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前田の6年半は、エースとしての孤独と向き合う6年半だった。人見知りな性格ゆえにそれほど
多くはないものの、初期メンバーを中心に気の置けない仲間はちゃんといる。それでも、“AKB”
の顔としてグループの矢面に立ってきたものには、つねに孤独という宿命が課せられてきた。そ
れは今回も例外ではなかった。
「でも、誰か一人には事前に伝えておかないと、何かあったときに私では収拾がつかなくなる。そ
う思いました。そうしたら、頭の中にたかみながいっぱい出てきました。」
明けて最終日。開演間近の楽屋で、蝶のように飛び回ってるリボンを見つけると、そっと声をかけ
た。「ちょっと時間もらっていい?」
「私は今日、こういうことを言うからって話したら、それまで黙って聞いていたたかみなが言ったん
です。『そのときは私からも絶対伝えたいことがある。敦子が多くを語らないのはわかってるから
私がしゃべるね』って」
高橋が観客に伝えておきたかったこと―。
3時間後、前田の口から卒業が発表されたあと、高橋は動揺する観客に向かって、そしてメンバ
ーに向かって、やさしく言い聞かせるように語った。一年前、前田と食事をしているときに相談を
受けたこと。だから、この発表は一時の感情ではなく、前田なりに悩み、迷い、考えたうえでの決
断だということ。
「たかみなは6年半、ずっと私の隣で見ていてくれました。私の至らないところもよく知っています。
だから言葉足らずで誤解されないように、思いつきで言ったと思われないように、私を助けてくれ
たんです・・・・・・。」
2人の絆を感じさせるエピソードだ。だが、意外なことに前田と高橋がプライベートで一緒にいる
ことは少ない。
「私たち、プライベートでは意外とバラバラなんです。でも、こういうときはやっぱり、たかみななん
ですよね」