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米モデルナ社の日本法人モデルナ・ジャパンの長山和正社長がインタビューに応じ、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を活用した、新型コロナウイルスとインフルエンザの混合ワクチンの臨床試験について、今冬の開始を目指すことを明らかにした。順調に進めば、数年以内にも日本国内での実用化が期待できるという。日本でのワクチンの供給体制を強化するため、国内での生産拠点整備を進めていることも明らかにした。
混合ワクチンについて米モデルナは2023年10月、初期と中期の臨床試験で、安全性と効果を確認したと発表していた。これを受け、モデルナ・ジャパンは日本国内で最終の臨床試験を今冬から、数百例規模で実施したいとしている。結果がまとまれば、できるだけ早く承認申請を行う予定という。
長山氏は「1回の接種で幅広いウイルスに対応できるのは大きな利点になる。価格面も含め、予防接種を必要としている人がアクセスしやすい環境を整えていきたい」と述べた。
日本国内の生産拠点整備については、23年9月に国の事業に採択され、神奈川県内に設置することが決まっている。現在、詳細な内容を議論している状況で、新型コロナなど呼吸器疾患のワクチン製造を想定しているという。
長山氏は「既存のウイルスだけでなく、新たなパンデミック(世界的大流行)のリスクは常にある」とし、生産拠点の整備により、国内でワクチンを供給できる体制ができると強調した。
米モデルナは米メルク社と共同で、mRNA技術を活用した、がんの再発を予防する「がんワクチン」の開発も手がけている。中期の臨床試験では、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の患者で、治療薬に加えてワクチンを接種した群は、治療薬だけだった群に比べ、再発または死亡のリスクが44%減少した。
日本でも最終の臨床試験が行われていて、長山氏は「スピーディーに患者に合わせたmRNAを作って接種する個別化医療が強みだ。がん患者が抱える再発への不安を取り除くことにつながると考えている」と述べた。
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