよ。ね、ゲキカラ」とスカジャンの袖を握ってくるトリゴヤ。
「誰もが恐れる最凶のお前なら、死神から優子さんを助けられるだろ?なあ、頼むよ」と額を背中に付けてくるシブヤ。
その時、看護婦が集中治療室から出て来て、怖いほど冷静に言う。廊下に声が冷たく響く。

・・・「非常に危険な状態です。ご家族の方はいらっしゃいますか?」

262:名無しさん@実況は禁止です
13/04/06 23:11:33.98 j85S8yO70
保守

263:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 00:50:14.56 tYF9r5Pt0
(甘・ω・口)

264:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 06:55:09.82 Y0W/W2MJ0
(ゲキ・ω・カラ)

265:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 10:45:11.14 yFEvnX+u0
優子さん…

266:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 11:06:05.94 HoK1BRLi0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 60>

「同居家族が居ません。今から探し出してここに来て貰うにはかなり時間がかかります。
付き添いの友人では駄目でしょうか?」

サドが当面の着替え等を持って駆け付けたのだ。「そのようなご事情でしたら・・・どうぞ」
サドが向こうで看護婦の説明を聞いている。見る見るうちに表情が険しくなっていく。
サドが戻って来た。顔が真っ青だ「サド!」皆が駆け寄る「何だって?」
「脳挫傷・・・予想以上に重症。治っても、運動機能、会話、視力に障害が残ったり、精神的な後遺症が残る人も多いそうだ。
それどころか昏睡状態が続けば、半分近くが亡くなり、社会復帰出来るのも3割程度・・・もう『あの優子さん』には戻れない」

「きゃあああ、そんなの嫌だよ、サド!何とかしてよ」トリゴヤが悲鳴を上げ、サドにしがみ付き、泣き喚く。
「サドに言っても仕方ないんだ」ブラックがトリゴヤを後ろからなだめる。しかしそのブラックも顔面蒼白。
「くそっ!・・・くそっ!」シブヤが壁を「ゴツン、ゴツン、ゴツン、ゴツン・・・」と殴りつける。

暫くして、ゲキカラが居ないことに4人が気がついた・・・「あの馬鹿、こんな時にどこ行ったんだ?」

その時ゲキカラは、病院の中央棟の屋上に来ていた。
隣の棟にある集中治療室が斜め下に見える。眼を凝らすと優子が寝ているのが微かに見える気がした。
天を見上げる。こんな悲しい日なのに、空は青く、風は優しい。ゲキカラの長い黒髪がフワッとなびく。
周囲を眺めてみる。こっちにマジ女の校舎・・・あっちにはオニ女の校舎がやけに小さく見えた。
「こんなちっぽけな街で・・・何やってんだろうな?・・・私達は」

今朝ダイマと別れ際にした会話
『「ゲキカラ、お前、俺と戦った時より滅茶苦茶強くなってないか?」
・・・「おいおい、プロ格闘家が何言ってんだ?」
・・・「いや、あの時より、数段上だぞ、お前の最凶オーラ。何があったんだ?」』

優子さんが大変な時なのに、何で今こんなこと思い出すんだろ?不思議に思うゲキカラ。
右拳を握ってみる。確かに前よりしっくりするような気がする。右拳が熱いのだ。
オニ女の校舎の方を見る。無抵抗の優子さんを殴った卑怯な奴らはどこに居るんだ?むかつく!
「うらああ」オニ女目がけ思い切り右ストレートを放ってみる「ブオォォン」凄まじい音。
確かに以前より威力が出ている。前はこんなに風を切り裂く音はしていなかった筈だ。

今度は、右拳で天を突き上げ、下しながら優子がいる集中治療室に照準を定めるように向けた。
「死神め、今すぐ失せろ、殺すよ?」右拳に息をかけ「ふっ」渾身の右ストレート「おらああああ」

「ブオォォォン」

天が真っ二つに裂けた・・・気がした。右拳がまだジンジン熱い、冷ますように「ふっ」と息をかける。

267:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 11:08:14.45 HoK1BRLi0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 61>

