12/01/15 23:54:32.64 aIoMvSLU0
書き溜めてる?
3:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:54:54.50 er+gyCFf0
書き溜めてないならスレ建てんなよ
4:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:55:16.47 JcVp19Si0
かまわん続けろ
5:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:56:21.00 pVibc1pX0
>>1です
渡辺「? ・・・ゆきりん、今日可笑しいね? まあいいや、取り敢えず、公演が始まるから早く舞台に行こう!」
柏木(取り敢えず、ここは夢の中! 目が覚めたら、きっとあっちゃんが1位のいつもの世界が広がっているはず! きっとそう!)
柏木「ごめんごめん! よーし、みんなで頑張ろう! 円陣やるよー」
6:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:56:32.93 nR0raeDH0
もう眠いんっだけど
7:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:57:00.67 pVibc1pX0
~自室にて~午後11時
柏木「今日も良い汗かいた! おやすみ」
柏木「って、ちょいちょーい! やっぱおかしいでしょ! 何でまだ目が覚めないのよ、いつまで秋元先生が1位なのよ!」
仲川「どうしたの? ゆきりん、眠れないよ?」
柏木は仲川の部屋に泊まりにきていた。
理由は特にない。何でも「今日、番組の企画でホラー映画見たら怖くて眠れなくなっちゃた! 一緒に寝て!」・・・とのことらしい。
柏木「いやいや、はるごん! 第三回選抜総選挙1位は誰!?」
仲川「? おかしいよ、ゆきりん。そんなのやすすに決まってるじゃない。というか過去3回とも・・・」
8:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:57:34.12 lZvBg1yZO
期待
9:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:58:07.05 pVibc1pX0
柏木(ふむふむ、1位が秋元先生で、2位があっちゃん。3位が大島優子ちゃんで、4位が私・・・という風に後は繰り下がっているだけ)
柏木(確か三回目の選挙の40位てれいにゃんだっけ? れいにゃんが選挙圏外になっているってこと・・・? あれ?)
柏木は一つの違和感に気付く。
柏木「あれ・・・? 40位がれいにゃんのまま?」
仲川「だから何言ってるの! ゆきりん。れいにゃん、40位じゃん! じゃんけん大会でも準優勝だし、波に乗ってるよね!」
柏木「・・・? どういうこと? 1位に秋元先生が入って後は繰り下がるだけだから、れいにゃんは圏外になるはず・・・」
柏木「あれ?」
仲川「どうしたの、ゆきりん」
10:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:58:19.87 aIoMvSLU0
どんどん続けて
後、トリップ付けて
11:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/15 23:59:22.13 pVibc1pX0
柏木「ねえねえ、はるごん。指原は何処にいるの?」
柏木「指原、10位じゃないの・・・? 何で10位がレナちゃんなの?」
仲川「な、ゆきりん! いくら、指原先生が優しいからって、指原なんて呼んだ駄目だよ! 総合プロデューサーを!」
柏木「そっかー、ごめん・・・指原先生が・・・ってえー!」
柏木はリンクをクリックして、別のページに見る。すると・・・
柏木「ホントだ・・・総合プロデューサー、指原莉乃・・・」
12: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:01:28.19 pVibc1pX0
仲川「指原先生でしょ、ゆきりん。成人式迎えたっていうのに、これじゃあなかなか大人になれないよ!」
柏木「(お前だけには言われたくない・・・)ごめんごめん、ということは秋元先生の替わりに指原がその役目をってこと・・・」
柏木「じゃあ、組閣祭りを計画したり、じゃんけん大会なんていう訳の分からない企画を考えたのも、全部指原ってこと!?」
仲川「だから何言ってるの、ゆきりん。そんなのAKBのメンバーじゃなくても、知ってるよ」
柏木(世も末だ・・・頭が痛い・・・。この狂った世の中は・・・誰か味方はいないの・・・あっ)
柏木「そういえば・・・」
13:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:02:09.87 aIoMvSLU0
期待
14: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:02:18.17 pVibc1pX0
仲川「どうしたの、ゆきりん」
柏木「うんうん、何でもない」
柏木(明日は、たかみなさん、あっちゃん、麻里子様、小嶋さん、大島優子ちゃん達と、成人になったし飲み会でもしようって話だったんだ・・・)
柏木(最初は面倒臭かったから断ろうとしたんだけど・・・このAKBの主力と逢えるってことは、私の味方ももしかしたら・・・)
柏木「明日、聞いてみるか・・・」
仲川「ゆきりん、もう寝よう! 遥香眠いよ。蝋燭消すよ」
柏木「うん、分かった。でもはるごん、いくら節電とはいえ、電気くらいは点けようよ・・・しかも寒い・・・」
仲川「じゃあ、おやすみー、ゆきりん。Zzzzz・・・」
柏木「(寝んの早っ)とりあえず寝るか・・・」
15: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:03:04.34 5vnBfCrU0
~飲み会の席~
篠田「じゃあ、私が年長者だし、乾杯の音頭を取らせていただきまーす」
大島「早く飲もうぜー!」
篠田「急かさない急かさない・・・ごほん、・・・あっちゃん、たかみな、ゆきりんも成人になりました。成人祝いということで、今日は飲み会を主催させていただきました。ご出席ありがとうございます」
柏木(珍しく真面目だな、麻里子様)
篠田「というわけで、ここで成人になった、たかみなからすべらない話があるそうで、聞いてみましょう」
高橋「っておーい! やっぱりこういう流れかよー!」
16:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:04:13.00 5vnBfCrU0
小嶋「たかみな、早く始めよ!」
高橋「仕方ないな・・・これ、メッチャ面白いんですけどね、今日の朝温かい缶コーヒー飲もうとして、ボタン押したんですよwww。そしたらですね、冷た」
篠田「かんぱーい!」
全員(高橋除く)「かんぱーい!」
高橋「・・・かんぱーい」
柏木(たかみなさん、成人迎えてもこんな感じ・・・)
大島「おーい、にゃんにゃん、これ終わったらおじさんとカラオケ行こうぜ」
小嶋「やだー、めんどくさーい。帰って寝るー」
篠田「にゃろの家行っていい? 家どこ?」
17: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:06:19.02 5vnBfCrU0
柏木(相変わらず、カオスだな・・・早く帰りたい・・・けど、我慢して)
柏木「あの・・・たかみなさん」
たかみな「ん、どうした、ゆきりん?」
柏木は一番、話に乗ってくれそうな高橋に声をかけた。
柏木「秋元先生・・・いえ、秋元康さんのことですけど・・・」
たかみな「何で、そんな改まってるんだよー。やすすならドラマの撮影があるらしくて、今日は来れないってさー」
柏木「いや、そのことなんですけど、秋元・・・やすすさんって・・・」
18: 忍法帖【Lv=10,xxxPT】
12/01/16 00:06:42.74 DtlSN+zI0
>>1がんがれ
俺は明日起きてから読むわ
19: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:07:10.83 5vnBfCrU0
前田「ねえねえ、たかみなー。これ、美味しいよー♪ 飲んでみなよー」
たかみな「カシスオレンジか・・・うん、美味しいな。後で私も頼んでみるわ」
大島「お、あっちゃーん。これも美味しいから、飲んでみろよ」
前田「優子、顔真っ赤だよ。うん、ちょっと飲んでみるね・・・おぇ、何これ!?」
大島「日本酒だよ日本酒。大吟醸、美味しいだろ?」
前田「まずい・・・」
高橋「あっちゃん大丈夫かよー・・・ごめんごめん、でゆきりん何だって?」
20: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:07:59.93 5vnBfCrU0
篠田「たかみな、このグラス持って持って」
高橋「うん? 持てばいいの・・・?」
篠田「何で持ってるの、どうして持ってるのー♪」
篠田のコールが始まって高橋無理矢理飲まされる。
高橋「ぷはー、な~なんだよ~、いきなり~、うぃ~」
篠田「たかみなが酔っぱらった、酔っぱらった。ほれ、もう一杯~♪」
大島「おいおい、たかみな具合悪いんだからふざけんじゃねーぞ!」
柏木「(もうこの人は駄目だ・・・)あの、あっちゃん・・・」
前田「zzzzzz・・・」
21: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:08:36.66 5vnBfCrU0
柏木「(寝ちゃってる・・・さっきの日本酒が駄目だったのかな)あの、こじはるさん」
小嶋「ねえねえ、ゆきりん。どうして、月は丸いのかなー?」
柏木「・・・(この人も駄目だ)」
篠田は駄目、大島と高橋は酔っぱらってる。前田は寝てる、小嶋は・・・話しても仕方がない。
柏木(もう・・・早く帰りたい・・・)
収穫が全くなかった、柏木であった。
22: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:09:28.72 5vnBfCrU0
~1週間後~
今日は音楽番組の収録の日だ。
ということで、スタジオに選挙21位以内が一同に介している。
柏木(あれから、全く進展がない・・・やっぱり、秋元先生はセンターだし、あっちゃんは2位だし、はるごんは子供だし、はーちゃんは昭和だ)
柏木「たかみなさん。そう言えば、秋元康さんはまだ来てないんでしょうか?」
高橋「ああ、ドラマの収録みたいでさ、収録の開始までには何とか間に合うらしい」
柏木(あれから、秋元先生が出演しているテレビ番組やPVを見てみたけど・・・やっぱり変。ほとんどの曲で秋元先生がセンターポジションを勤めている)
柏木(しかも異常にダンスのキレがいいのが不気味だ・・・)
横山「あのー、柏木さん。京都に帰京してて、お土産買ってきたんですけど、いりますか?」
柏木「うん、ありがとうゆいちゃん。これ、何て言う食べ物なの?」
23: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:10:36.59 5vnBfCrU0
横山「知らないんですか? 京都名物、おたべですよ、おたべ」
柏木「あー、そういえばマジすか学園の役名も「おたべ」だったね。うん、美味しい! ありがとう、ゆいちゃん」
高城「あー、ゆきりん。隠れて何食べてるの、あきちゃもちょうだい!」
横山「いいですよ、はい」
高城「これ美味しいー。これ、ゆいちゃんが作ったのー? レシピ教えてー」
横山「いえ、私が作ったわけじゃ・・・」
高城「ねえねえ、ゆきりん。作り方知らなーい?」
柏木「知らん! というか、ゆいちゃんが作ったわけじゃないんだからね、そこんとこちゃんと聞いてた、あきちゃ?」
24: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:11:26.31 5vnBfCrU0
高城「ふーん、そうなんだ。じゃあ、あきちゃも帰って作ってみるね!」
柏木「頑張ってね・・・(あきちゃの話は真面目に聞くだけ損だ)」
高橋「おかしいなー、やすすなかなか来ないなー・・・開始まで後5分だぞ、電話してみるか」
???「すまん、遅れてしまった」
額に汗を浮かべて、急いで楽屋に入ってきたのは秋元康だった。
柏木(秋元先生、この狂った世界になってから、初めて会うな・・・)
柏木(前の世界と全然変わらない・・・顔も髪型も体型も、声も喋り方も・・・それなのにAKBのセンターって・・・みんな何か違和感感じないの?)
