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David Axe
ロシア軍は8月29日、ウクライナ東部ドネツク州ノボフロジウカ北端の炭鉱施設にロシア国旗を掲げた。半年あまり前に陥落させたかつての要塞都市アウジーウカから、ウクライナ軍の重要な兵站拠点であるポクロウシクまでのおよそ40kmの軸で、これまでで最も遠くまで前進した。
進撃を続けるロシア軍と、2022年2月の全面侵攻前に6万人ほどが暮らしていたポクロウシクの間に現在、主要な塹壕線は1本しかない。しかも、この塹壕線を人員で満たせるほどの人的戦力をウクライナ軍がポクロウシク正面に投入しているのかも不明だ。
つまり、ポクロウシクはゆゆしい状態にあるということだ。ウクライナ軍も増援部隊を送っているものの、そのわずかな兵力増強ではこの正面を救えないかもしれない。
ポクロウシクが陥落すれば何が起こるのかはわからない。だが、ロシアによる全面戦争が2年7カ月目に入るなか、ウクライナ側の戦争努力に不利にはたらくのは間違いない。
今年2月半ば、ロシア軍の疲弊した2個野戦軍がついにアウジーウカを陥落させたとき、その先には新たな難関になりそうな光景が広がっていた。ポクロウシクまで、集落を縫うように張り巡らされた幾重もの塹壕線だ。
だが、それは見掛け倒しだった。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトは「ポクロウシク正面のウクライナ軍部隊は組織だった防御をするのに十分な兵力とリソースが不足しているため、何度も撤退を強いられた」と解説している。
ウクライナ側は塹壕線のすべての区画で敗れたわけではないものの、一部の区画では敗れた。そして、塹壕線のひとつの区画が失陥すると、その周辺の区画にいる部隊も退却を余儀なくされることが多かった。そうしなければ敵部隊に包囲されるおそれがあるからだ。
「最大の問題は、組織だった防御を行って陣地を守っていくのに、利用可能な人的戦力と経験豊富な部隊が依然として不足していることだ」とフロンテリジェンス・インサイトは指摘する。「防御がどれほどうまく構築されていても、あるいは防御の数がいくら多くても、必要な人員の10~20%程度しか配置されていなければ、ロシア軍にすぐに圧倒されてしまうのは当然だ」
■防御の要である精鋭の第47機械化旅団はM1戦車の半分を損失
ロシア軍が8月にポクロウシク正面の攻勢を加速したとき、ウクライナ軍にはこの正面への増援に振り向けられる旅団がいくつかあった。だが、ウクライナ軍参謀本部はそうせず、予備の8個旅団の一部ないし全部をロシア西部クルスク州への逆侵攻に投入した。8月6日の奇襲で始まったこの越境地上攻撃で、ウクライナ側はクルスク州の1000平方km以上の土地を一気に支配下に置いた。
ロシア側は、ウクライナ軍はなお5個前後の旅団を予備として温存しているとにらんでいるもようだ。しかし、奇妙なことに、これらの旅団もポクロウシク正面に来ていない。ウクライナ軍は残りの予備部隊もクルスク州に投入するつもりなのかもしれない。
したがってアウジーウカとポクロウシクの間のウクライナ側の防御は、この軸で半年以上にわたって後衛戦を戦い、疲弊している精鋭の第47独立機械化旅団にかかっている。
2000人規模の第47機械化旅団は今年2月、米国から供与されたM1エイブラムス戦車全31両などとともに東部に転戦してきた。以後、兵力にまさるロシア軍部隊との長期にわたる過酷な戦闘で損害がかさんできている。
エイブラムスにはこれまでに14両の損害を出し、損傷が確認されている車両もすべて修復不可能だとすれば現在は半数ほどに減っている可能性がある。同旅団は重量六十数t、乗員4人のエイブラムスに爆発反応装甲などを追加して防護を強化しているが、8月にも2両を失っている。(以下ソース)
9/2(月) 16:00配信
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