その頃、集中治療室が大騒ぎになっていた。

「患者がいきなり眼を開けた?」「脳挫傷で昏睡状態だったんじゃないの?」
「何故か分からないが・・・突然意識が戻ったみたい」「すぐ担当医の先生を呼んで来て」

いきなり騒ぎ出した看護婦にサドが駆け寄り「何があったんですか?」と聞くと、
看護婦が笑う「あなた達の気持ちが通じたのね?眼を開けて、少しずつ喋りだしたのよ」

「良かった」サドが膝から崩れ落ち、待合ソファーに顔を押し付けて「うわああああ」と号泣する。
今まで一緒にやってきたトリゴヤ、ブラック、シブヤもこんなサドは初めて見た。
その光景を見て貰い泣きしたのか?「助かった」と実感して嬉し泣きしたのか?3人も泣き出す。
4人の号泣が廊下に響き渡る・・・看護婦も流石に「うるさい」とは言えない雰囲気。

そんな時、スカジャンのポケットに両手を突っ込んだゲキカラが階段を下りて戻って来た。
「どこ行ってたの?ゲキカラ!優子さん、助かったよ」トリゴヤがゲキカラに抱きつく。
「何だよ、お前は肝心な時に居ないよな」とシブヤがゲキカラの肩をバシバシ叩いてくる。
「『心配かけて済みませんでした』って優子さんにちゃんと言えよ」と頭をポンと触るブラック。
サドはまだ号泣中「・・・そうか、良かった」ゲキカラは上を向いて涙を堪えた。

担当医の診断を終え、集中治療室から一般病棟の個室に移る事が出来た優子。
搬送中も「優子さん」「優子さん」とサド、ブラック、トリゴヤ、シブヤが一斉に大騒ぎする。

自分のせいで大怪我させてしまった優子に近づくのを躊躇うゲキカラ・・・「何て言おう?」皆から一歩離れて歩く。
顔を見るのが怖い。「ゲキカラ、ゲキカラ?」優子がそんなゲキカラを懸命に探し、必死に右拳を差し出した。
ゲキカラが涙をためて「優子さん、心配かけてごめんなさい。今朝戻りました」
とその右拳に自分の右拳をトンと合わせてから、両手で大切そうに包み込んだ。まだその拳に力が無いのが悲しい。

「なあ?ゲキカラ。さっき、お前の声が聞こえたよ。『おらああああ』って右パンチ思い切り打たなかったか?」と優子。
「聞こえたの?」とゲキカラ。2人の会話を不思議そうにキョトンと聞いている4人。優子が笑って言った。
「何故か分からないけど・・・『ブオォォォン』ってゲキカラの右拳が唸って
・・・そしたら『ひゃあああ、殺さないでくれ』って死神が逃げて行ったよ・・・死神を殴り飛ばす奴は初めてだよ、ゲキカラ
・・・あの鎌みたいな変な武器も置いてっちゃって、死神失格だろ・・・あははは、滅茶苦茶笑った」

優子に、そしてラッパッパに、いつもの笑顔が戻った。

268:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 11:14:53.69 Ag9625+y0
号泣したああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

269:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 13:23:59.15 dVDh/dyK0
めでたい

270:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 17:03:26.78 tYF9r5Pt0
age

271:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 19:51:03.48 tYF9r5Pt0
age

272:名無しさん@実況は禁止です
13/04/07 22:30:00.73 tYF9r5Pt0
age

273:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 00:51:05.53 5zaM/lzj0
ゲキカラさんはカッコイイ

274:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 04:40:13.74 mTHFX6u90
ゲキカラの舎弟になりたい

275:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 09:50:50.15 ISPLvDB30
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 62>

「当番制で優子さんの付き添いをしよう」と言うトリゴヤの申し入れを副部長権限で「一方的に却下」し、
「お前らは帰ってちょっとは勉強でもしろ」と独占的に「付き添いワントップポジション」を確保したサド。
「ずーるーいー」とトリゴヤが粘ったが「あの2人にしか分からない事もあるだろ?」とブラックが大人の意見を出し、
シブヤも賛成、結局トリゴヤも諦め、四天王は帰宅することになった。反省してるのか?ゲキカラは終始無言。