25: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:12:22.11 5vnBfCrU0
高橋「おー、やっと来たか。それじゃあ、みんな、スタジオ入りするぞー」
全員「はーい」
柏木(このままじゃ、何も進展しない。よーし)
柏木「ねえねえ、秋元せ、やすすさん」
秋元康「お、柏木か。どうしたんだ。妙に改まって」
柏木「ドラマの撮影どんな感じですか?」
秋元康「おー、今回は初めて時代劇に挑戦するけど、なかなか新鮮だな。だが、初めてだからなかなか上手くいかなくって困っている」
柏木「へえー、そうなんですか。がんばってくださいね」
秋元康「おう」
26: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:13:24.24 5vnBfCrU0
柏木(いつもの秋元先生と全然変わらない・・・)
柏木の疑問もそっちのけで、番組の収録が始まった。
番組ではAKBメドレーと称して、「大声ダイヤモンド」→「ヘビーローテーション」→「フライングゲット」を選挙21位以内全員で歌った。
その後、司会者との軽いトークで終わり、というありがちな内容だ。
秋元康「最近、ぐぐたすにはまっていまして、高城が他のメンバーのコメントを荒らすんですよ」
高城「あきちゃ、荒らしてないよー」
秋元康「その他にも、メンバー同士の掛け合いが面白いので、ぜひみんな見に来てください!」
番組の収録は無難な感じで終了した。
27: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:14:14.05 5vnBfCrU0
柏木(昨日、必死にフォーメーション覚えたけど・・・珠理奈がセンターの大声でも、大島優子ちゃんがセンターのヘビロテでも、あっちゃんがセンターのフラゲでも、全部秋元先生がセンター)
柏木(唯一、センターじゃないのは、制服が邪魔をするや夕陽を見ているかなどの初期の曲。さらにじゃんけん選抜の曲だけ・・・)
秋元康「今日も無事終了したな、みんなおつかれさま」
大島&秋元「おつかれさまでーす!」
秋元康「そういえば、収録の時にも言ったけど、最近ぐぐたすにはまりすぎて睡眠不足だ・・・指原先生が「ぐぐたす選抜」なんていうから・・・正気に戻れ、やすす」
柏木(秋元先生が指原先生って・・・新鮮)
28: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:14:49.67 5vnBfCrU0
渡辺「でも、やすすはやっぱりダンスのキレもいいし、歌も上手いね。アンチも多いけど、その分人気もあるし、今年も1位は堅いね」
秋元康「いやいや、流石に4回連続は厳しいだろ。今年はソロデビューも決まっている、まゆゆだろ」
高橋「そうだぞー、まゆゆ。お前もやすすからセンター取る気でいかないと」
渡辺「やっびゃあ。いやいや、やすすに勝てる気しないよ・・・」
柏木(狂ってる・・・)
峯岸「ここだけの話さ・・・」
29:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:14:50.94 D5z1IT+rO
やる気があるのは承知した
最後まで付き合うわ
30: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:15:43.42 5vnBfCrU0
柏木「うん? どうしたんですか、峯岸さん」
峯岸「今年、四回目になるわけだけど、正直誰が1位を取ると思う?」
柏木「えー? 分かんないですよ、まあ私じゃないことは確かですけど・・・」
峯岸「まゆゆも言ってるけどさ・・・やすすの1位はまだ崩せないと思うんだよね。ダンスも上手い、歌も上手い、ルックスも良い、トークも上手い。それでいてドジなところもあるし・・・アイドルの完成系だと思うわ。やすすは」
柏木「・・・」
峯岸「後はスキャンダルでっちあげて崩すしか・・・」
柏木「えっ? 峯岸さん、今なんて言いました?」
峯岸「・・・うんうん、何でもない。今の話は忘れてね、言ったらどうなるか分かってるよね。じゃあ」
31: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:16:26.61 5vnBfCrU0
柏木(ブラックブラック言われるけど、峯岸さんの方が黒いと思う)
柏木(それにしても秋元先生、メンバーと馴染んでるな・・・というか私より馴染んでるんじゃないの)
秋元康「おい、高橋。お前、ぐぐたすで「おいらはテカミナ」って書いてるけど」・・・」
高橋「えっ、私そんなこと書いて・・・あかーん、麻里子様が勝手に私の携帯を」
柏木(でも、可笑しいけど、この世界で良いのかな。確かに可笑しいけど、別にみんな楽しそうだし、AKBも安定している)
柏木(そうそう、別にこれでいいじゃない。今のとこ、全く支障をきたしてないんだから)
32: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:17:08.68 5vnBfCrU0
秋元康「ぐぐたす面白いな、指原先生も色々とコメントしているみたいだし・・・」
峯岸「あっ、充電器見付かったー! よーし、今まで充電器なくて、ぐぐたす更新できなかったけど、今日から出来るぞー」
柏木(・・・うんうん!)
柏木は机を叩いて立ち上がった。
みんなが柏木の方に視線を向けて、恥ずかしくなったのか座り直し。
柏木(やっぱり可笑しいでしょ! 秋元先生がセンターで、みんなと馴染んでAKBなんて! 私の思い浮かべていた、憧れていたアイドルってこんなんだったの!)
柏木(うんうん、違う! あんなおっさんがアイドルの完成系なんて笑わせる! みんなちょっと頭が可笑しくなっているだけ!)
33: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:17:41.69 5vnBfCrU0
高城「どうしたの・・・ゆきりん? いきなり机叩いてたけど・・・」
柏木「うんうん、何でもない・・・あきちゃはアイドルって何だと思う?」
高城「えっ? どうしたの、いきなりそんな質問・・・。うーん、キラキラしてる人かなー? あきちゃバカだから分からなーい」
柏木(そうよ、アイドルっていうものはキラキラしているもの。秋元先生がキラキラしている、ふざけんなですわ)
柏木(ならば、みんなの目を覚ますために)
34: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:18:07.67 5vnBfCrU0
柏木「私がセンターを獲る・・・」
高城「ん? 何て言ったの、ゆきりん」
柏木「何でもない」
柏木(私が今年の選抜総選挙で1位を獲って、みんなの目を覚ませてやる。私が最強のアイドルになってやる! 秋元先生なんかに負けてられない)
こうして柏木の「総選挙1位までの道のり」が始まった。
35: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:19:04.04 5vnBfCrU0
■名古屋のエース■
平田「今日も公演良かったねー! それじゃあ、明日も公演控えているし、今日はゆっくり休んでください。解散!」
全員「おつかれさまでしたー!」
―ここは名古屋の栄にあるSKE48劇場。
今日の夜の公演が終わり、SKEのチームSのメンバー達は荷物をまとめて帰ろうとしている。
みんなの表情は清々しいもので、額から流れる汗も輝いている。
しかし―そんな、ダイヤモンド―みたいな空気の中で、道ばたにある汚い石ころのような表情を浮かべるメンバーがいた。
松井珠理奈「はぁ・・・」
松井玲奈「どうしたの、珠理奈―?」
36: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:20:04.16 5vnBfCrU0
松井珠理奈―かつて、指原先生からダイヤモンドの原石と呼ばれたメンバーである。
SKEでありながら、AKBのセンターになることを運命付けられた少女。
そんなスーパー中学生も、今日は浮かない顔をしていた。
珠理奈「いやさ・・・何でもない・・・」
玲奈「どうしたの・・・? 珠理奈らしくない、悩みがあるなら相談に乗るよ」
珠理奈(相談できるわけないだろ・・・何てたって)
珠理奈「いや、本当に何でもないから大丈夫。ちょっと今日は疲れてるだけ」
玲奈「ふーん、じゃあ今日は気を付けて帰りなよ。明日も朝からレッスンだし」
珠理奈「・・・」
そう言って、玲奈は控え室から出て行った。
37: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:20:55.47 5vnBfCrU0
珠理奈(私の悩み・・・間違っても、玲奈だけには言えるはずがない)
玲奈に「大丈夫」と言ったが、明かに珠理奈は浮かない顔をしていた。
バッグを持ち、珠理奈は一人で控え室から出た。
珠理奈(はあ・・・私はこれからどうしていけばいいんだろ・・・)
タクシーを使って帰る、という手段もあったが、今日は歩きたい気分だったので、少々危険かと思ったが徒歩で帰ることにした。
せいぜい、20分程度のところだからである。
???「珠理奈」
珠理奈「この声は・・・」
後ろからの声に気がつき、振り返る。
38: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:21:54.46 5vnBfCrU0
珠理奈「篠田さん・・・」
篠田「ちょっとお仕事で名古屋まで来ててね。どうしたの、浮かない顔してるけど」
珠理奈「いや、ちょっと・・・」
篠田「今から公演も終わったし、暇でしょ? 近くの喫茶店でご飯食べようよ」
珠理奈「・・・」
今日は早く帰りたい気分であったが、大先輩の篠田の誘いを断れる訳もなく、付いていくことにした。
篠田「なかなかお洒落なカフェでしょ? 名古屋に来たら、絶対ここに来ることにしてるんだ」
珠理奈「そうですね、外からは見たことあるんですけど、初めて入りました」
39: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:22:51.36 5vnBfCrU0
篠田「じゃあ、お腹も減ってるだろうし何か頼も。すいませーんカレーライス、一つ」
珠理奈「・・・サンドイッチで」
あまり喉も通らないので、サンドイッチを選択。
料理が珠理奈達のテーブルまで運ばれ、二人は各々食べ物を口に運んだ。
篠田「で、どうしたのさ珠理奈。浮かない顔してるけど・・・」
珠理奈「・・・いや、本当に何でもないんです・・・何も」
篠田「・・・実はさ、珠理奈の様子が可笑しいって知らせてくれたの、玲奈なんだ」
珠理奈「え・・・玲奈が?」
40: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:23:54.65 5vnBfCrU0
意外な名前が出てきて、驚きの表情を隠せない中学生。
篠田「最近、珠理奈の様子が可笑しい・・・良ければ、話に乗ってやってくれませんか、って三日前くらいに玲奈からメールがね」
珠理奈「・・・」
篠田「・・・らしくないよ。そう、最近、というかここずっと。半年くらい、ずっと何かを考え込んでいる。チームSの、いやSKEのセンターがそんな表情浮かべちゃ、チーム全体に迷惑がかかるよ」
珠理奈「すみません・・・」
篠田「ほら、言ってみなさいよ。お姉さんが訊いてあげるよ? 力になれるか分からないけど」
珠理奈「・・・実は・・・」
41: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:25:13.53 5vnBfCrU0
意を決して口を開く珠理奈。
珠理奈「私の、今回の総選挙の順位知ってます?」
篠田「もちろん、知ってるよ。13位でしょ」
珠理奈「14位です・・・いや、私、SKEに入った頃から指原先生に推され続けているわけじゃないですか・・・なのにこの体たらく」
篠田「・・・」
珠理奈「といっても今まではまだ良かった。今回は得票数が多すぎた。一位のやすすさんでさえ、14万票。その下の前田敦子さんが13万票。やはり首都圏の基盤がありますから、名古屋では勝てない・・・
諦めているわけじゃないんですけど、そうやって自分を慰めることが出来ました。東京と愛知・・・名古屋じゃハンデがある、と・・・でも」
篠田「今回は玲奈が10位で珠理奈を上回った、そこが問題と・・・」
42:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:26:05.02 cXa7TnXO0
さらっと順位間違えててわろた
43: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:26:20.49 5vnBfCrU0
珠理奈「そうなんです・・・今まで、何とかSKEの中ではトップ、名古屋という同じフィールドでは1位を取り続けていたんです」
珠理奈「しかし今回は、玲奈が10位でメディア選抜に入り私を上回りました。それが許せなくて・・・」
篠田「・・・」
珠理奈「もちろん、玲奈を恨むわけじゃありません。しかし最初から推され続けていて・・・「大声ダイヤモンド」からじゃんけん選抜を除いて全ての選抜に選ばれ続けていました。けど、玲奈は決して最初から推されていたわけじゃありません」
珠理奈「それなのに、着々と結果を出し続けて、今回は10位。SKEリクエストアワーでも2回連続で「枯葉のステーション」が一位を取り、格の違いを見せつけました」
篠田「玲奈人気は最近凄いもんね。いや昔からか・・・」
珠理奈「はい・・・私、自分を許せないんです。指原先生が私のことを期待してくれて、今までずっと推してくれました。それにかかるコストも膨大だったでしょう」
44: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:27:39.60 5vnBfCrU0
珠理奈「でもそのコストに見合うだけの結果が出せなかった・・・私、このままじゃメンバーにも、スタッフさん達にも・・・」
篠田「ねえねえ、珠理奈・・・私と珠理奈の違いって何だと思う?」
珠理奈「えっ?」
突然の質問に、言葉が詰まる珠理奈。
珠理奈「何でしょう・・・ルックスですかね・・・後、容姿とか、人気とか」
篠田「違うよ、私と珠理奈の違いは「生まれた年が違う」。それだけなんだよ」
珠理奈「生まれた年が・・・」
篠田「そう・・・もちろん、色々と違いはあるよ。全く同じ人間なんて、遺伝子レベルまで見たら存在しない。けどその中で私と珠理奈の違いは年齢は違う・・・これ、どれだけ大きな違いだと思う・・・?」
珠理奈「・・・」
篠田「私と珠理奈は10歳も年が違う。つまり珠理奈は後、10年は努力することが出来るってこと。これは大きな違い・・・年取ってくるとね、本当に若い人が羨ましいのよ・・・若い人にはどうにでも出来る可能性がある」
45: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:28:38.88 5vnBfCrU0
珠理奈「・・・」
篠田「だからね、慌てなくてもいいのよ。まだまだ珠理奈には可能性がある、私から見てもね。まだまだ若いから指原先生も回り道させてると思うよ、今年で中学卒業だっけ?」
珠理奈「はい・・・」
篠田「じゃあ今からだ・・・それにみんな重圧を背負ってる。やすすだって、あっちゃんだって、優子だって、上位はとんでもない重圧を背負ってる。もちろん、玲奈にだってね」
珠理奈「玲奈にも・・・」
篠田「モノは考えようってこと。これで、玲奈は重圧を背負うことになってしまった。ファンの重圧をね・・・これだけファンに期待されているのに、ファンの期待っていうコストがかかっているのに、これから結果が出なかったらどうなるか・・・これって怖いことだよ」
46: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 サド ◆AKB48.oSZE
12/01/16 00:29:11.62 K3HeM20I0
なんで珠理奈が玲奈呼び捨てなの?
しかも珠理奈小馬鹿にして玲奈をあげてるところがきに食わん
死ね
47:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:29:35.65 VGEw3FTj0
>>42
?
