12/03/31 16:36:42.21 UeamkZ4F
§モロッコの伝統的な統治体制、およびモロッコと西サハラ地域の不可分性
日本が徳川家綱の治世下にあった万治3(1660)年、モロッコの統治者としての
地位を確立したアラウィー朝は、部族ごとに国民を統治する政策を取ってきた。
国王を「信徒たちの指揮官」アミール・アル=ムウミニーン (Amir al-Mu'minin)
として承認し、国王に対して忠誠を誓う約束のことを、バイア (Bay'ah) と呼び、
アラウィー朝は、代替わりする度に各部族のバイアを書面で記録させている。
上記のバイアの有無に加え、税金を納めているか否かで、地域を区分できる。
1. ビラード・マフザン/ビラードゥ・ル=マフザン (Bilad al-Makhzan)
国王と中央政府を承認し、かつ、中央に対して納税している地域のこと。
2. ビラード・スィーバ/ビラードゥ・ッ=スィーバ (Bilad as-Sibah / Bilad al-Sibah)
国王と中央政府を承認しているが、中央に対して納税しない地域のこと。
3. ビラード・フィトナ/ビラードゥ・ル=フィトナ (Bilad al-Fitnah)
国王と中央政府を承認せず、かつ、中央に対して納税しない地域のこと。
支配力の強い順に、1. > 2. >3. となる。尚、「君主と中央政府を承認して
いないが、中央に対して納税している地域」は存在せず、また、用語もない。
西サハラと呼ばれる南部3区の地域は、アラウィー朝の国威が衰えた時代に
納税を拒否することもあったが、一貫して国王に対するバイアを表明しており、
歴史的な正統性で見れば、モロッコと西サハラは不可分であると言う他ない。
しかし、ポリサリオ戦線 (el Frente Polisario) は、モロッコの弱体化を狙う隣国
アルジェリアの支援を受け、また、北アフリカ諸国の政権転覆を企てる国際テロ
組織 AQIM (Al-Qaeda Organization in the Islamic Maghreb) とさえも手を結び、
まさに文字通り、目的のためには手段を選ばず、南部3区の強奪を企てている。
14:13
12/03/31 16:37:46.60 UeamkZ4F
~アラビア語の用語解説~
アミール・アル=ムウミニーン (Amir al-Mu'minin)、アミール (Amir)
→ URLリンク(ja.wikipedia.org)
ビラード (bilad) は、「国」、「町」、「村」、「土地」などを意味するアラビア語
バラド (balad) の複数形。
マフザン (makhzan) は、「倉庫」や「管理受託者」という意味のアラビア語で、
特にモロッコでは、王族や政府高官をアル=マフザン (al-Makhzan) と呼ぶ。
〔ちなみに、複数形はマハーズィン (makhazin) で、英語 magazine の語源。〕
フィトナ (fitnah) は、「内戦」、「反乱」や「無秩序状態」を意味するアラビア語。
15:人類発祥の名無しさん
12/04/01 02:10:38.98 Tq09s9q4
~西サハラ問題に関する参考リンク~
日本モロッコ研究センター (The Japanese Center for Moroccan Studies, JCMS)
URLリンク(japan-morocco.org)
協議による西サハラ問題解決への新たな希望 西サハラをめぐる紛争と新たな文脈
(ITEAS-Tokyo Series on Conflict & Crisis Management): ITEAS「紛争と危機管理」研究班
URLリンク(www.amazon.co.jp)
├序文~第二章 URLリンク(japan-morocco.org)
├第三章~第五章 URLリンク(japan-morocco.org)
└第六章~参考資料 URLリンク(japan-morocco.org)
※ 日本モロッコ研究センター (JCSM) の公式サイトに、全内容が掲載されている。
サハラ問題の平和的解決に向けて
URLリンク(japan-morocco.org)
サハラ地方のための自治法令を協議するためのモロッコによるイニシアティブの全文
URLリンク(japan-morocco.org)
西サハラ: モロッコにおけるアラン・ジュペ外相の支援
(Sahara Occidental : soutient d'Alain Juppé au Maroc)
URLリンク(biladi.ma)
サハラ・フランス関係: 西サハラ自治案は、全ての利害関係者に対して素晴らしい解決を提示する
(Sahara-France : Le plan d'autonomie offre une sortie honorable à tous les protagonistes)
URLリンク(www.plan-autonomie.com)