「優子さん『ゲキカラが死神を殴った』って、夢見てたんですね?」と聞くサドに
「いや、ゲキカラは確かに右拳を放ったよ、死神に向けて。きっちり一発で倒した。凄かったよ」と譲らない優子。
「少し、休みましょう」とサドが優子の掛け布団を直し、思った「・・・優子さん、まだ危ないな?」

「なあ、サド」「はい」「私が戻るまでオニ女とは戦うなよ」「はい」
「ゲキカラが心配なんだ、あいつが暴れ出したら止まらない。よく見ておいてくれ」「分かりました、ゆっくり休んで下さい」
面会時間を超えて、ついに病院から追い出されてしまったサド。
外で優子の部屋の明かりが消えたのを見届けて「お休みなさい」と会釈して帰って行った。

翌日、ラッパッパの部室でサド、ブラック、シブヤ、トリゴヤそしてゲキカラで話し合った。
やはり「優子さんが完治してから行くべきだ」との声が上がった。
しかしサドは思う「あれだけの傷を負った優子さんはもう喧嘩など出来ないんじゃないか」と。
結論を出さないサドに、苛々したゲキカラが言う「サド、優子さんは何て言ってんだ?」
「私が戻るまでオニ女とは戦うな、と言ってた」とサド。
「ならば、従うまでだろ?優子さんを待とう。話はそれからだ」とゲキカラが部室から出て行ってしまった。

実は、昨日は優子の事があり、すっかり忘れてしまっていた、命がけで戦ってくれた「パシリ」の事を。
灯台元暗し、パシリの入院先は何と県立中央病院、優子と同じだったのだ。
「すまん、遅くなったな?」ゲキカラが見舞いに訪れると「うわああん、ゲキカラの姉貴~!」パシリが大声をあげて泣く。
泣きにくいのか眼帯を取った。顔からフロントガラスに突っ込んだか?無数の傷跡。何針も縫ったようだ。
「何かイジメてるみたいで人聞き悪いから、もう少し静かにしてくれよ」とゲキカラがパシリの両肩に手を置いてなだめる。
「すいません、力及ばずで」
「サドから聞いた、お前凄い頑張ってくれたって。本当にありがとうな。入院費も教えてくれ。それくらいは払わせて貰うよ」
「来てくれただけで、お金なんてどうでも良いんです。ゲキカラの姉貴~」また大声で泣く。
「でも、あのホウジロザメみたいな陸奥に拉致されてよく逃げられましたね?良かった」
「おばあさんの家で陸奥って奴らにバイクで撥ね飛ばされて麻酔銃撃たれて拉致された後、
倉庫で気味の悪い三つ子に麻酔銃をまた撃たれて、陸奥の上司の雲鷹って奴にどこかに売り飛ばされそうなところを
あのダイマに助けられた。そのままダイマと雲鷹の娘・鈴蘭に匿ってもらってたよ。昨日逃げて来たんだ」

「えっ?雲鷹?」パシリの顔が急に険しくなった。珍しく眉間に深い皺が寄っている・・・

276:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 09:54:12.64 ISPLvDB30
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 63>

パシリが喚く「ゲキカラの姉貴、雲鷹・・・あいつは、あいつだけは避けて下さい」
「どうしてだ?」ゲキカラが聞く。
「強くて、綺麗で、エロい・・・最新型「くのいち」を生産し、要人警護や諜報活動をさせ、
いずれどこかのVIPに高い値がつくうちに売り飛ばす。その金でまた最新版「くのいち」を大量生産する。
そういう事を企画する外道なんです」パシリがとにかく必死に説明する。関わって欲しくないのだ。

「ふーん?いろいろ考えるんだな」全く興味のないゲキカラ。
「ゲキカラの姉貴は最新型「くのいち」に適任なんですよ。だから狙われるんです」
「ああ?お前、私をエロいと思ってんのか?」
「違います。ゲキカラの姉貴は強くて、綺麗だから、連れ去られて
・・・エロくなるような事を無理矢理させられたら嫌じゃないですか?」
「まあ『強くて、綺麗』は御世辞でも嬉しかったよ・・・そろそろ帰るよ、じゃあな、また来る」