48: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 サド ◆AKB48.oSZE
12/01/16 00:29:40.47 K3HeM20Ii
死ね
49: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:30:40.30 5vnBfCrU0
>>46
一番この小説を書く上で悩んだのが、メンバー同士の呼び方なので間違っているところがあれば指摘してくだされば幸いです。
珠理奈「・・・」
篠田「その分珠理奈はそういう面での重圧はないかもね。つまりさ、モノは考えよう、当たって砕けろ失うものは何もない。失敗したって、こんだけ若かったらいくらでも修正できるよ」
珠理奈「・・・そうですね・・・」
珠理奈は大きな息を吐く。
珠理奈「ありがとうございました・・・話を聞いてもらえるだけでも、肩の荷が降りました」
篠田「いやいや・・・色々偉そうなこと言ったけど、まあ適当にがんばりなよ。知ってる? 軍事用語で適当に頑張れは、全力で頑張れってこと」
珠理奈「・・・はい」
50:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:31:28.90 cXa7TnXO0
>>47
篠田が間違えてるってことね
51:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:31:44.44 D5z1IT+rO
フィクションスレでマジレスとか
サドは
>>1読んで死ね
52:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:31:53.42 5vnBfCrU0
ちょうど二人の食事も終わり。
篠田「じゃあ、帰ろうか。家まで送ってくよ、家どこ?」
珠理奈「いえいえ、もう後5分くらい歩いたところなんで、大丈夫ですよ。篠田さんだって明日も早いんでしょう?」
篠田「うん、明日は5時から仕事かな。まあ今からラジオの収録もあるけどさ」
珠理奈「は?」
篠田「今日は1時間くらい寝れるかな・・・ってもうこんな時間! 珠理奈、じゃあまた!」
篠田は伝票を持って、急いで会計を済ませ店から出て行った。
珠理奈(相変わらず凄い人だ・・・)
53: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:33:00.83 5vnBfCrU0
~日にちは変わって、SKE48劇場~
珠理奈「おはよーう!」
矢神「珠理奈!」
珠理奈「うん、どうしたのくーみん?」
矢神「どうしたじゃないよ!? ニュース見てないの? AKBの篠田麻里子さんが、第四回総選挙を前に卒業だって!」
珠理奈「は?」
突然の知らせに動きが止まる珠理奈。
珠理奈「嘘・・・だって、昨日だって・・・」
矢神「それだけじゃないよ、珠理奈だ・・・」
54:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:33:52.30 5vnBfCrU0
玲奈「珠理奈!」
珠理奈がもの凄い形相で珠理奈に近付いてくる。
その目にはうっすらと涙も浮かんでいるように見える。
珠理奈「玲奈ちゃん、おはよう。どうしたの、凄い顔だけど・・・」
玲奈「どうしたじゃないよ! はい、今日の朝刊」
玲奈から新聞を受け取る珠理奈。
―読んでみるが、字を字として受け取り、文章として頭に入れられない。
珠理奈「これは・・・」
玲奈「A、AKBに移籍ってどういうこと! そんなこと今まで一言も言ってくれなかったじゃん! それなのに、どうして、いきなり!」
その一面には大きく「珠理奈、AKB48に移籍」という文字が―。
55: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:35:00.30 5vnBfCrU0
■エースとの決別■
柏木「珠理奈が、珠理奈がAKB48に移籍ですって!」
高城「いきなりだよね! 全く訊いてなかった! 指原先生も大胆なことするよね! あきちゃビックリ!」
柏木「何じゃこりゃー!!」
倉持「・・・どうしたの、ゆきりん。うるさいよ、いくらスタンバイ中だからって」
―ここは夢の国―と呼ばれているテーマパーク。
柏木は、高城、倉持の3人の「フレンチキス」でロケの仕事をしていた。
内容はただ3人がアトラクションに乗って、面白いねー、とか、怖かったねー、とか言ったり、テーマパーク内のご飯を食べて美味しいねー、みたいなこと言ったりする在り来たりな内容。
現在は一段落して、3人は椅子に座って次の出番が来るまで待機している。
56:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:35:58.90 5vnBfCrU0
柏木「ごめんごめん・・・というか、今ワンセグ繋いでたらニュースでやってたけど・・・珠理奈がAKB移籍って・・・明日香ちゃん知ってた?」
倉持「うん、お父さんがお仕事のためにスポーツ新聞毎日取ってるんだけど、今日は野球よりも珠理奈のことが一面に載ってた。オフシーズンだからってこともあるんだけど・・・」
柏木「あきちゃは・・・?」
あきちゃ「んー? 知ってたような、知らなかったような・・・あきちゃバカだか」
柏木「はいはい、ありがとう・・・最近、忙しくてニュースとか見てないから分からないけど、前々から珠理奈移籍っていう話はあったの?」
倉持「うんうん、今日いきなり。何でも珠理奈も全然知らなかったらしいよ」
57:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:36:02.63 7U3coj/90
さしこ・オカロ・みぃにも抜かれてるから
実質10~12位じゃん
58: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:37:41.24 5vnBfCrU0
柏木(仕掛けてきたか・・・)
柏木は無意識の内に爪を噛む。
柏木(珠理奈がこれで終わるわけがない、って思ってたけど・・・いくら中学卒業だからって、指原も思いきったことをやる・・・これで東京と名古屋のハンデがなくなって、票数もどう転ぶか分からない)
柏木(当面、気にすべき相手は秋元先生とあっちゃん、大島優子ちゃんとまゆゆだけだと思ってたのに・・・ここに来て・・・)
高城「どうしたのゆきりん。顔がブラックまりもっこりになってるよ」
柏木「って、そんなわけないでしょーよ! しかも今、見てたら麻里子様も総選挙前に引退って・・・」
倉持「まあ、正しくはAKBを引退するだけであって芸能界はまだ続けるみたいだけどね・・・」
59:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:37:42.74 01fyW/yZ0
ブータン枕だけは出すな
作品の格が下がる
60:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:38:40.14 5vnBfCrU0
柏木(このタイミングで・・・まだ咲子ちゃんも育ってない段階では、麻里子様のAKB脱退はそれ即ち、サムデイのAKBからの撤退を意味するから、まだしないものだと思ってたのに・・・まあ)
柏木「ライバルは一人減った・・・くくく」
高城「ゆきりんどうしたの? ゆきりんは本当に腹黒なんですか?」
柏木「ねえ、どうして本人が目の前にいるのにそんなこと言うの! もう知らん!」
倉持「選挙前に慌ただしくなるね・・・ただでさえ、まゆゆのソロデビューとか、色々あるのに・・・指原先生が言ってたAKBの再生ってこういうことかな?」
柏木「んー、どうだろ。後一つ、AKBの再生って言われて気に掛かることは・・・」
61: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:39:34.56 5vnBfCrU0
倉持「ん?」
柏木「・・・いや、何でもない。多分、ただの思い過ごし」
首を振って頭の内容を切り替える。
柏木「まあ、麻里子様が引退しようが、珠理奈がAKBに来ようが、私は私! がむしゃらに頑張るのみ!」
高城「うん、そうだね!」
柏木(無論、そういうわけにはいかないけど・・・)
無論―篠田の引退、珠理奈の移籍は多大なる影響を被ることになる。
その影響を無視したまま突き進むだけでは―おそらく総選挙1位なんて夢のまた夢だ。
しかも柏木はセンタータイプではない、というのに―。
倉持「あきちゃあきちゃ。でもやっぱり珠理奈はチームAに移籍するのかな?」
62: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:40:51.34 5vnBfCrU0
高城「難しいこと分かんないけど、順当に考えればそうじゃない?」
柏木(それだけが救いか・・・チームBに来られて、ファン同士で票数食われちゃたまっちゃもんじゃない)
倉持「まあ麻里子様も引退するし、順当かな。ちょうど一枠開くことになるし」
高城「それにしても、チームA凄いね! 麻里子様が引退するとはいえ、やすす、あっちゃん、たかみな、珠理奈、クアドラプルセンターで、脇をこじはるとかもっちぃとかで固めるわけでしょ? もう盤石の体勢だね」
柏木(確かに・・・あきちゃは自分の名前を出さなかったけど、あきちゃも十分な戦力。てか麻里子様が引退してくれて本当に良かった・・・ただでさえ、秋元先生、あっちゃん、たかみな、珠理奈のクアドラプルセンターっていう想像するだけで恐ろしいのに・・・)
柏木(その上で麻里子様と小嶋さんのビジュアル担当が脇を固め、あきちゃ、もっちぃでキャラ成分も豊か。さらにこの上でもし指原がチームAにいたら、この個性豊かすぎる面子も揃えられる・・・)
63: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:41:49.16 5vnBfCrU0
柏木「・・・いや、本当に引退してくれて良かった・・・」
倉持「でも大丈夫かな? 流石にクアドラプルセンターはまとまりがないように思えるけど。たかみなをキャプテンに集中させるとしても、まだトリプルセンター。こんなんでまとまりが上手くつくのかな?」
高城「? ・・・大丈夫じゃない? ほら、強い人一杯いる方が強いし。あきちゃバカだからよく分かんないけど、野球でもホームランバッターが多い方が得なんでしょ?」
倉持「いやいや、確かに85年阪神とか、最後に近鉄とかホームランバッター多い球団が優勝するケースもあるけど、何てたって史上最強打線(笑)時代の巨人とか・・・」
64: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:42:26.72 5vnBfCrU0
柏木(確かに。エースを揃えればいいってもんじゃない。もしかしたら、チームA推しの人はこれで票を食い合うかもしれない。そう考えると、私も有利・・・なのかな?)
誰にも悟られないように、邪悪な笑みを浮かべる柏木。
腹黒の真骨頂である。
スタッフA「じゃあ、フレンチキスの3人。始まりますので、集合してくださーい」
柏木・高城・倉持「はーい!」
柏木(とにかく、今は目の前の仕事に全力でやるだけ・・・それに、今日は・・・)
65:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:42:32.02 dkmdIHVu0
クアドラプルセンターww
66: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:43:28.94 5vnBfCrU0
~とある豪邸にて~
渡辺ミキ社長(以下、社長)「じゃあ、今日は無礼講なので楽しんでください。かんぱーい!」
全員「かんぱーい!」
柏木(そう、今日は社長と話ができる日・・・)
ここはナベプロの社長、渡辺ミキ社長の家。
今日は社長の家で鍋をする・・・題して「ワタ鍋」が開催される日だったのだ。
柏木「あきちゃ、何してるの?」
高城「うん? グーグル+だよ。面白いよー」
最近、始められた新サービス「Google+」。
今までのブログとは違い、メンバー同士の絡みも面白いとされ好評なサービスである。
67: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:44:24.59 5vnBfCrU0
柏木「あきちゃ、ずっと思うんだけど・・・もう少し考えてからコメントした方が良いと思うよ・・・だから侮蔑の意を込めて「コメントマスター」って・・・」
高城「あー、ほらほら見て見てー。ワタ鍋のこと書いたらやすすが「渡辺美樹~! 鍋を食べさせてくれぇ~!」だって。面白いよね!」
柏木(・・・相変わらず、何なんだあの人は・・・)
秋元康がアイドルになろうが、顔や言葉遣いは全く一緒。
みんなが女の子言葉で喋ってるのに、秋元康だけが男言葉・・・そこに最大級の違和感を感じるのだが・・・
柏木「まあ、私だけだろう・・・どうせ」
ワタ鍋も終盤まで差し掛かり、高城はずっとスマホをいじってるし、倉持はスタッフの人とプロレスと野球の話ばかりだ。
柏木はこの時点で少し帰りたく、いやとても帰りたくなったが、眠さをこらえて我慢することにした。
68: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:45:09.33 5vnBfCrU0
社長「ちょっと、私はお手洗いに・・・」
柏木(今だ!)
