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タクシーやバスなど客を運ぶ車の運転に必要な「2種免許」について、警察庁は外国語での試験を可能にすることを決めた。これまでは日本語でしか受験できずに外国人は合格が難しく、運転手不足に悩む業界団体から多言語化の要望が出ていた。警察庁は近く、各都道府県警に20言語に翻訳した問題例を配布する。
警察庁によると、運転免許試験は各都道府県警が問題を作成している。車の運転に必要な「1種免許」の学科試験は現在、20言語に対応する。2009年に警察庁が英語の例題を作って各警察に配布し、言語が徐々に追加されて昨年にウクライナ語も加わった。
一方で、2種免許の試験問題は日本語でしか受けることができない。試験では、1種免許でも出題される速度などの交通ルールに加え、客の安全確保といった旅客自動車の運転に関する問題も出される。
■2種免許、外国籍の人は1%未満
運転技能などに問題のない外国人でも、日本語での問題文の読解に苦労し、不合格となる人もいる。普通2種と大型2種の免許を持つ人は昨年末時点で全国に88万536人いるが、うち外国籍の人は5189人で、1%にも満たない。
警察庁は2種免許でも、1種免許と同じ20言語に翻訳した問題例を作成し、今年度内に各都道府県警へ配布する。20言語には英語、中国語のほか、アジアを中心に各地の言葉が含まれる。各警察は、管内の外国人の居住状況に合わせて外国語の問題を作る。
また警察庁は、2種免許取得に必要な教習期間を短縮するため、1日あたりの技能教習の上限時間を増やす方向で検討している。今後、上限時間の増加にともなう疲労度の変化などを調査し、来年度からの導入を目指すという。
国土交通省は、外国人労働者の受け入れを認める在留資格「特定技能」の対象に、「自動車運送業」を加える方向で検討している。
一方で、タクシーなどの外国人運転手について、日本の地理の把握や、客とのコミュニケーションの面で課題を指摘する声はある。(板倉大地)
【2種免許の試験で対応が可能になる言語】
英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、ネパール語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ロシア語、アラビア語、ウルドゥー語、シンハラ語、ヒンディー語、ウクライナ語
(*言語は1種免許で警察庁が例題を作成した順番)
朝日新聞 2023年12月24日 18時00分
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