入れ替わるように看護婦が入って来る「どうして眼帯取っちゃったんですか?駄目じゃないですか、
今無理したら、右眼が見えなくなっちゃいますよ」
「何だと?」帰ろうと思っていたゲキカラが背中でギクリと驚く「見えなくなるって・・・どういう事だ?」
「交通事故で視神経を激しく痛めて右眼の視力が1.5から0.01以下まで下がっています。
今無理したら本当に治りませんよ。お姉さんからもしっかり言って下さい」
姉貴と呼んでいたので、看護婦が勘違いしたのだろう?文句を言いながら出て行ってしまった。

「済まなかった、私に関わったばかりに。もう無理するな。早く眼帯をしてくれ」ゲキカラがパシリに言う。
「折角、ゲキカラの姉貴がお見舞いに来てくれたのに、ちゃんと見ないと勿体ないです」
ゲキカラが自分の制服から赤いスカーフをスッと取った。
そして、パシリの右眼に眼帯をし、その上からスカーフを手際よく頭に巻き、眼帯を固定した。
「次に見た時、このスカーフが取れてたら・・・絶交だぞ。同じ病院に優子さんも入院してる。たまに見に来る」
パシリは大喜びだ「えっ?まさか、このスカーフ、貰っても良いんですか?しかもたまに来てくれるって?」
ゲキカラは呆れる「そんなもんいくらでもやる、見舞いにもくる、だから眼帯は絶対に外すなよ」

まさかのお宝ゲットに大喜びのパシリ「うっしゃあああ、怪我してみるもんだ」ガッツポーズ。
「馬鹿、失明しそうなんだぞ。スカーフと見舞いごときで何言ってるんだ」ゲキカラが呆れ果てる。

「それにしても・・・優子さんの頭、パシリの右眼・・・倍返しどころじゃ済まさん」
ゲキカラが右拳を握りこむ。スーと呼吸をすると「うらああああ」「ブオォォォォン」
物凄い右ストレートが風を切り裂く。また威力が増してる「オニ女、陸奥、そして雲鷹・・・息の根止める!」

「強くて、綺麗で、神がかってるよ。流石、ゲキカラの姉貴!」
パシリの左眼がキラキラ光ってる。憧れのヒーローを見る子供のように。

277:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 16:31:17.22 4QRXRXdk0
もうパシリと付き合っちゃえよ

278:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 19:44:56.94 jp+ahhDj0
age

279:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 22:18:58.38 aa/jLgXW0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 64>

ラッパッパの部室。サドが悩んでいる。
「優子さんにはこれを機に勇退して貰おう・・・もし頭に再び強いダメージを受ければ、下手すりゃあの世行きだ。
しかし、優子さん抜きで、あの化け物集団オニ女に勝てるのか?5人で200人は、やはり無理だろう?」
伸びシロは・・・まだ使っていないトリゴヤの覚醒。しかし、複数が同時にくる戦いでトリゴヤは不向き、これだけでは勝てん。
ならば、オニ女との戦いで日々進化し続けているゲキカラを更に覚醒させられたら・・・?この間も50人は倒していた。
ゲキカラが覚醒し、完全に殺戮兵器化してオニ女を襲えば・・・勝利が見えてくる。やはり、ゲキカラ完全覚醒、これに尽きる」

サドが具体的にプランニングし始めた。
「オニ女の戦力を少しでも減らし、かつ、ゲキカラが覚醒する・・・あるじゃないか、1つ?」
サドの両眼がギラッと光った。

翌日、ラッパッパの部室で「優子さんが戻るまでオニ女とは極力争わないようにするが、
万一戦う状況になった場合はゲキカラの作戦・指示で切り込む」とサドが提案する。
「正直、オニ女との戦いに一番順応出来ているのがゲキカラ、この勢いに乗りたい」とサドが言うと、
「優子さんの留守を任されている副部長のお前が仕切ればいいだろ?」と当の本人ゲキカラから反対される。
 