社長が席を立つと同時に柏木も席を立つ。
社長の後を追いかける柏木。
柏木「社長!」
社長「うん? どうした柏木。流石に私の家とはいえ、トイレは一つしかないぞ」
柏木「単刀直入に言います。私をソロデビューさせてください!」
69: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:45:51.10 5vnBfCrU0
~とある日の作戦会議~
そう、これは柏木が「総選挙で1位を獲ってセンターになる」と決意した、次の日である。
柏木「これが私の思う、AKBセンターの条件だけど・・・愛ちゃんはどう思う・・・?」
多田「うん。いいんじゃないかな、特に不満はないよ」
柏木は自室に多田愛華を呼んで、作戦会議をしていた。
作戦会議とはがむしゃらに頑張っても1位は取れないということ、多田を呼んだのは一人では心細く味方も必要と考え、作戦設計能力が高いと考えられる多田を味方に引き入れることにした。
旧チームBの絆。
多田「それにしてもビックリしたよー。いきなりゆきりんから「1位獲って、センターになりたいから協力してくれ」だって」
70:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:46:33.79 vt8SIb/WO
つまんねー
71: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:46:45.45 5vnBfCrU0
柏木「うん、いきなりゴメンね。愛ちゃん」
多田「うんうん、いいよいいよ。やすすのことは嫌いじゃないけど、私、ゆきりんの方が好きだし」
多田の温かい言葉に喉から何かが込み上げてくる柏木。
しかしそれを飲み込んで。
柏木「とにかく私が思うセンターの条件。①持久力が高いこと。これは毎日公演をやるAKB特有の問題となってくる」
多田「野球に例えると分かりやすいね。怪我してシーズン途中で4番とかエースが抜けられたらチーム全体がガタガタになる。だから怪我に強い人を4番やエースに添える」
72: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:47:39.79 5vnBfCrU0
柏木「そう言うこと。②マスコミ対応能力が高いこと。やすすさん、あっちゃん、たかみなを見てて思うのは、決してマスコミの前では不味いことを言わない。無難とも言えるコメントをいつも言ってくる」
柏木「③スキャンダルを犯さない絶対の安定感。どんなに人気のメンバーでもスキャンダルは致命傷になってくる。これは旧チームBのエース格だった菊地あやかを見たら分かりやすい」
多田「本当にファンの人って、やっぱりスキャンダル気にするもんね」
柏木「うん、そして最後に最も重要な一つ。それは④精神力が強いこと。これは絶対的」
多田「今のところ、唯一勝てると思われるあっちゃんも、どんなに叩かれても食が細くならず、「知らない」と言い切る精神力。いや、鈍感とも言えるぐらいの天才的な精神力。これは重要だろうね」
73: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:48:43.86 5vnBfCrU0
柏木「そう。AKBは始まって以来、実体よりも大きく見せることによって成長してきた。これはいくらマスコミから叩かれても、やすすさんやあっちゃんは潰れない、と考えたからだろうね」
多田「その点、大島優子ちゃんは攻撃力には優れるが、防御力には優れない、その差だね」
柏木「そう。重要なのはこれは運営から見て必要な条件ということ。そしてこの必要な条件を満たした人間を、次世代エースとして所謂ゴリ推しをしてくる。そしてそのゴリ推しの手段とは「テレビなどのメディアを使う」こと」
多田「現状では、公演で頑張っている人間よりも、テレビでのゴリ推し戦法の方が総選挙では有利に働いてくる。勿論、亜美菜のような例外はあるから、一概には言えないけど」
柏木「そういうこと・・・つまり、私のやるべきことは、テレビに出まくって、一般人の認知度を上げること。何だかんだ言って、母体が多い方が有利と考えられる」
多田「あっちゃんと大島優子ちゃんの違いはそこもあるよね。あっちゃんは多い人から少ない票を集め、大島優子ちゃんは少ない人から多くの票を集めた。やすすはその中間をいくんだけど・・・」
柏木「辛うじて、私は少ない人からの多くの票は集めやすい。後は一般知名度を上げること。そのためにはテレビに出まくって―」
74: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:49:44.71 5vnBfCrU0
柏木(―テレビに出まくる手段の一つとしては、ソロデビューをすること。これは運営も分かってるから、次世代エース育成のためにまゆゆをソロデビューさせた)
社長「ソロデビュー・・・」
柏木「はい。私、もっと自分の可能性を広げてみたいんです。もちろん、フレンチキスの仕事もちゃんとやります。どんなに忙しくてもやり抜きます。ですので、お願いします私にソロデビューのチャンスを・・・」
社長「・・・」
柏木(即答で断ることなんて出来ないはず・・・太田プロのあっちゃん、ホリプロのともちんさん、この上で尾木プロのまゆゆやわさみんもソロデビューしてくるから、ここでナベプロが何もしないっていう訳にはいかないはず)
柏木(そして、現状で一番売れると考えるのは総選挙3・・・4位の私。ここで出遅れたら、サムデイのようにAKBから放っておかれるかもしれない)
社長「ゆきりんが・・・そんなこと言うなんてね・・・」
75: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:50:53.84 5vnBfCrU0
柏木「お願いします! 私、どうしてもソロデビューしたいんです」
社長「自分の可能性を広げたい・・・それだけじゃないんだろうね・・・」
流石、大手事務所の社長。柏木に裏があることくらいお見通しである。
柏木「・・・」
社長「・・・いいわよ。ちょっと考えてたところだし」
柏木「本当ですか!」
社長「でも分かってる? この時期にソロデビューをするってことは・・・」
柏木「・・・はい、まゆゆとの対立を意味する、ってことですね」
社長「そういうこと・・・」
チームBのエース、渡辺麻友。
チームBどころか、AKBのエースまで上り詰めようとしている少女。
柏木にとっては旧チームBからの戦友ともいえ、対決するなんて、夢にも思っていなかった人物。
そのエースとの―決別―。
76: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:51:48.89 5vnBfCrU0
社長「・・・分かった・・・すぐには無理だけど、明日の会議でちょっと喋ってみる。指原先生の意向も必要だしね」
柏木「・・・ありがとうございます!」
社長「さあ、明日から忙しくなるな・・・」
77: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:52:29.34 5vnBfCrU0
柏木(やった! 勝算はあるとはいえ、やっぱり不安だったけど・・・それでも何とかソロデビューを考えてもらえることが出来た・・・これで一歩前進)
柏木は今日、最大の仕事を終え肩の荷が降りたのか背筋を伸ばす。
―しかし柏木はまだ分かっていない。渡辺のアイドルとしてのポテンシャルの高さを。
去年のAKB紅白歌合戦で、松井珠理奈と「てもでもの涙」を披露したことの意味を。
奇しくも、「てもでもの涙」は柏木と元AKBメンバー、佐伯美香の二人でAXにおいてユニット曲最上位を収めた曲だ。
本当の戦いはこれからだと―。
78:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:52:41.63 eFGs/wjV0
マジレス失礼
愛佳
79: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:53:53.18 5vnBfCrU0
>>78
ご指摘ありがとうございます。
■武道館ライブ~AKB再生祭り~■
高橋「続けて、アンコール曲として3曲続けて聞いていただきましたが、いかがだったでしょうかー!」
武道館は最高の盛り上がりを見せていた。
最高の盛り上がりなのに・・・何処かAKBのキャプテン高橋みなみは浮かない顔をしていた。
高橋(可笑しい・・・何かが可笑しい。そもそもサブタイトルの「AKB再生祭り」って何なんだ。日本語的に可笑しいことは放っておいて・・・このまま終わるとは考えられにくい)
小嶋「それにしても」
80:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:54:15.55 1COJJyoT0
明日からっていう時に暇人だな…続けてくれさい
81:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:55:23.21 ZFGQuVWEO
実績と権利行使よろ(c)スレストよろ(A)
82: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:55:23.87 5vnBfCrU0
小嶋がマイクを片手に言う。
小嶋「一体、このAKB再生祭り、ってどういう意味なんだろ、このまま終わっちゃうのかなー」
秋元康「特に指原先生は何も考えてないんじゃないか。というか、初心を忘れず今日から頑張っていきましょう的な、そんな意味でつけただけじゃないのか? 珠理奈もAKBに入ってくるし」
高橋(やすすも言ってるけど・・・いや指原先生は何か考えていらっしゃる)
だてに「おニャン子クラブ」を率いて、全国優勝を成し遂げた名将を名乗ってない。
高橋(指原先生は無駄なことはしない・・・。無駄なことのように思えて、それは全て計算して作られている・・・なのにこのまま終わるなんて)
会場がどよめく。
高橋は振り返った瞬間、3年前がフィードバックし、この場で倒れてしまいそうになった。
3年前の悪夢。
戸ヶ崎「はい、これからAKB48、新内閣を発表いたします」
83: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:56:25.04 5vnBfCrU0
会場が揺れる。
怒号で揺れる。
何が何だか分からないくらい、声が凶器となりメンバーに襲いかかる。
何が起こったのか分からないメンバーもいる。佐藤亜美菜はすでに倒れた。
高橋は倒れそうになりながら、戸ヶ崎の言葉に耳を傾ける。
戸ヶ崎「みなさん、ニュースや新聞でご存じの方も多いかと思われますが、松井珠理奈がAKBに移籍してきます。これに伴いチームAには秋元康、前田敦子、高橋みなみ、松井珠理奈、のクアトラプルセンターが完成してしまいます」
戸ヶ崎「流石にこのままではチームの戦力に偏りがありすぎるということで、3年前と同じように新内閣を勃発させたいと思います」
会場は揺れる。
まるで潰れてしまいそうになる。
84: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:57:02.06 5vnBfCrU0
戸ヶ崎「といっても、3年前のようにほとんどチーム解体、ともいえるくらいの強引なシャッフルはいたしません。あくまで今回の目的は戦力の分散ですので、たった四人のメンバーのチームが変わるだけです」
戸ヶ崎の言葉により、少しだけ安堵の息が漏れる武道館。
佐藤亜美菜は担架で運ばれていった。
戸ヶ崎「それでは発表します。チーム名と名前を呼びますので、呼ばれたメンバーはそのチームに行ってください」
戸ヶ崎「それでは最初、チーム4「前田敦子」」
85: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:57:44.29 5vnBfCrU0
今日の武道館―いや武道館が建てられて初めてかもしれない、このような怒号のような歓声が上がるのは。
流石の絶対的な精神力を持っている前田でも、フラフラになりながら何とかチーム4まで辿り着く。
戸ヶ崎「それでは続きます。前田敦子、チーム4移籍に伴い、チームA「竹内美宥」」
地獄は続く。
倒れそうになる竹内に気付いた高橋は、竹内まで近付き身体を支えながら何とかチームAまでの移動を終えた。
戸ヶ崎「それではもう一組のトレードを発表します。チームB「小嶋陽菜」」
小嶋―放心状態でチームBまで移動。
何が起こったか分かっていないようだ。
戸ヶ崎「チームA「佐藤すみれ」」
86: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:58:21.09 5vnBfCrU0
佐藤すみれ―名前が呼ばれたのに、微動だにしない。
会場にどよめきが起こり、キャプテンの柏木が肩を叩く。
すると佐藤すみれは両手で顔を収めながらチームAまで移動した。
戸ヶ崎「以上で発表を終わります。なお、新内閣は1ヶ月後の公演から始動します。ありがとうございました」
こういって、何事もなかったかのように戸ヶ崎劇場支配人は舞台から消える。
3年前と同じように―。
87:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 00:58:30.59 MJ5opEJCO
ここらへんで区切ってくれ
88: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 00:59:16.73 5vnBfCrU0
~控え室、廊下前にて~
―地獄絵図だった。
4人だけなので、ほとんどチーム解体に近かった3年前よりはマシであったが―過呼吸になって、倒れているメンバーもいる。
泣き声だけがこだまする。
そんな中、柏木はチームBで一緒に戦ってきた佐藤すみれを慰めながらこう思っていた。
柏木(恐れていたことの一つ・・・それは組閣祭り・・・流石にクアトラプルセンターは駄目と見たか、運営は。チーム4にあっちゃんを)
佐藤すみれ「ゆきりん、私大丈夫かな? やっていけるかな?」
柏木「大丈夫・・・。去年だって、チームBは3人しか残らなかった。大丈夫、きっとやっていけるよ」
柏木(それにしても、小嶋陽菜さんはチームB・・・これはまさかのトレードだった。来るとしても、まだチームの色に合いそうなあきちゃくらいだと思っていたのに・・・)
89: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:00:35.54 5vnBfCrU0
>>87
後、もう少しだけ行って区切らせてもらいますm(_ _)m
平嶋「ゆきりーん」
柏木「なっちゃん・・・」
そう―柏木の言っていた、3人の内の一人―1期生でありながら、チームBまで左遷されてきた少女。平嶋夏海。
旧チームBからの戦友である。
平嶋「こじはるだって・・・私は同期だから、まだ大丈夫だけど。ゆきりん上手くやっていける?」
柏木「大丈夫、任せて・・・」
そう、1期生が増えるのである。
チームBのキャプテン、柏木としては少しやりにくさも感じざるを得ない移籍である。
柏木(これが指原先生の言っていた「AKB再生の意味」・・・! 注目すべきは、あっちゃんを一人でチーム4に行かせたこと。これは怖い、最悪あっちゃん卒業も考えられる)
柏木は佐藤すみれをチームAまで連れて行き、高橋に「お願いします」と頭を下げた。
90:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:00:36.99 cjC59Yo50
非常に読み応えあって面白い!
