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現代ビジネス 7/20(木) 8:03
無職の中年世代の人口がなかなか減らない日本。
厚生労働省の「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」 によると、2022年の非労働力人口(就業意思のない者、ニートも含む)は4,128万人。45歳~64歳のいわゆる中高年世代に絞ると、その数は524万人(2022年)に上る。
職業訓練校や、就労関連の相談窓口など、現場に立つ人間としては、かなり膨大な数に思える。
中年世代の無職は、今や珍しいことではなくなったものの、親の高齢化に伴い将来に不安を抱え、キャリアカウンセリングを受けるケースが多くなってきている。
今回は、キャリアコンサルタントとして、無職の中高年のカウンセリングも行う筆者の元へ、相談に来た「無職歴28年の50歳男性」の事例を紹介する。
相談者は無職歴28年の50歳男性
待ち合わせ場所に現れたのは、インパクトの強いドクロのロゴマークが特徴的な服装に身を包んだ中年の男性、佐藤啓介さん(50歳、仮名[以下同])だった。
「30年近くニートやってたんですけど、先月父親が死んで……。母親もいつか死ぬんだなと気づいたら、自分の老後が心配になったんですよね」
話を聞いてみると、無職歴は28年。大学を卒業後に一般企業に就職するも、協調性欠如を理由に数ヵ月で解雇。同僚や上司たちの話は聞かず、会議や取引先との打ち合わせによく遅刻していたという。
それから現在に至るまで両親の元で暮らしていた。
親が定年退職した後も、その年金で一緒に生活していたという。父親が逝去したことで、「親はいずれいなくなる」という事実に気が付いたと佐藤さんは話す。
「安定を目指すなら正社員じゃないですか。だから、できればどこかの会社に正規社員として入社したいんですよね。自分は、コミュニケーション能力はあると思うので、それさえ分かってもらえれば、どこの企業にも受け入れてもらえそうな気がするんですけど」
佐藤さんとのカウンセリングを通し、筆者が気づいたのは、年齢やその風貌にそぐわない、話している内容の幼稚さだった。
自分の置かれている状況を冷静に判断できていなかった。
社会人としての経験がほとんどないまま中年を迎えた佐藤さんは、精神年齢が20代前半でストップしてしまっていると感じた。言動や服装などから、その様子は十分見て取れる。佐藤さん自身、「正社員に就きたい」という希望が強かったこともあり、筆者はまずは職業訓練の道を提案。社会人としての基礎や能力、基本的なマナー等を身につけることが先決だと判断した。
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★1:2023/07/20(木) 10:18
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