サドが攻め方を変えてきた。
「ゲキカラ、お前がオニ女と戦っていて、何か気が付いたことはないか?」
「そうだな、あいつらはコンピュータみたいだよ。訓練した動きをその通りにやろうとする。
だから、こっちが本能的に動くと、間違った反応をしたり、反応が遅れたりする」
「例えば?」
「パラシュートコードで後ろから絞首刑にあった。コードに手をかけて敵の肩を使って
逆上がりで前に降りたら、ビックリして固まってたよ。後はサドと組んで仲間割れの喧嘩のフリしたら
おいおい、って顔して動けなかったよな?いきなり照明消した時もびっくりしてたしな?」
「そうだったな。他には何か特徴あったか?」
「複数戦、武器戦には強いが、素手素足のタイマンはそれほどではなかったな」
「どうしてだ?」
「多分、警護の訓練を受けてるからじゃないか?他人を守るくせがあるので、身体の中心軸がぶれやすい気がした」

「やはりこいつは喧嘩の天才だ」と思いながら、ついにサドが核心をついてくる。
「もし、オニ女に奇襲をかけ、壊滅させるなら、どうしたらいい?」
ゲキカラがニヤリと笑う。
「やはり、意表をつくことだな?敵の頭や主だった幹部を登校途中に襲撃して校舎に入れない、
予め屋上に忍び込み上の階から下の階に向かって攻め下りる、非常ベルを鳴らして混乱させる、
消火器で視界が利かないようにして「闇討ち」する、水道管を破裂させ廊下を水浸しにするとパニックになる、
花火や爆竹を何箇所かに大量に同時に打ち込むのも効果あった、一斉に照明を消されると結構怖いよ、
バイク2人乗りで運転と攻撃を分担して突っ込むんだ、どかない奴は撥ね飛ばす、他には・・・」
「もういい、分かった」自分で聞いたくせに、サドがドン引き。

・・・やっぱりゲキカラが味方で良かった!

280:名無しさん@実況は禁止です
13/04/08 22:21:36.87 aa/jLgXW0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 65>

「優子さんが戻るまではオニ女とは戦わない。だから絶対に挑発に乗らない」
「万一オニ女が戦うことになったら、サドが、もしサドが居なければゲキカラが仕切る」
結局、この2つを5人で誓い合った。

「オニ女と戦う筈だった今度の金曜日、皆揃って優子さんのお見舞いに行こうか?朝ここに集合してから」
サドが言った。「賛成~、ねえ果物とかお菓子も持ってく?雑誌とかは?」ノリノリのトリゴヤ。
「そうだな、6人留守中に守りを固める根回しもしてたし、丁度いいよな」
シブヤの意見に、ブラックも頷く。
「ゲキカラ、お前も行くよな?・・・いつオニ女とバッタリ会うとも限らない。皆、体調整えとけよ」
サドの声が「凄く遠くに」聞こえた・・・ゲキカラは妙な胸騒ぎがした。

木曜日の放課後、ゲキカラは優子のお見舞いに行った。毎日サドが付き添っているが、やはり直接顔を見たくなってしまう。
「おお、ゲキカラ、よく来てくれたな」上体を起こし、右拳を突き出す優子。
「優子さん、無理しないで」右拳をコツンと合わせると、大切そうに優子の右拳を両手で包んだ。
「もう自分でちゃんと歩けるんだぞ。あんまり病人扱いするな・・・そういや、お前も大変だったって?何があったんだ?」
「嫌な予感がして、おばあさんの家に寄ったんだ。松の木に水を撒いてたら怪しい人影が見えたので追いかけた。
陸奥って奴らにバイクで撥ね飛ばされて、車の中で麻酔銃撃たれて眠ったまま連れてかれた。
その時、パシリの追跡に気がついた陸奥が、私を車の中から放り投げたんだ。必死に避けたパシリは右眼に重傷を負い、
失明の恐れもあるって。その後、倉庫みたいなところで天井から吊るされたまま不気味な三つ子に麻酔銃をまた撃たれた。
そして眠っているまま陸奥の上司の雲鷹って奴のところに連れて行かれたんだ。
雲鷹にどこかに売り飛ばされそうなところをあのダイマに助けられた。雲鷹はプロ格闘家ダイマの後援者らしい。
そのままダイマと雲鷹の娘・鈴蘭に3日匿って貰って、鈴蘭にマジ女近くまで送って貰った」