91: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:01:46.00 5vnBfCrU0
高橋「ああ・・・まさか、再生祭りってこういうことだったとはな・・・ちょっと予想してたけど・・・」
柏木「ホントですね・・・」
高橋「ウチもこじはるがチームBに行くけどよろしく頼む。ああ見えて、結構しっかりしてる子だから」
柏木「はい・・・」
もちろん、佐藤すみれがチームBから抜けることも重要であるが、小嶋がチームBにくる影響力も大きい。
無視しようとしても無視しきれない影響力である。
柏木(は~。1位獲らないと駄目なのに、どうしてこんなに立て続けに・・・これで本当に票数が読めなくなった)
明日は明日の風が吹く・・・そう言ってられない状況に、柏木は小さく溜息をついた。
92: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:02:44.09 5vnBfCrU0
■とある一室にて■
峯岸「これで、あっちゃんは正直潰れる。流石の絶対的な精神力を誇るあっちゃんでも、チーム4に単独で行くのは骨が折れる。行かせるなら、たかみなを連れて行かせるべきだった。尤も、たかみなをチームAから外すことは考えられにくかったかが」
??「本当ですよねー。それにしても指原先生も思いきりましたね。あっちゃんをチーム4に行かせるなんて」
峯岸「代わりに竹内を育てるために、チームAに行かせたか・・・これでチーム4はどうなるか・・・まあ崩壊すると思うけどね。そしてもう一組、気になるのが」
??「小嶋さんとすーちゃんのトレードですね」
峯岸「そういうこと。これでチームAには初期メンがたかみなの1人しかいなくなった。まあ精神力の弱さを責任感でカバーするたかみなならやっていけると思うけどね」
93: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:04:24.41 5vnBfCrU0
??「これでチームBは、エースまゆゆ、キャプテンゆきりん、官房なっちゃん、小嶋陽菜さんは何でしょう。ビジュアル担当でしょうか・・・」
峯岸「ともかく・・・。??。これで次の選挙でどう票が動くと思う?」
??「あっちゃんが潰れず、卒業の道を歩まない条件ですと、あっちゃんに票が流れると予想します。同情票も入ると思いますし、チーム4なら絶対エースとなると思いますし」
峯岸「・・・しかし、あっちゃんは潰れる。たかみなのいないあっちゃんなんて怖くない。それにしても一つ気に掛かることは、あくまで噂だけどゆきりんのソロデビューの話・・・??、何か聞いているか?」
??「いえ、何も聞いてません。進展しているんでしょうか?」
峯岸「エースとキャプテンの一騎打ちとなったわけだ。くくく、これで今年のAKBはまた一段と面白くなりそうね。心の準備していてね、??」
峯岸「今年は私が神の一人になる」
94: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:05:27.94 5vnBfCrU0
■私が悪い■
峯岸「おい、菊地、そこ優子が座ってたから座んじゃねえよ」
菊地「あ、すみません峯岸さん」
劇場の控え室のこと。
昼ご飯のお弁当を食べようとしたら、何故か椅子が一つしか空いておらず、そこに座って食べようとしたら―。
菊地(峯岸さん怖いな・・・)
菊地あやか―彼女は旧チームBのエース格の一人であった。
神公演と言われた「パジャマドライブ」公演にて、鏡の中のジャンヌダルクというユニット曲でセンターをつとめたこともある。
そう、あの神公演にて、最後に旗を立たせる菊地は、間違いなく主役であった。
このまま順調にいけば、確実に選抜メンバーの一人にはなっている存在であった。
しかし―。
菊地(まあ、いいや。床に膝ついたら食べれるし、そうしよ)
95: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:06:21.68 5vnBfCrU0
とある出来事がきっかけで、選抜どころか、総選挙においては圏外という位置に甘んじている。
菊地(あんな男に引っかかった私が悪い・・・そう私が悪いんだ)
そうして寂しくお弁当をつついていると。
秋元「おお、菊地!」
菊地「秋元さん・・・」
96: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:07:03.29 5vnBfCrU0
秋元「どうした、椅子がないのか? じゃあ、私の椅子を使えよ」
菊地「えっ、良いんですか・・・でもそれじゃあ、秋元さんの椅子が・・・」
秋元「良いよ良いよ。ちょっと最近身体たるんできているからスクワットしながら食べるし、全部食べずに家に帰って家族に分けてあげるんだ」
菊地(何で、スクワットしながら・・・)
秋元流の冗談かと思ったら、本当にスクワットしながら食べ始めた。
流石、秋元才加である。
菊地「ありがとうございます・・・」
97:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:07:18.91 WS2O8dKZ0
ところどころにネタ入ってておもしろいな
98:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:08:03.63 czo5dJZv0
結構読みごたえある
正直なめてたわ
99: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:08:11.80 5vnBfCrU0
~公演終了後~
秋元「おお、菊地!」
菊地「秋元さん・・・」
秋元「今から何か予定あるのか!」
菊地「いえ、特に何もないですけど」
秋元「それじゃあ、私と一緒にジム行こうぜ! 最近、身体たるんできてるんだ! やっぱAKBって体力が重要だからさ、一緒に身体を絞ろうぜ!」
菊地「(ええっ、何で今から・・・)はぁ・・・」
秋元「よし、行くぞ!」
強引に手を引っ張られてジムまで連れて行かれる菊地。
100: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:09:02.69 5vnBfCrU0
秋元「ウッホ、ウッホ」
菊地「秋元さん、一体そのダンベル何キロなんですか・・・?」
秋元「ん? 78キロ!」
菊地「(それを片手で・・)はあ、ガンバってください」
菊地も適当にマシーンを使ってトレーニングしていく。
秋元「ふう! 良い汗掻いた。おい菊地! サウナ行こうぜ!」
菊地「は、はい」
断れるわけもなく、ただただ秋元に付いていく菊地。
秋元「ふう、やっぱりサウナは気持ちいいな!」
101: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:09:54.75 5vnBfCrU0
菊地「そうですね・・・」
秋元「なあ、菊地、アイドルで一番大事なことって何だと思う!?」
菊地「何でしょう・・・やっぱ、ファンのことを信じることですかね」
秋元「惜しい! 正解は筋肉だ」
菊地「(えー)そうですね・・・それも有りかと思います」
秋元「というのは冗談だとして、菊地の良いところはそこだと思う。ファンのことを信じてこれたから―。3,4年前の事件、あの時ファンから相当パッシングを受けただろ・・・どうして俺達を裏切ったって」
秋元「あの時はみんながみんな敵に見えたはずだ、怖かったはずだ、もうアイドルなんてこりごりと思ったはずだ―でも―菊地はAKBに戻ってこれた。それはファンを信じたからだ。自分を応援してくれるファンがまだいる、ってな」
102: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:10:47.23 5vnBfCrU0
菊地「・・・」
秋元「それが、菊地の良いところだ。これからもファンを信じ続ければ、きっと結果が出るはずだ」
菊地「・・・はい」
秋元「私も―少し前―とある事件の時、もうAKBなんて辞めようと思った。しかし私もこうして戻ってこれて、もう一度キャプテンなんていう役職をやらせていただくことが出来た。この時に、私は自分の筋肉を信じた」
菊地「えー」
秋元「というのは、秋元流冗句として、あの時に私もファンを信じた。だからかな、こうして戻ってこれたのは」
秋元「尤も菊地の方が凄いけどな。またAKBのオーディション受けにくるなんて、普通の人は考えない」
菊地「バカだからですよ。それしか出来ないんです」
103: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:11:26.30 5vnBfCrU0
秋元「そう、菊地はバカだ。それが良いところなんだ。菊地はバカ正直に、自分の気持ちに正直になれる。そしてバカ正直に、ファンのことを信じられる―だからお前もガンバレ」
菊地「はい―」
秋元「いや、最近菊地、元気なさそうに見えてな・・・キャプテンとしてはやっぱ放っておけな・・・」
菊地「秋元さん!?」
104: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:12:21.29 5vnBfCrU0
~休憩室にて~
秋元「はあ、すまんな菊地」
菊地「いきなり倒れてビックリしましたよ・・・」
秋元「とりあえず、私の言いたかったことはこんなところだ」
菊地「わざわざありがとうございます」
秋元「あ、それからもう一つ・・・菊地は怪しいと思わないか・・・」
菊地「怪しい・・・?」
今まであくまで、軽い雰囲気で喋っていた秋元の声が一気に新妙味を帯びる。
菊地「怪しいって、何がですか・・・?」
秋元「いや、最近AKBにスキャンダルが多いと思わないか・・・いやAKB、に限らず」
菊地「ああ、大場美奈ちゃんとか、NMBなら吉田ちゃんとかでしたっけ? 確かに多いように感じますね・・・」
105: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:13:53.24 5vnBfCrU0
秋元「そして、私の時も菊地の時も、何か可笑しくないか?」
菊地「? 何がですか?」
秋元「いや、これは私の野生の勘だけど・・・何か内部からバラされた感じが凄くするんだ・・・しかも最近のスキャンダルも週刊誌から、というよりネットから広がって大問題になっている。これに違和感を感じないか・・・」
菊地「・・・そういえば、少し。変な違和感が・・・」
秋元「うん、もちろん、裏切りがある、とかそういうことが言いたいわけじゃない。ただこれは私の思い過ごしだったらいいんだが・・・ごめん、変な話して。今の話は忘れて」
菊地「はい」
こうして菊地の物語は終わるわけだが、第四回選抜総選挙にて地味ながら40位でアンダーガールズ入りを果たす菊地あやかの話である。
柏木、渡辺とはまた違う、また違う道からAKBのセンターになろうとしている一人の少女の話である。
バカ正直にファンのことを信じ続ける、一人の少女の物語であった。
106:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:15:27.65 VGEw3FTj0
「尤も」多用する人久しぶりに見たわ・・・
別にいいんだけどね
107: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:16:23.24 5vnBfCrU0
■エースとの決別2■
マネージャー(以下マネ)「・・・ということで、ゆきりんのソロデビューの日は○月。渡辺との直接対決は避けられたけど、CD発売日は渡辺ソロのCDの一週間後・・・比べられることは避けられないよ」
柏木「・・・分かってます」
マネ「キングレコードから発売。渡辺はソニーミュージックだからね・・・やはり、レコード会社も全力で渡辺に勝利しようとするだろう」
柏木「はい」
マネ「それでね、これは一つの提案だけど・・・」
柏木「はい?」
マネ「今回も指原先生が作詞して、曲のメロディーも大体決めているらしいんだけど、どうしても題名だけ決められないらしいんだ。そこで、指原先生はゆきりんに題名を決めて欲しいらしい」
108: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:17:29.17 5vnBfCrU0
柏木「私に、ですか?」
マネ「そう。それで、最終調整に入るらしいから、今から歌詞が書いた紙と、曲が入ってあるCDを渡すから、今すぐここで題名を決めてくれないか?」
柏木「急ですね・・・分かりました」
柏木はマネージャーから受け取り、イヤホンで音楽を聴きながら真剣そうな表情で歌詞を読む。
柏木「・・・」
マネ「どうだい・・・? 今日中に決まればいいから、後でメールでも」
柏木「いえ・・・決まりました」
イヤホンを耳から外し。
柏木「題名は『センターは渡さない』です」
109:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:18:25.94 CyShr7Je0
おお、カッコイイなw
110: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:18:28.77 5vnBfCrU0
~劇場の控え室にて~
―特段、考えて題名を決めたわけではない。
というか只の直感。『センターは渡さない』という挑発的なタイトルであるが、別に渡辺を意識したわけでもない。
たまたまアップテンポな曲調で、好きな人を渡したくない―あの人のセンターはきっと私―というような内容だったから、そういう題名にしただけ。
腹黒の真骨頂でも何でもない。
渡辺「聞いたよ、ゆきりーん。私とゆきりんのCD発売日、一週間遅れらしいね」
柏木「まゆゆ・・・そうみたいだね、もう少しずらしてくれれば良かったのにね」
渡辺「ゆきりんには負けないよ!」
柏木「・・・! 私だって・・・」
111:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:18:38.29 XBk+QRkM0
結構面白いよ
ただ否定は「ううん」にしたほうがいいね
「うんうん」だと肯定になっちゃうから
112: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:19:26.76 5vnBfCrU0
~劇場の控え室にて~
―特段、考えて題名を決めたわけではない。
というか只の直感。『センターは渡さない』という挑発的なタイトルであるが、別に渡辺を意識したわけでもない。
たまたまアップテンポな曲調で、好きな人を渡したくない―あの人のセンターはきっと私―というような内容だったから、そういう題名にしただけ。
腹黒の真骨頂でも何でもない。
渡辺「聞いたよ、ゆきりーん。私とゆきりんのCD発売日、一週間遅れらしいね」
柏木「まゆゆ・・・そうみたいだね、もう少しずらしてくれれば良かったのにね」
渡辺「ゆきりんには負けないよ!」
柏木「・・・! 私だって・・・」
113: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:20:32.00 5vnBfCrU0
そう言い残して渡辺は去っていった。
宮崎「ああ言ってるけど、相当意識してるね、まゆゆ」
柏木「うわっ! ビックリした・・・みゃお・・・またお菓子食べてるの」
後ろを振り返るとお菓子の袋を持つ宮崎の姿があった。
宮崎「チームBのエースとキャプテンだもんね。しかも発売日が一週間違い。これは意識したくなくても意識するわ」
柏木「・・・何か、レコード会社は対立項を作りたいみたい。エースとの決別・・・って笑わせるよね」
宮崎「・・・本当にそう思ってるの?」
柏木「えっ?」
114: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:21:19.85 5vnBfCrU0
ポテチを口に運びながら宮崎は続ける。
宮崎「いや、何でもない、今の忘れて! ねえねえ亜美菜~、その美味しそうなケーキ私にもちょうだ~い」
亜美菜「駄目~、これはなっちゃんに上げるんだから~」
柏木(凄い砂糖使ってそうなケーキ・・・色がアメリカだけど・・・)
確かに―今までエースとキャプテン、そう言われ続けていた。
しかし第三回総選挙にてその立場は逆転。4位柏木、6位渡辺―最早、選挙の順番だけ見るとエースでキャプテンは柏木なのだ。
壇上でも行ったが、何故か雑誌の撮影の時も7人で切られることも多く―歯痒い思いをしている。
115: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:22:16.64 5vnBfCrU0
柏木(やっぱりみんな気付いてるのか・・・これはチームBのエースとキャプテンの対決だって)
といっても覚悟はしている。
こういう茨の道を歩むことを決めたのだ。
秋元康をセンターから引きずり落として、世間に本当のアイドルを分からせる。
そのための茨の道。
柏木(・・・いよいよ明日はレコーディングだし・・・気合い入れないとな・・・)
柏木(それにしても問題はタイアップ。まゆゆは自身が主演するドラマの主題歌だけど、私の場合はいくつかのCM曲のタイアップ。ドラマのファンが買うことは期待できない。現代の音楽消費社会においてタイアップ先は重要)
116: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:23:36.21 5vnBfCrU0
柏木(まあ・・・私が決められることじゃないから、マネージャーさんの手腕を信じるしかないんだけど・・・)
平嶋「ゆきりん」
柏木「ん?」
平嶋「ん、じゃないよ、もう少しで公演始まるよ。円陣やらなくていいの?」
柏木「ああ、ごめんごめん。それじゃあみんな円陣やるから集まってー」
柏木の元へチームBのメンバーがぞろぞろと集まってくる。
柏木「それじゃあ、いつものいきます! いつも感謝―」
117: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:24:28.58 5vnBfCrU0
