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みんかぶ2023.05.25 (2023.05.26公開)
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出版社が苦境に立たされている。元経済誌プレジデント編集長で『週刊誌がなくなる日』の著者である小倉健一氏が、各社の内情を語る―。
出版流通はもはや既存構造では事業が成立しない。市場の縮小に、トラック運転手の労働時間規制を強化する『2024年問題』が重なり、本を運ぶ費用を賄えない」(日経新聞5月24日)―こう話すのは、出版取次大手トーハンの近藤敏貴社長だ。トーハンは、2023年3月期の出版流通事業が4期連続で経常赤字になることが見込まれていて、出版各社に書籍や雑誌の運搬費の値上げを相談するという。
物流業界で、今、大きな問題となっているのが「2024年問題」だ。ブラック化しているトラックドライバーの労働環境の改善のため、来年(2024年)4月から、時間外労働の上限が年間960時間に規制され、月60時間以上の残業をした場合、割増賃金率がアップすることになる。
国土交通省「トラック運送業の現状等について」によれば、トラックドライバーは、全職業平均と比較して、労働時間が約1?2割長く、年間賃金は1?3割低い状況にある。
物流の労働環境改善が何をもたらすかといえば、運べる荷物の減少と、運賃の高騰にほかならない。書籍の運搬費用は、これまで「聖域」とされ、出版取次が割安価格で提供していた。