ゲキカラが続ける「でも、ちゃんと連絡出来なくて、ごめんなさい・・・優子さんがこんな目にあってしまうなんて
・・・オニ女、陸奥、雲鷹、あいつらは私がキッチリ潰すよ」ゲキカラの両眼がギラギラしている。

「あはははは、よせやい、まるで私が可哀想な奴みたいじゃないか?」そんな優子の両眼をジッと見て顔を近づけるゲキカラ。
「おいおい、どうした、まさかの告白か?」と笑う優子。ゲキカラは笑わない「ねえ、優子さん、サドと何か話したの?」
「いや」「サドが何かおかしいんだ」「今朝も来たけど・・・いつも通りだったぞ?」
「違う、何か『自分が居ない時は』みたいな事をすぐ言うんだ」「うーん?夜来てくれるみたいだから気をつけとくよ」
「じゃあ、今日はこれで、明日は皆揃って来ます」ゲキカラが優子に挨拶してパシリの部屋に向かった。

同じ頃、サドはラッパッパの部室の窓から、沈む夕陽をずっと見ていた。
白いファーコートが燃えるようなオレンジ色に染まっていく。・・・何を思う、サド?

281:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 01:05:28.80 f+cvf3gA0
続き気になる

282:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 07:03:33.95 W8cw2sfv0
age

283:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 13:54:36.84 OURf1VUs0
刺されて入院したあと容体急変して苦しんでる時のゲキカラがエロかった

284:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 15:59:40.27 U1crgooo0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 66>

「ちゃんと眼帯してるか?」ゲキカラが見舞いに訪れると「ゲキカラの姉貴!」パシリが感激して飛び起きた。
眼帯の上からゲキカラの赤いスカーフを巻いている。右眼はちゃんと治療して、安静にしているようだ。
しかし、何かを思い出したように寂しそうな顔をしてスッと布団に潜り込んだパシリ。
「何してんだ、お前?」ゲキカラが覚めた眼で言う「じゃあ、もう帰るぞ」ゲキカラの背中にパシリが言った。

「・・・だって、ゲキカラの姉貴が、ダイマに膝枕して耳かきしたって・・・好きなんですか?」
真っ赤になるゲキカラ「ど、ど、どうして、知ってんだ?そ、そ、そんな事」
パシリは布団に潜ったまま答える「鈴蘭さんって姉貴の友達ですか?午前中その人がお見舞いに来てくれたんです。
でも、ダイマって、姉貴が前にタイマンでぶっ飛ばした、豹鬼の頭でしょ?いつからそんな仲になったんですか?」
パシリが食い下がる。「ははあ?鈴蘭め、パシリをからかったな」ピーンと来たゲキカラが答える。
「雲鷹に売り飛ばされそうなところを助けて貰った御礼だよ。アメリカで試合するっていうからそのエールも兼てな。
ダイマの事を好きなのは、その鈴蘭なんだよ。私じゃない。お前、鈴蘭にからかわれたんだ」
ゲキカラの答えに「良かった・・・」とホッとするパシリ。やっぱりゲキカラの姉貴は安心安全だ!
「っていうか・・・鈴蘭がお前のお見舞いに来た方が吃驚だが?」とゲキカラ。
「優子さんのところにも寄ったみたいです。『皆、やり過ぎだ』って怒っていました」
「『皆、やり過ぎだ』・・・って鈴蘭が言ったんだな?」ゲキカラが呟く「あいつ、何者なんだ?」
「それから、サドさんも来てくれました。」驚くゲキカラ「おい、サドの様子はどうだった?」
「俺の事認めてくれたんですかね、『これからもゲキカラの事頼むぞ』って、いやあ、参ったな。
典型的な美人の鈴蘭さん、モデルみたいなサドさん、そしてメインにゲキカラの姉貴まで来てくれて
・・・今日の俺、モテ期っすかね?あはははは」パシリ、人生の絶頂。笑いが止まらない。

「姉貴が長澤まさみの役で・・・あれ?」ご機嫌なパシリの部屋に、ゲキカラの姿はもう無かった。パシリ、調子乗り過ぎた!
既に帰り道のゲキカラ「パシリに『これからもゲキカラの事頼むぞ』ってやはりサドがおかしい、明日本人に直接聞くか?」

その時、背中に恐ろしい殺気を感じたゲキカラ「うっ?」必死で前に飛んだ。
スカジャンの背中、龍と富士にかろうじて引っかかっていた何かがポトリと落ちた。
落ちたのは吹き矢の毒針、吹いたのはあの三つ子「朝顔」「昼顔」「夕顔」である。

・・・暗い夜道で毒針の標的、まだ三つ子の隠れている位置もハッキリとは分からない、大ピンチ!