■埋められない差■
渡辺「いよいよだね・・・」
平嶋「うん」
ここはレッスン場。
いつもと変わらない場所で、異質な雰囲気。
宮崎「みんなおはよーう! あれ、何でみんなそんなにピリピリしてるの。自分らしく生きようよ!」
平嶋「みゃお、忘れたの・・・今日は」
元チームA―小嶋陽菜がレッスンに参加する日。
平嶋(・・・いよいよ今日からか・・・)
118:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:25:08.39 cjC59Yo50
このスレ電車男みたいにドラマ化されて欲しい
119: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:25:37.45 5vnBfCrU0
平嶋夏海―小嶋陽菜と同じ一期生のメンバーである。
謂わばスタートラインは全く同じだったのである。
しかし―平嶋は最初からバックダンサーとして宿命づけられ、逆に小嶋はAKBの顔ともいえるべきポジションに位置している。
最初は少しだったかもしれない。しかしそれは今では埋められない差として現れている。
平嶋(そうだな・・・こじはると一緒に、こうやって公演のレッスンするのって、6年前以来くらいなのかな)
6年前―平嶋はチームBのサポートメンバーから、チームAに移籍した。
人はそれを左遷と呼び、平嶋もその二文字を意識せざるにはを得なかった。
平嶋(あの頃は本当に嫌だったな・・・かなり泣きそうだった・・・)
120: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:26:10.11 5vnBfCrU0
当時、14歳の平嶋にとってはそれは「AKB卒業」も考え得る出来事だったかもしれない。いや現に少しくらいは考えただろう。
しかしその後「このままではいけない」と自分を奮起させることによって、ここまで頑張ってこれた。
その結果が、AX2008においての初日1位なのだ。
3位でも「てもでもの涙」がランクインし、チームBが最強のチームだと照明することが出来たのだ。
渡辺「・・・きた」
いつもの気怠そうな感じで小嶋、レッスン場に到着。
小嶋「・・・はい、埼玉県から来ましたこじはること小嶋陽菜です」
小嶋の言葉により、笑みがこぼれるチームBの面子。
平嶋(何も変わらない・・・そう、たった一人、変わったところで)
121:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:27:06.61 4PuRdofB0
なにこれ
122: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:27:22.76 5vnBfCrU0
>>120
すみませんAX2008→2009ですね。
こうしてレッスンが開始した。
小嶋「はあはあ・・・」
平嶋「こじはるー」
小嶋「あっ、なっちゃーん」
平嶋「初めてのチームBのレッスンだったけど、どうだった? 覚えられそう?」
小嶋「うん・・・何というか独特なステップだね。何というかぴょんぴょん飛び跳ねるような」
平嶋「ははは、これがチームBのダンスだよ。妹のような、おもちゃ箱のようなチーム、っていうのがチームBのウリだからね。チームAとは少し違うかもしれない」
小嶋「うんそうだね・・・それにしても、またなっちゃんと、こうして公演のためのレッスンが出来るなんてね」
123: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:28:13.10 5vnBfCrU0
平嶋「・・・そうだね・・・」
小嶋「それにしても・・・気になるのは・・・」
平嶋「ん?」
小嶋「チーム4も、新生チーム4になってから今日が初めてのレッスンだよね。あっちゃん大丈夫かな」
平嶋「ああ・・・」
そうなのだ、現時点で最も心配なメンバー前田敦子。
世間ではもしかしたらあまり知られていないかもしれないが、彼女は人見知りで他人に興味がない。
そんな少女が、チーム4に、誰も初期メンがいない中でやっていけるのだろうか。
平嶋「あっちゃん、大丈夫かなー?」
124: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:29:09.06 5vnBfCrU0
小嶋「んー、まあ何とかなるんじゃない。あっちゃんああ見えて強い子だし」
確かに、前田敦子の精神力は強い。それは平嶋も認めるところだ。
しかし今回は勝手が違う。今回は一人で乗り込むのだ。
チーム4のメンバーもまるで腫れ物を触るように扱ってしまうだろう・・・口では何というか分からないが。
柏木「じゃあ、休憩終わり! 最後にもう一回通してみるからみんな立ってー」
125:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:30:07.11 7TTRQ1D20
>>1
どきどき
126: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:30:27.23 5vnBfCrU0
小嶋「あー、始まるみたいだよ、なっちゃん。いこ」
平嶋「・・・うん!」
チームBの独特なステップ。
小嶋は「ぴょんぴょん飛び跳ねるような」ダンスと形容した。
―これは余談であるが、平嶋は背が低く、その上でバックダンサーなのでどうしても目立つためには「ぴょんぴょん」飛び跳ねるようなダンスを習得するしかなかった。
その平嶋はチームBにきて、ダンスが出来ない子達に居残りで一緒にダンスを教えることになるのだが―
そんな平嶋に敬意を払って、チームBのみんなは「ぴょんぴょん」飛び跳ねるようなダンスをした―
という話もある。
平嶋は埋められない差と言ったが、最初から差なんてなかったのかもしれない。
127:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:33:25.83 9z8XSBYz0
敦子と4メンのからみwktk
128:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:33:50.78 OgdmjJS30
全体的にwktk
129:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:34:35.44 oy9QVBby0
おかしい、を可笑しいと変換するのに違和感
130:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:35:03.28 vt8SIb/WO
前田なら一人でチーム4いっても余裕だろ
精神力最強の前田なめんな
>>1頼むぞ
131: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:36:26.18 5vnBfCrU0
■エースとの決別3■
柏木「まゆゆのソロデビューの曲の売上は初日10万枚・・・このことについて愛ちゃんはどう思う?」
多田「予想通り・・・ってところかな。この初日10万枚でほぼオリコン1位は確実。この10万枚という数字は前田さんの『Flower』とほぼ同じ売上水準だね・・・」
柏木「予想外だった・・・せいぜい売れて8万枚だと思っていたのに」
暗い表情を見せる柏木。
柏木(ドラマの主題歌とはいえ、テレビ東京の深夜にやるドラマ・・・そんなにいかないと思っていたのに・・・まゆゆを侮っていたかもしれない)
多田「ドラマでの演技力も好評らしいしね。元々、マジすか学園でも演技力は勝算されていたまゆゆだから有る程度予想していたけどね・・・」
柏木「ねえ愛ちゃん・・・」
132: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:37:34.32 5vnBfCrU0
多田「ん?」
柏木「私、本当に勝てるのかな・・・」
柏木は不安を口にする。
多田「どうしたの、いきなり弱気で・・・」
柏木「現代の音楽業界で、タイアップ先は命ともいえるぐらい重要。相手はドラマのファンも取り込めるドラマ主題歌で、私はCMのタイアップ。しかもそんなに有名企業でもないから、バンバンCMが流れるわけでもない。もしこれで負けたら・・・」
多田「・・・弱気になっちゃ駄目だよ・・・」
柏木「えっ?」
多田「1位になるって決めたんでしょう!? じゃあ、弱気になっちゃ駄目。相手がやすすとか、前田さんなら分かるけど、今までの最高順位がたかが4位のまゆゆ。このまゆゆに勝たないと1位なんて夢のまた夢。鼻で笑われちゃうよ・・・」
柏木「・・・そうだね、愛ちゃん、ありがとう。弱気になってた」
何か吹っ切れたような表情になった柏木は立ち上がって。
133: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:38:41.68 5vnBfCrU0
柏木「・・・じゃあ、今日の公演もがんばろ! いくらテレビでのゴリ推しが重要とはいえ、やっぱり公演は大事にしていかない既存ファンが離れていくから。ってか愛ちゃんはチームAだから今日はないか・・・」
多田「・・・また一緒に公演したいですね」
そうだね、と返事をする柏木。
決して生返事ではない。
かつて最弱チームとは言われ、バカにされ続けてきた旧チームB。
パジャマドライブ、という神公演にも巡り逢えて勢いに乗ってきたところで、エース格の「菊地あやか」の解雇によって、満身創痍の状態に立たされていた旧チームB。
その旧チームB時代、柏木と多田は同じチームにいた。
134: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:39:38.70 5vnBfCrU0
柏木(あやりんが解雇された翌日の公演・・・足が震えて舞台に立つのが嫌で嫌で仕方がなかったな)
確実に、スキャンダルを犯さなければ最低でも選抜の常連にはなっていたと考えられる菊地あやか。
かつてライバル関係とも言われた二人が柏木と菊地なのである。
そんな、いや「パジャマドライブ」の主役とも言える菊地が抜けたステージにどんな顔で立てばいいのか・・・。
柏木(あの時なっちゃんが一声かけてくれなかったら、もしかしたら公演が中止になっていたかのかもしれない。それくらい・・・あの時は、やばかった・・・)
菊地解雇に佐伯などの怪我による卒業で旧チームBはボロボロ。
しかしそんな旧チームBであるが、AX2009にて「初日」が1位になった時の感動。
多田「もう、こんなに人気になっちゃったら、公演曲が1位になるなんて考えられないかもね。去年もチームB推しの5位が最高位だったし・・・シングル曲を抜かない限りは」
135: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:40:43.62 5vnBfCrU0
柏木「最後の公演曲1位・・・だったのかもしれないね」
多田「・・・まあ、私は・・・チームAでも楽しいよ。だからゆきりんもチームBのキャプテンとしてみんなを引っ張っていって! 言わなくても分かっていると思うけど」
柏木「うん、分かってる!」
余談であるが、AX2008の「初日」披露にて、一番顔をくちゃくちゃにして泣きながら踊っていたのは紛れもない多田愛佳である。
組閣祭りの時、欠席していたため多田のプラカードをスタッフが持っていたのだが、そのプラカードを大事そうにいつまでも抱きかかえていたのはチームB不動のエース、渡辺麻友である。
そして、組閣祭りが起こった後でも、22位にランクインしヘビーローテーションのアンダーガールズでひっそりとセンターを務めた多田愛佳。
そんな多田に柏木が信頼を寄せるのも無理もない話であった。
136: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:41:36.97 5vnBfCrU0
~公演中、MC~
柏木「はい。続けて3曲聴いていただきましたが、いかがだったでしょうかぁああああー!」
渡辺「ゆきりん! それ、たかみなの真似!」
柏木「ごめんごめん、ちょっとやってみたくて」
劇場内に温かい笑いが起こる。
柏木「それじゃあ、メンバーの自己紹介をしたいと思います! じゃあ、まずは亜美菜から!」
亜美菜「はい! 愛されたい、愛したい、でもやっぱり愛されたい、チームBの佐藤亜美菜で~す」
柏木「はい、愛されたい、愛したい、でもやっぱり愛されたい、チームBの佐藤亜美菜で~~~す」
亜美菜「違うでしょ! というかそれは喧嘩売られてるのかな?」
137: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:42:15.52 5vnBfCrU0
柏木「違うって! リスペクトだって!」
小林「本当だよね、ゆきりん。本当に、愛されたい、愛したい、でもやっぱり愛されたいだもんねー」
亜美菜「てめえは黙れ」
いつもの何ともいえない雰囲気が劇場を包む。
亜美菜「そうそう。そう言えば、ゆきりん。ソロのCDが一週間後くらいに発売らしいじゃん」
138: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:44:26.81 5vnBfCrU0
柏木「そうなんですよ! 初のソロデビューシングル「センターは渡さない」がいよいよ○月□日リリースです! ゆきりんファンのみなさんは勿論、買ってくれるよね!」
渡辺「いやいや! まゆゆのソロデビューシングル、昨日発売だったんですけど、みなさん買ってくれましたかー!」
増田「みなさん! 2010年11月10日発売、「Stargazer」買ってくれましたかー」
亜美菜「たこ焼きでも食ってろ。というわけで、私聴いてないけど、どっちも良い曲だよねー」
柏木「ちょいちょーい! よくCMで流れてるでしょ!」
小林「どっちが勝つんだろーね! まゆゆとゆきりん、売上的には!」
139: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:45:29.64 5vnBfCrU0
みんなが分かっていたことを口にする小林。
劇場内は何ともいえない空気に包まれた。
後に「KK、KY事件」と言われる「ロス事件」に負けずとも劣らない事件である。
渡辺「・・・」
柏木「そうですねー! もちろん、ゆきりんファンは私のCD買ってくれますよねー! 私を勝たせてくれますよねー」
140: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:46:49.47 5vnBfCrU0
柏木のまさかの挑戦状にざわつく劇場。
渡辺「え・・・」
柏木「まゆゆ」
渡辺「あっ! いやいや、ゆきりんなんかに負けてませんよね! 2億人はいるかと思われるまゆゆのファンは私を勝たせてくれますよねー」
柏木「ちょいちょーい! 何で日本人の人口超えてるのよ!」
ああ、そんな流れね―という空気になり、笑みが零れ出す劇場。
亜美菜「はい! というわけで、面白いですねー。まあ私は聴いてないけど、どっちのCDの曲もいいので、チームB推しのみなさんは二つとも買ってくださーい!」
増田「有華推しのみんなは「Stargazer」を・・・」
柏木「はい、では次の曲に移りたいと思います!」
141: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:47:37.40 5vnBfCrU0
~控え室にて~
柏木「ふー、今日も良い汗かいたー」
石田「今日は微妙な雰囲気を何とか笑いにつなげることが出来たねー、ゆきりん」
柏木「はるきゃん・・・」
劇場が終わり、ペットボトルを片手に返事をする柏木。
柏木「まあ、香奈のまさかの発言にはビックリしたけど・・・」
石田「あのままじゃ、劇場に申し訳ない空気になって終わりそうだったから・・・」
柏木「うん・・・」
142: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:48:31.30 5vnBfCrU0
柏木(想定外のことだったとはいえ、今日は儲けものだった・・・ドラマのファンの支持層が考えられるまゆゆのCDだったけど、私のファンが買ってくれるように仕向けることができた)
柏木(もちろん、条件は五分だけど・・・一番売れ行きが良いかと想定される初日だけど、まゆゆは潰れていて私はまだ残してある・・・有利な方は私・・・)
小森「本当ですよね」
一体どこからやって来たのか分からなかったが―いきなり後ろから声をかけてくる小森。
小森「やっぱりもう少し空気を読めるようになって欲しいですよね。やっぱり香奈さんはバカだから、そういうことも分からないのでしょうか」
柏木(何で先輩相手にそこまで言えるの小森・・・というかあんたもあんま人のこと・・・)
143: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:49:04.58 5vnBfCrU0
小森「まあ、次からは確かこじはるさんが公演初デビューですよね。こじはるさんは頭の良い人ですから、やっと天才小森と話を合わせられる人がやってくるかと思うかと胸が熱くなります」
柏木「(まあ、確かにあんたとは話合いそうだわ)そうだね・・・」
適当に返事をする柏木。
面倒臭くなってきたからである。
柏木「まあこの調子で次の公演も頑張りま」
平嶋「大変!」
144: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:49:43.56 5vnBfCrU0
突然、控え室のドアが開けられ平嶋が息を荒くして入ってくる。
柏木「どうしたのなっちゃん・・・」
平嶋「はあはあ、大変・・・」
小森「どうかしたんですか・・・」
平嶋「明日の公演って新チーム4じゃん・・・そのチーム4なんだけど・・・」
息を落ち着かせる平嶋。
平嶋「あっちゃんが失踪して、まだ見付かってないみたい・・・」
145:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:51:16.83 vusDHHmi0
おおおおおお・・・・急展開!!!
146:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:51:57.19 OgdmjJS30
まえあつうううううwwww
147: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 01:53:52.02 5vnBfCrU0
ここで、もう夜遅くなってきて誰もいないかと思いますので、今日のところは終わりたいと思います。
一部のメンバーにはかなりキャラが酷くなっていて(特に峯岸)、怒っているファンの方々もいると思いますが・・・別にそのメンバーが嫌いなわけじゃないです。
では。
148:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:54:32.98 9z8XSBYz0
寝れない…
149:きゃりーまゆまゆ
12/01/16 01:55:57.91 /GAsXP120
んんんんんん
150:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:56:17.23 vusDHHmi0
作者さんいいとこで区切るねぇ
前にも指摘ありますが可笑しいは普通にひらがなでおかしいと書いた方が自然に読みやすいですね
151:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 01:57:18.33 OgdmjJS30
変な高揚感で眠れんな
152:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:00:31.94 1kf9qBV40
>>147
チョイチョーイ!
・・・乙ブラックノシ
153:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:04:01.37 1kf9qBV40
それにしても、この手の小説の柏木主演率高いねw
154:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:17:41.09 qqqOdaqA0
なぜこんな時間に・・・w
寝ようとしたのにw
155:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:18:38.33 l5owLGMO0
寝れんじゃないの
156:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:21:02.83 0pyXO0YQO
>>93
平嶋官房長官スレ懐カシス
157:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:23:56.86 VdGwja9p0
小説というより脚本というのがベストでは?
158:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:24:55.26 2R5F/Xloi
しまぶーみたいなもんか
159:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:27:18.58 0ESKpp2ki
チームでは4推しだからあっさん編楽しみ
160:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:35:17.88 esAcMVHs0
すげ~おかげで1時間寝るの遅れたぞ
ここまでの大作とは思ってなかった。
そろそろ指原プロデューサーが登場するのかな。
ゆきりんは指原先生の事をさしこにしか見えないはずだし。
161:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:39:46.67 0pyXO0YQO
指原先生の空気っぷり…
162:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 02:54:06.26 HY2QPskZO
>>161
存在忘れてたわww
163:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 03:09:11.71 anh1LVHG0
この話いいねー、早く続きが読みたいわw
つかやすすが他メンと同じ衣装着てるのを想像すると吹いてしまうwwwwwwwww
164:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 03:26:10.18 bxrlBNd5O
>>1は20世紀少年のパロ書いた人?
165:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 08:07:58.99 iqftOFw20
>>147
続編期待
思わず最初から一気に読んでしまった。
166:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 08:20:52.26 tlrbsgvb0
ところどころネタ仕込んであって、本人ボイスで再生できてるよ!
続編期待~
167:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 08:56:58.64 xnbBh5rA0
誰だ敦子が「精神力最強」とか言ったやつはwww
でも実際こんなことになったら、やっぱり…自分も卒業とか言い出すんじゃ(´・ω・`)
168:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 11:59:17.64 mMQwIizcO
今日の執筆はまだでしょうかー?
169:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 12:42:57.65 5yK1jEFm0
小説とは言えんが脚本として見るなら面白い。
続きを待つか。
170:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 12:51:14.93 OgdmjJS30
作者さんちょっと待たせすぎだお(´・ω・`)
171: 忍法帖【Lv=11,xxxPT】
12/01/16 13:51:26.92 DtlSN+zI0
やっと追いついたぜ
172:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 14:15:10.94 2dn8zAx0i
>>164
あれもおもしろかったよね
173:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 14:19:23.84 UemSBHcN0
>>170
夜来るんじゃない?
174:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 14:41:20.08 oy9QVBby0
ノースリの3人が出てたSAWのパクリみたいなのは途中でdat落ちしたけどあれもこの人だったのかな
175:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 16:41:27.06 4+2gG1jR0
面白い(^∀^)ノ
176:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 17:25:48.25 drevUSSK0
続けてください
177:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 18:05:21.39 OgdmjJS30
あげ
178:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 18:14:35.22 Uw489mwW0
>>1は南極怪獣通信の人?
179:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 18:19:51.15 anh1LVHG0
続きが気になって仕事が手に付かなかったお(´・ω・`)
180:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 19:18:31.91 9z8XSBYz0
保守しとく
181:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 19:38:28.13 qqqOdaqA0
hoshu
182:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 19:46:56.52 hcobkEWNO
作者先生!…続きお願いいたします!
183:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 20:07:06.25 1M8GqOph0
指原先生は19歳で秋元康は55歳なのだろうか
184:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 20:14:31.16 eMtaWBwV0
>>1
もしかして他の作品も書いたことありますか?
185:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 20:26:04.60 mXW0+TCg0
>>132
ミス発見
まゆゆの過去最高順位は4位だから、
この世界ではやすすに抜かれて5位のはずですよ
186:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 20:40:09.48 cou7dkZiI
やすすって何期!?
チームは!?
なんでゆきりんだけ、やすすがセンターのこと知らなかったの!?
187:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 20:51:54.85 JC4SRtS/0
面白いじゃん
中々細部に凝った造りになってるのがいいね
188:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 21:40:55.42 hcobkEWNO
先生!先生を見なかったか?
189:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 21:50:45.89 qqqOdaqA0
日付が変わる頃に来るのかな?
190:名無しさん@お腹いっぱい。
12/01/16 21:57:47.24 iqftOFw20
この話のオチは邯鄲の夢とみた
191: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:22:41.14 5vnBfCrU0
>>1です。遅くなりました、始めます。
そしてすみませんが、明日は早く起きないと駄目な用事があるので今日も最後まで行けそうにありません。すみません・・・最終回一歩手前くらいまでは行けると思いますが。
ちなみに、ここにこういうのを投稿したのは初めてで、20世紀少年の人ではありません。というか恐れ多い・・・
~新生チーム4、公演2時間前~
大場「まだ前田さんに連絡が取れない!?」
島田「うん、取れない・・・実家の方にも連絡したけど全然。一応指原先生にも相談したけど・・・」
大場「何て言ってた?」
島田「「自分達で乗り越えなさい」だって・・・最悪、研究生をアンダーとして呼ぶしかないみたい」
大場「そう・・・」
といっても事前予告では「前田敦子」は出席になっていて、ファンの殆どもチーム4としての「前田敦子」が見たくてやって来るののであろう。
もしそれが当日になっていきなり「前田さんは欠席です」なんて・・・恐ろしくて想像もしたくない。
大場(前田さん、何で・・・)
192: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:23:38.05 5vnBfCrU0
チーム4の中で一番慌ててるのが大場美奈―チーム4のキャプテンを任された若き少女である。
といってもキャプテンを任されてちょっと経った時期に、彼女はとある事件を起こして謹慎させられている。
その時に、キャプテン代行として頑張ってくれたのが。
島田「とりあえず、私、もう一回電話してみる」
大場「うん、はるぅよろしく頼んだ・・・私も心当たりのあるところ片っ端から連絡してみるから」
島田晴香―はるぅと呼ばれる存在である。
キャプテンを任された大場であったが、本人も最初は島田がキャプテンになるものだろう、と思っていた。
しかしチーム4が立ち上げられる時にキャプテンとして名前を呼ばれたのは「大場」―。
193: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:24:26.55 5vnBfCrU0
大場(本当に私、キャプテンとして大丈夫なのかな・・・)
大場が苦悩するのも無理はない話である。
研究生時代、よく9期生のメンバーを集めてくれたのは島田であり、当然チーム4という先輩が誰一人いないチームではキャプテンを務めるものだと思っていた。
それでも、大場は任されたからにはちゃんとやろう、と思っていた―そう思っていた時期にあの事件である。
そして謹慎が解けて、キャプテンにも復帰して、1からやり直そうと思っていた矢先に―
大場(確かに、レッスンも休みがちで誰とも喋っているのを見たことがない・・・だから、この状況になることも考えられた。私の責任だ・・・)
前田敦子、失踪―。
本人がどう思おうとも、エースの看板を背負わざるを得ない少女。
そんな少女が―公演前にいなくなるなんて―。
大場「・・・取り敢えず、選抜常連のゆいちゃんにも連絡してみて・・・」
市川「美奈さん、美奈さーん」
194: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:25:21.58 5vnBfCrU0
カシューナッツ片手に走ってくる市川。
市川「前田さんの居場所が分かりましたー」
大場「ホント!?」
市川「はい。たかみなさんに今さっきメールが来たらしいんですけど、何でも「東京ドーム」に来てくれ、とのことらしいです」
大場「東京ドーム・・・」
市川「はい」
大場「・・・取り敢えず東京ドームまで行こう! みおりん、チーム4のメンバーを出来るだけ集めて」
市川「はい!」
東京ドーム―AKBは東京ドームで公演することが夢なのだが、未だにそれは実現していない。
そんな夢の場所に―前田はいる―。
大場(前田さん、一体どういうつもり・・・)
195: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:26:13.87 5vnBfCrU0
■それでも7人だけが見守ってくれた■
~東京ドーム行くまでの、電車内~
高橋(あっちゃん、一体何を・・・)
高橋は焦っていた。
握りしめている水道橋までの切符はもうボロボロで、おそらく改札口には通らなくなっているだろう。
高橋(確かにチーム4に移籍になってから、悪い予感はしていた・・・でも、あっちゃんなら・・・あっちゃんなら耐え抜いてくれると信じていた)
しかし結果は最悪―後2時間で公演が始まるというのに、前田は見付かっていない。
高橋(・・・取り敢えず、あっちゃんに会ってからだ。会ってから・・・)
そこで言葉が詰まる高橋みなみ。
196: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:27:03.03 5vnBfCrU0
高橋と前田はAKBの一期生として、最初から頑張ってきたメンバーである。
当然、お互い立ち上げ時の苦労も分かっているし、分かるからこそよりによって「チーム4」に移籍された前田の気持ちが―分からなくもない。
高橋(そうだよな・・・左遷にしか思えないよな・・・チームB立ち上げ時に、シンディとかなっちゃんが移籍された時も、人は誰も左遷と呼んだ・・・あの時でさえ、凄い雰囲気だったのに、ましてやあっちゃん一人で・・・)
顔を合わせて何と言えばいい。
チーム4には一期生は一人もいなくて、チーム4のメンバー達にとっても前田敦子という存在は意識せざるにをえないだろう。
高橋(私は元々キャプテンには向いてなかったんだ・・・メンバー、一人を、しかもエースの一人をこんな目に遭わせるなんて)
自己嫌悪に陥る高橋。
かなり早い段階からAKB全体のキャプテンを任されていた高橋。
