13/03/15 00:19:58.45 LV8ypKoa0
その時、地下の廊下中にサイレンが響き渡った。
ウルセーヨは急いだ様子でテツヲに鍵を渡す。
「行け!お前は必ずここから逃げ出すんだ!ノブナガを探すんだ!
あいつなら・・・きっとなんとかしてくれる!」
「行けって・・・お前も、ウルセーヨも一緒に!!」
「もうすぐ警備兵達が来る。ここは俺が守るから・・・だから行け!!」
「ちくしょう!カッコつけんじゃねーよ!!」
テツヲは額につけていた黒いヘアバンドを外し、それをウルセーヨの手に渡した。
「必ず、ノブナガと助けに来るから・・・・」
ウルセーヨが来た方向から聞こえて来る無数の足音。
警備兵達がウルセーヨとテツヲの方へと向かってきた。
ウルセーヨは後ろを振り返り、テツヲに微笑みかける。
「梅干し・・・また食おうな。」
そう言うと前を向き、テツヲの黒いヘアバンドを額につけ固く拳を握り締めた。
そしてウルセーヨは「おらぁ!」と声を上げ警備兵達に向かっていった。
テツヲの後ろから聞こえて来る“友”の叫び声と、鈍い音に思わずテツヲは
後ろを振り返った。
その目に映る友の姿は、顔から血を流し地面に這いつくばらされ背中を押えられた
自由を奪われた姿だった。
だがウルセーヨの目は死んでいなかった。
「テツヲ!!行け!お前が・・・皆を助けるんだ!!」
「ウルセーヨ・・・お前を置いてなんか行けねーよ!私達は・・・“ウルテツ”なんだよ!
2人で1つなんだ!」
「ったく…うるせーよ・・・・。」
ウルセーヨがそう呟いた時、警備兵がテツヲを追いかけようとした。
その足首を必死に掴み警備兵を引きずり倒す。
そして「おらぁ!」と声を上げ再びウルセーヨは立ち上がった。
「振り返るな!行け!!」
「・・・ちくしょう!!」
テツヲはそう言って背を向けてその場から走り去った。
ガンと音を立て、ウルセーヨの頭に警棒が叩き込まれる。
テツヲの黒いヘアバンドが真っ赤に染まっていく・・・・
「いってぇ・・・・。けど毎日筋トレしていて良かったなぁ。
テツヲを守れた。」
真っ赤に染まったヘアバンドから血が滴り落ちた。
ウルセーヨは警備兵達を鋭い眼光で睨み、こう言った。
「始めようぜ。俺の名前は“ウルセーヨ”だ…
黙らせてみろよ?簡単にはいかねーぞ!!!」――
マジすかプリズン―テツヲ、ウルセーヨ編、完―