しかしゲキカラが闇を見て笑う「ふふふふふ、今考え事してんだ、さっさと消すよ”雑魚キャラ諸君”きゃはははは」

285:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 16:02:20.14 U1crgooo0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 67>

ゲキカラには見えていたのだ、三つ子の隠れている位置が。そのまま前方に思い切り駆け出したゲキカラ。
三つ子が慌ててついてくる。その足音を聞いているゲキカラ「あの3人に間違いないな」と確信した。
歩幅、体重がほぼ同じ人間が同じペースで走って来るのが聞こえたからだ。何という野生の勘!三つ子が角を曲がった時、
もうゲキカラが見えなかった「くそっ、非常に敏捷性に長けているな」「それより、咄嗟に前に飛んだ危機回避能力の高さが驚異的だ」
「及び、これだけの距離を一気に駆け抜ける赤筋白筋のバランスが取れた機動力も高く評価すべきだぞ」
「まずは、作戦会議を開催しよう?」「異議なし」道端に座り込む・・・声だけは可愛いが、やっぱ、こいつらムカつく。

しかし、この三つ子はまだ知らない。
・・・もうここは既にゲキカラの「殺戮圏内」。狩る方と狩られる方はとっくに逆転しているのだ!

「カラン、カラン」小石が転げる音が向こうで聞こえた。「ゲキカラだ、馬鹿め」3人が音の方に駆け出す。
「何だ、違うじゃないか」戻ってくる3人、いや2人になっている「夕顔が居ない?」。
さっきと逆の方向から「カラン、カラン」やはり小石の音だ。「くそっ、ゲキカラ、こっちか?」2人が音の方に走る。
しかし居なかった。戻りながら朝顔が「夕顔はどこに行ったんだろう?」と昼顔に尋ねる。しかし隣に居た筈の昼顔まで消えた。
「おい、昼顔?夕顔?」あたりを見回す朝顔。最初の小石の音の方へもう一度走る。
慎重に見ると、暗がりの中、電信柱の形がおかしい?気絶した夕顔が柱に寄りかかっていた。
「夕顔、夕顔?」地面に寝かせると「まさか?」と昼顔が消えたところまで走る。
やはり気絶した昼顔が電信柱に寄りかかるように気絶していた。「昼顔、昼顔?」地面に寝かせる。
その時、まがり角の向こうで携帯電話の着信音がした「詰めが甘いな、ゲキカラ」
ダッシュで向かう朝顔。曲がった直後にドスッとあまりにも強烈な手刀が首筋に突き刺さった。
「そういうことだったのか?」消えゆく意識の中で、朝顔の眼にゲキカラが映った「ナイス、携帯!」と笑っている。

「ぐはああああ」

腹が丸太で串刺しにされたような強烈な痛みで跳ね起きた朝顔。
「あぐっ、あぐっ、あぐっ」ダメージで痙攣した状態の朝顔を見て・・・ゲキカラが笑っている。
「ぎゃうあああ・・・はあっ、はあっ、はあっ」と次に昼顔を「叩き起こす」、
「ぐぅえええええ・・・げへっ、げへっ、げへっ」と夕顔も残酷すぎる「目覚まし」を食らう。
「あはははは、この前、私に麻酔薬打って効き目を実験したよね?逆に実験してあげるね、ふふふふふ」
ゲキカラが何かを持ってきた。両手に1本ずつ・・・ロープか?