いや、それどころかSKE、NMB等の48プロジェクト全てのキャプテンと言っても過言ではない高橋みなみ。
総勢210名の人生を背負うには、あまりにも高橋は若すぎた。
197: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:27:51.21 5vnBfCrU0
高橋(一体、あっちゃんに何を・・・)
高橋はAKBに入団当時から色々と伝説が付きまとっている。
何でも「AKBに入らせたいがために、エイベックスの最終オーディションを落とされた」。
言い訳MaybeのPVに全然映っていなかった佐藤亜美菜を慰めた話。
友達がいない峯岸みなみののことを思って、卒業式に出席したという話。
努力と根性を至上とするAKBの中で、頑張りやと呼ばれている数少ないメンバーの一人であること。
AKB48とは高橋みなみのことである―もしかしたら、最早形骸化しているレコード大賞をなかなかAKB運営が撤退しなかったのは、高橋みなみの話があるのかもしれない。
高橋(私は今まであっちゃんのことを分かった気になっていた・・・1期生だし、付き合いも長いから誰よりも分かっているつもりになっていた・・・でも、私は何も分かっていなかった)
198: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:28:27.44 5vnBfCrU0
前田敦子―謎が多いメンバーの一人である。
もし、AKBが登場する前に、アイドルの条件は? と聞かれると、大概の人は「ルックスも良くて、歌もダンスも上手くて、みんなを引っ張っていけるような存在で、明るくて社交的な人間」というイメージを思い浮かべるだろう。
しかし、前田敦子は悉くアイドルとしての条件を満たしていない。
ルックスは人それぞれ評価すると思うが、歌もダンスも普通で、他人に興味がないためリーダーシップなんて発揮できない。性格は人見知りで、お世辞にも社交的とは言えない。
そんな前田敦子がどうしてAKBの看板を背負う一人になっているかというと―。
高橋(それは精神力の強さ・・・あっちゃんはどんなにネットで叩かれていても「知らない」の一言で済ませ、どんなに叩かれても食が細くならない。有る意味、鈍感とも言えるくらいの精神力の強さを持っている)
もちろん、柏木が考えたように前田の長所というものはいくらでも挙げられるのだが―とにかく何が言いたいのかというと。
高橋(あっちゃんは・・・決して、今までのアイドル像とは違う、新タイプのアイドルだということ・・・)
199: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:29:22.29 5vnBfCrU0
今までのアイドルは「とにかくよく分からないけど、今が楽しくて最高! みなさん盛り上がっていきましょう!」というような曲調が多かった。モーニング娘。の「LOVEマシーン」が最たる例である。
しかしAKBの歌詞はよくよく聴いてみると後ろ向きな内容や、泥臭く努力するような内容が多い。
また毎日公演をする関係で、一回聴いてしまって飽きてしまっては駄目なので、何回も聴いている内によく聞こえてくるような内容の歌が多い。
その最たる例がメロディラインがぐちゃぐちゃで、一まとまりになっていない井上ヨシマサ作曲の「10年桜」や「Everyday、カチューシャ」なのである。
今までと明かに違う、新タイプのアイドルには、新タイプのエースが必要であった―前田敦子はその一人だった、ということ。
高橋「着いた・・・!」
駅に到着した瞬間、走って改札口まで向かう高橋。案の定、改札には通らなかったので駅員のところまで行ったが―
高橋「あっちゃん・・・」
200: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:30:13.30 5vnBfCrU0
東京ドームまで全力疾走。
イベントも何も行われておらず、人も閑散としている東京ドームの前に前田敦子はいた。
前田「たかみな・・・」
高橋「あっちゃん・・・どうしたんだよ・・・みんな心配してるよ。後2時間で公演が始まる・・・早く劇場に向かわないと」
前田「嫌だ」
高橋「そんな、わがまま・・・」
前田「わがまま・・・? たかみなに何が分かるの?」
声を荒げる前田―珍しく。
前田「明かにこれは左遷。もう人気の絶頂と見た運営が、私をチーム4へ移した。そりゃそうだもんね、もう終わりそうな私より、15歳で次世代のエースと呼ばれている珠理奈に譲るのは当然の話・・・何も可笑しいことではない」
201: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:31:19.81 5vnBfCrU0
高橋「・・・」
前田「私はもう要らない存在・・・だから私が公演に行かなくても別にいいんじゃない?」
自暴自棄になっている、高橋はそう感じた。
高橋「要らなくなんてない・・・ファンのみんなは待っているよ、だから・・・」
前田「最初は7人だけだったね・・・」
高橋「え」
前田「最初は7人だけ・・・AKB初日の公演、関係者を除いたら一般のお客さんは7人だけ、という状況だった。そんな中で私達は踊り続けた。歌い続けた」
前田「だけどチーム4は最初から満員の、最初から国民的アイドルになっている劇場の舞台しか知らない。そんな子達とどうやって踊っていけばいいの? あの頃のことを何も分かっていない、あの子達とどうやって・・・」
前田の目にはうっすらと涙が浮かんでいるようにも思える。
無理もない。チームAというのはAKBそのものであった。だから前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、篠田麻里子などの立ち上げ当初のメンバーが一番多い。
前田「分からせたかった・・・あの頃、「絶対失敗する」と言っていた大人達を見返したかった・・・」
202: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:32:18.12 5vnBfCrU0
高橋「あっちゃんは負けず嫌いだしね・・・」
前田「別にチーム4のメンバーが頑張っていない、というつもりはない。だけど「AKBを分からせる」ために頑張ってきた私達と、「AKBを飽きさせないようにする」ために頑張っているあの子達とでは頑張るベクトルが違う、ということ」
高橋「・・・」
前田「だから、もう私は良い。もう疲れた・・・もう引退してペットショップでも経営しようかと」
高橋「それは違うよ、あっちゃん」
前田「えっ」
高橋「チーム4のメンバーも、私達とやっていることは一緒だよ、あっちゃん」
203: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:33:21.76 5vnBfCrU0
前田「何を・・・」
高橋「確かに私達は、「これから来る者たちへ成功の前例」を作るために頑張ってきた。でもチーム4はもう成功している中で頑張るのだから、そこに温度差を感じるのも無理はないと思う。けどあっちゃん、あっちゃんは旧チームBを覚えている?」
前田「・・・うん、なっちゃんとかが移った時だよね」
高橋「そう。状況は全く一緒だったと思う。チームBも今となっては、ちゃんとしたチームだったと思うけど、最初の頃は今のチーム4のようなものだったと思う。現になっちゃんも「最初はあまり印象は良くなかった」と言っている」
高橋「けど、なっちゃんはそこで腐らなかった。自分を奮い立たせて、ダンスが出来ないメンバー達にダンスを教え、学業も頑張った。その結果が、「初日」くらいにやっと何とか公演が出来る状態まで持っていって、その結果がAX2009の大勝だったんだ」
前田「・・・私はなっちゃんと違うよ・・・なっちゃんは若かったけど、私はアイドルとしてはもう若くない・・・もう未来がないんだよ」
高橋「いや、まだあっちゃんは20歳だ。麻里子様は25歳までやっているし、にゃんにゃんも23歳だ―今がピークだと思ってはいけない。麻里子様は25歳にして初めてセンターを務めたんだよ?」
204: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:35:05.90 5vnBfCrU0
前田「・・・そういう考え方も出来るかもしれない。けど、私は、私はなっちゃんと違うんだよ。なっちゃんみたいに、そんなこと出来るわけがない」
高橋「そう、あっちゃんはなっちゃんと違う。違う人間であり、同じ道を辿るなんて分からない。けど、あっちゃん、今のチーム4のメンバーはAKBの初期の頃に似ていないか?」
高橋は言う。
高橋「今のチーム4も「何で出来たんだ?」「どうせ2軍だろ」「どうせこのままじゃ失敗する」と言われている。私達もモーニング娘。とかのアイドルの2軍でしかなかった」
高橋「しかしそれを・・・世間の大人達を見返してやりたかった。そのために頑張ってきた・・・あっちゃん、今のチーム4と当時のチームAの状況は何処が違う・・・?」
前田「それは・・・」
高橋「頑張ってきたけど、独占禁止法に引っかかってレコード会社と揉め、CDを店頭に飾らせてもらえなかったあの頃。将来のエースである菊地あやかちゃんが解雇されて、世間からは好奇の目を向けられていたあの頃・・・あの頃、AKBは下手すれば終わっていた」
前田「・・・」
高橋「今のチーム4も、立ち上げ早々、みなるんが問題起こして謹慎になってしまい、ファンの人々からは「どうなるんだろ」という好奇の目を向けられている。あの頃の状況と非常に似ている・・・もちろん、違うところもたくさんあるけど」
205: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:36:24.80 5vnBfCrU0
前田「・・・」
高橋「なあ、あっちゃん。どうして、あやりんはAKBに戻ってこれたと思う!? どうして、亜美菜は言い訳MaybeのPVで全然映ってなくて泣いたと思う!? どうして、なっちゃんはあの頃頑張ってこれたと思う!? ・・・それはみんなファンのためを思ったから」
高橋「あっちゃんにはファンがたくさんいる。私なんかよりも、たくさんのたくさんの人の期待を背負っている。もちろん、いつかは卒業という道を辿るだろう。でも今はその時なのかな、このままで終わっていいのかな?」
高橋「チームAとか、珠理奈に負けたままで、前田敦子のAKBとしての人生は幕を閉じていいのかな?」
前田「・・・ふ」
笑みが零れる前田。
前田「たかみなはいつもそうだね・・・いつも私のことを気にかけてくれる」
高橋「・・・」
前田「・・・分かったよ・・・いや、まだ分からないけど・・・終わらせることはいつでも出来る、だから今じゃなくても良いよね」
高橋「それじゃあ・・・」
前田「うん、公演に行く」
206: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:37:32.14 5vnBfCrU0
高橋の表情が明るくなる。
高橋「あっちゃん・・・」
前田「といっても、やばっ! 後1時間で開演じゃん! たかみな、タクシーを捕まえるよ!」
高橋「うん・・・」
大場「前田さーん!」
前田と高橋の元に、大場を始めとするチーム4のメンバーが集まってくる。
前田「みなるん・・・」
大場「前田さん! 公演に来てください!」
島田「そうですよ、前田さんがいないと始まらないですよ!」
山内「前田さんがいないと、ファンのみなさんが納得しませんよ!」
大場「そうそう! 島田のうるさいMCだけじゃ、納得して帰りませんよ!」
島田「そうそう・・・って、えー!?」
207: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:39:07.21 5vnBfCrU0
前田「大丈夫。公演に行くよ。ちょっと風に当たりたくなっちゃっただけ」
大場「本当ですか!」
前田「うん、そうと分かれば早く劇場に向かわないと!」
大場「はい!」
チーム4のみんなと走って劇場まで向かおうとする前田。
前田「ねえ、たかみな!」
前田はその前に、高橋の方を振り返って。
前田「最初は誰も期待していなかったよね・・・「最初は誰も期待してない、22粒の種だった、いつかは一面花咲く日が来るまで」・・・私、チーム4の一面に花を咲かせる日まで頑張るよ・・・チームAなんかに負けないんだからね!」
高橋「おお!」
208: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:39:54.25 5vnBfCrU0
前田「じゃあたかみな、ありがとう! またね!」
高橋「また! ・・・またか・・・」
さようならじゃない、再会の時を願う挨拶。
背中が小さくなっていく前田とチーム4のメンバーを見ながら高橋は思う。
AKB再生とはこういうことだったんだ。みんなが初心を思い出して、ここが0だと考えもう一度頑張っていこう、という意味。
あの頃、ボロボロと化していたAKBを再生したのは、当時11歳の松井珠理奈であった。
だからもしかしたら指原先生は第二の松井珠理奈にしたいのではないか・・・そんなことも思ったりする。
高橋「じゃあ、私もレッスンがあるし戻るか・・・」
148㎝。
そんな小さな少女であるが、背負っている人間の数はあまりにも多かった。
209: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:41:17.54 5vnBfCrU0
~新生チーム4、初公演~
大場「・・・というわけで、これで新生チーム4の公演は終わりですが、いかがだったでしょうか!」
チーム4の公演も終わり寸前。
大場「では今日もお別れということで、挨拶を・・・」
みんなが一直線になって、手を繋いでやるいつもの挨拶―。
大場「せーの・・・」
前田「ちょっと待ったー!」
210: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:42:03.20 5vnBfCrU0
突然、前田が大きな声を出す。
大場(えっ・・・今日は別に誰かの生誕祭っていうわけでもなければ、別に何か聴いていたわけでも・・・)
前田「すみません。みなさん・・・本来はここで終わりなのですが、もう1曲だけ、もう1曲だけ私のわがままで、もう一曲だけやらせてください!」
前田の意外な言葉で、会場のボルテージが最沸騰をする。
大場「前田さん・・・」
前田「(小さな声で)大丈夫・・・音響さんとは話を合わせておいたから」
前田「それでは聞いてください! チーム4で「走れペンギン」!」
211: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:42:34.93 5vnBfCrU0
レッスンにほとんど参加していなかった前田であったが―チーム4「走れペンギン」―大場の目から見て完璧に踊りきっていた。
大場(凄い・・・一体、どこでそんなに練習を・・・)
ポジションも何も決めていない。
しかしみんなは分かっていた。何も言わなくても分かっていった。
この曲のセンターは前田敦子なのだ、と。
~♪
走れ!ペンギン
動かなくちゃ始まらない、前に出ろよ
走れ!ペンギン
そこにいたって恋を手にするのは一等賞だけ
センターを目指すんだ
♪~
212: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:44:01.73 5vnBfCrU0
■???■
峯岸「そう・・・新生チーム4の公演は大成功。あっちゃんも楽しそうにしていたか・・・」
??「といっても表情を作るのが上手い前田さんですからね。演技という可能性も・・・」
峯岸「いや、それはないでしょう・・・」
峯岸(たかみなに聴いたら、あっちゃんは1、2時間前まで公演に出ようか迷っていたらしい・・・だから、公演に出ない選択肢もあった・・・なのに公演に出たということは)
峯岸「想定外ね・・・まさかあっちゃんが潰れないなんて」
213: ◆Q5rNtE.wug
12/01/16 22:45:14.06 5vnBfCrU0
所謂、神8―現実の世界では、神7と呼ばれる神の7人―その一人が減らない、ということは競争の激化は予想された。
峯岸「まあとにかく・・・進めていた例の計画・・・実行に移して」
??「いよいよ始まるんですね」
峯岸「そう・・・最悪、しなくてもいいかな、って思ってたんだけど、あっちゃんが潰れないと聞いたらやらざるを得ないわ」
??「・・・」
峯岸「どうしたの?」
??「いえ、大丈夫です」
峯岸「それじゃあ、頼んだわよ。私が神の一人になるのはあなたに掛かっているわよ。頑張りなさい」