23/09/03 17:41:10.05 imGrpkjh9.net
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■学習の臨界期をリセットか、「体に本来備わっている治癒能力を大いに利用し、強力に促す」
近年、支援が受けられる管理された環境下で使用した場合、
幻覚剤は重度のうつ、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを改善することが、臨床試験やさまざまな研究からわかってきた。
現在は多くの科学者たちが、脳への物理的な損傷のほか、脳の神経経路が原因で引き起こされるその他の病気に対しても、
幻覚剤が効果を発揮するのかどうかを探っている。
こうした研究は、脳卒中や外傷性脳損傷(TBI)、さらにはアルツハイマー病やパーキンソン病を含む脳疾患の治療にも影響を及ぼす可能性がある。
幻覚剤とは、意識を変容させる物質のことを指し、たとえばリゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、シロシビン(いわゆるマジックマッシュルームに含まれる)、
メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA、またはエクスタシー)、ジメチルトリプタミン(DMT)、アヤワスカ(南米の特定の植物に由来する)などがそれにあたる。
脳にどのように作用するかは、それぞれの薬剤によって少しずつ異なる。
幻覚剤が脳損傷にどう影響するかについて、これまでの研究の大半(試験管や実験動物で行われたものが多く、ヒトを対象としたものは小規模で数も少ない)は、
幻覚剤を使って、脳が損傷を負った後のダメージを軽減すること、傷ついたニューロン(神経細胞)に代わる新しいニューロンの誕生を促すこと、
脳を新しいスキルを習得できる状態にすることに焦点をあてている。
たとえば2023年6月14日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された研究では、幻覚剤を投与された実験動物が、
これまでは幼い頃にしか学ぶことができないと考えられていたスキルを、おとなでも身につけられたことが示されている。
「幻覚剤が、学習の臨界期を再開させるマスターキーであることを発見できたのは幸運でした。科学者はこれを長い間探し求めてきたのです」
と、米ジョンズ・ホプキンス大学医学部の神経科学准教授で、同論文の著者の一人であるギュル・ドレン氏は言う。
脳損傷には通常、効果的な治療法が乏しいため、幻覚剤はとりわけ役立つ可能性があると、米シアトルで統合的リハビリテーションに取り組む
医師のスニル・アガーワル氏は言う。
「まだごく初期の段階ではありますが、この分野は今、大いに盛り上がっています。幻覚剤が患者にとってほんとうに役立つ治療法になることを示唆する
興味深い研究がたくさんあります」
■傷ついた脳の学習能力を拡大する
人間の脳は、特定のスキルを特定の発達段階までに学習するようになっている。
その期間は「臨界期」と言われ、たとえば言語学習の臨界期は、10代を過ぎると終わってしまうと考えられている。
しかし、先に挙げた「ネイチャー」の論文によると、幻覚剤を投与された成体のマウスは、通常は幼少期にのみ獲得される特定の社会的スキルを学んだ。
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