「きゃはははは、これ、何ーんだ?ふふふふふ」

ゲキカラの両手に持っているものを見た3人が絶句する・・・毒蛇マムシ!
ボディブローのダメージでろくに動けない3人に「あはははは、時間はたっぷりあるから、焦るな焦るな、きゃはははは」
2匹のマムシを3人の首元を次々に噛ませる「ぎゃあああ、人殺し」3人が絶叫するが止めない。ゲキカラが楽しそうに笑う。

「ふふふふふ、遠慮せずもっとカプカプ噛みな?首に飽きたらどこでも好きなとこ言えよ?あはははは」

286:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 19:03:14.44 kj4nidgX0
いいぞ

287:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 22:10:54.84 QENO0W9C0
どんどん噛みなさい

288:名無しさん@実況は禁止です
13/04/09 23:08:32.30 uD3tCN0T0
<マジすか学園1プロローグ 喧嘩地獄変!ゲキカラ 68>

「ブツッ」マムシが毒牙が皮膚に刺さる音が耳にかすかに聞こえる恐怖「ぎゃああああ」三つ子から次々に悲鳴が上がる。

「なあ?ここも食うか?」嬉しそうに耳や鼻、何と唇をも噛ませる「美味いか?いっぱいおかわりしろよ」「ひゃああああ」
ゲキカラに促されるまま、空気を読んだかのようにカプカプ噛み付くマムシ。これだけ噛まれたら血清が無ければ死ぬのは明らか。

「あっ?血清忘れちゃった。探してくるから待ってて」

そう言うとゲキカラが出て行った。3人が騒ぎだす「間違いなくマムシだったよな」「出血性の毒だったっけ?」
「10回は噛まれた、やばい」部屋を見渡す。廃墟の中のようだ。何も置いていない、何も貼っていない。不気味すぎる。
部屋のドアを開けようとするが開かない。外から鍵を閉められた。窓もない
「おい、ゲキカラは本当に戻って来るんだろうな?」「携帯で電話しろ」「うわあああ、携帯の電源入らない」
「バッテリー抜き取られてる」「何か噛まれたところが痛みだした」「だんだん眩暈がしてきた」「熱出てきたみたい」
「まずい、典型的なマムシ咬傷の症状だぞ」「ぎゃああああ」「助けてぇ」

ドアが開いた「1人分しか無いって」と血清が入った箱を投げ込むとガチャンと鍵を閉めた「でも、頑張って生き残ってね」
「3分の1ずつ使おう」「いや、それじゃ誰も助からない」「じゃあ、どうするんだよ」「いいから、よこせ」「何すんだ」「止めろよ」

「バリン」

手から滑り落ちた血清の壜が割れてしまった「おい、どうすんだよ」「このまま死ぬのかよ」「うわあああ」
その時、またゲキカラが入って来た。「おい、血清くれよ、いや、下さい」「助けて」
「あははははは、じゃあ喧嘩で私に勝った人だけ助ける、きゃはははは」とゲキカラ。
「本当なのか?」「信じていいんだよな?」「よし行くぞ?」

ゲキカラの回りを3人が囲む。「うおお、死ね!」やはり隠し持っていたブラックジャックが同時にゲキカラを襲う。

「!?」・・・ゲキカラがまず「破壊」すべき「敵」は昼顔だった。
昼顔にステップインして右拳が唸る「ブオォォン」「グバッ」「ぐぇっ」吹っ飛び壁に衝突。
振り向くと朝顔と夕顔のブラックジャックが打ち降りて来ていた。
スッとかわすとブラックジャックが髪の毛にかすかに触った。
打ち降ろし、体勢を立て直した夕顔に「ブオォォン」「ガキッ」「ぎゃっ」右拳が突き刺さる。

「きゃはははは、残り1人だぞ、お前。派手に散れよ、花火みたいに!あははははは」
ブラックジャックを右手で横殴りに顔面に打ち込む朝顔「貰った」
ゲキカラの右拳が出ない、反応が遅れた?囮だった。ブラックジャックをかい潜るように下にかわし、
全身のバネを利かした、右クロスアッパー。「ブオォォン」「グキャッ」「ぐあっ」
宙に舞い、背中から壁のかなり高い位置に激突、ズルズルズルと落ちて来て、尻もちをつく。ワイヤー無しで香港映画?
まるでトマトを壁に思い切りぶつけたような感触に・・・「なかなか、いいね」と右拳をフッと吹いた!


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