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全国で水道料金の値上げが相次いでいます。「しれっと上げやがって」。20%値上げした宮城県石巻市では水道代値上げに住民から怒りの声が上がっています。「破裂する水道管」に「人口減少」…こうした課題にどう向き合えばいいのでしょうか。
■水道代値上げ相次ぐ 背景に“老朽化”
9月、大阪府箕面市で水道管の破裂事故が起きました。この破裂は“水道管の老朽化”によるものです。老朽化した水道管の入れ替え作業のコストが膨大なため、料金も値上げしなければならない事態になっています。
全国で目立つ水道料金の値上げですが、例えば、静岡県御前崎市は45.6%↑(2029年度までに)、福岡県飯塚市は35%↑(2022年)、宮城県石巻市と東松島市は20%↑(2023年4月)など、3年で150の自治体が値上げに踏み切っています。
(中略)
■「先送りできない」水道管の老朽化
しかし、水道料金が値上げされたのには、やむを得ない事情があります。
その大きな要因の1つが“老朽化”です。
石巻地方広域水道企業団の担当者
「もともとの既設の管は昭和48年(1973年)に敷設された管になります。50年近くなることになります」
水道管の法定耐用年数は“40年”。新たな管に交換する工事が行われていました。多くの水道管が高度経済成長期に作られたため、各地で一気に耐用年数を超えているのです。
問題は更新費用です。
老朽化した水道管は石巻市と隣の東松島市の2つの市だけでも約600km。1000億円近い膨大な費用がかかります。
さらに、浄水場も老朽化。
地域の水道を運営する企業団は、今後40年間で1543億円もの巨額の財源が必要だと試算。
石巻地方広域水道企業団 佐藤義浩事務局長
「先送りにはできない。すぐにでも着手していかなければならない。そのために料金の値上げも検討しなければならない」
こうした老朽化は深刻な事態をもたらします。
2021年、和歌山市で崩落した水を送るための橋。13万8000人が1週間水の出ない生活を強いられたこの事故も、老朽化が原因でした。
老朽化による水道管破裂は、日本全国で年間2万件以上起きているといいます。
20年後までに水道料金の値上げが必要な自治体は94%に上ると予測されていて、安くて安全な水道は今後どうなるのでしょうか?
■水道の収入、なぜ減っている?
23ジャーナリスト 片山薫記者:
水道管破裂は年間2万件あり、多くが老朽化によるものだと言われてます。
藤森祥平キャスター:
2023年8月に(アメリカの)マンハッタンにあるタイムズスクエアの駅の辺りで水道管が破裂して、127年間使っていた水道管が破裂しました。
ただ、周りの人も「こういうことよくあるよね」とさらっと流しちゃう、日本とは違う背景がありますが、何かがあったら大変です。
片山記者:
老朽化以外に深刻なのが、水道収入が減っているという問題があります。
<水道収入が減っている理由>
【その1】人口の減少
その理由の1つは人口減少です。人口が減れば水を使う人が少なくなる。水道事業者にとっては水が売れなくなるので、結構深刻です。
【その2】節水技術の進化
さらに拍車をかけているのが節水技術の進化です。
例えば…
▼トイレ:30年前は1回流すと13リットル→現在は3.8リットル(TOTOより)
▼洗濯機:縦型(12kg)約150リットル→ドラム式だと約83リットル(日本電機工業会調べ 2021年7月現在)
▼洗い物:手洗い 約88リットル→食洗機 約7.5リットル(Panasonicより)
大幅に水の量が減るので、自治体の事業者にとっては収入減となります。
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