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立憲民主党の石川大我参院議員が支援し、東京出入国在留管理局から仮放免を許可された40代のスリランカ人男性が、過去に「強制わいせつ致傷罪」と「強姦致傷罪」で2度、有罪判決を受けていたことがデイリー新潮の取材でわかった。男性は2度の服役後、東京入管に収容。体調不良を訴え続け、2022年4月に仮放免されてからは関東地方で暮らしている。これまでに男性は3度、難民認定申請をして強制送還を免れていた。石川氏は、男性のおぞましき“過去”を知りながら支援してきたのか。
梅村議員の憶測発言で大紛糾した法務委員会
入管施設での長期収容問題の解消などを目的とした入管難民法改正案は、5月9日、衆議院本会議で可決され、現在、参議院法務委員会で審議中である。
不法残留などで強制退去処分となっても送還を拒む収容者は昨年末時点で4233人に上り、入管当局は長期収容者の増加に頭を悩ませてきた。現行法では難民認定申請中は申請回数に限らず送還が停止となるが、法改正後は3回目以降の申請者や3年以上の実刑判決を受けた外国人は原則送還となる。改正案に自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党 は賛成しているが、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党など は「国際基準から逸脱している」などの理由で反対している。
16日には維新の梅村みずほ参院議員が、2021年に名古屋出入国在留管理局で病死したスリランカ国籍の女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)について、「ハンガー・ストライキによる体調不良で亡くなったのかもしれない」などと憶測で発言し、委員会は紛糾した。結局、維新は梅村氏を委員から更迭したが、攻勢を強める立民にも大きな問題がある。
参院法務委員としてまさにいま質疑に立っている同党の石川大我氏は、2度も性犯罪で有罪判決を受けた過去のある外国人を“野に放つ”よう支援してきたのである。
ネット上で集められた2万5000人の署名
その人物は、現在、東京入管から仮放免中のスリランカ国籍の男性X氏(40代)。石川氏は2021年10月から東京入管のX氏をたびたび訪問し、収容環境に問題があるとして早期に仮放免するよう当局に申し入れ、Twitter上で支援を訴えてきた。
《2回のコロナ感染で狭い部屋に閉じ込められ、足は手首ほどに痩せ細り、車椅子で面会に。食道炎がひどくなり、食べても吐く状況》(21年10月14日、石川氏のTwitterより。以下同)
X氏はこの投稿の1カ月後に仮放免されたが、11月25日に再収容。すると石川氏は、年明けの1月と2月に同僚の国会議員を伴って入管を再訪し、再度仮放免を与えるよう局長に申し入れた。《 入管側は硬くて食べられない“青いバナナ”を支給した件。→なんという嫌がらせ。人間のすることか…。真相解明を求めた》(22年3月30日)などと食事の改善を求めるツイートもしている。この後もX氏の体調不良の訴えは続き、22年4月に再び仮放免が許可され、そのまま現在も関東地方で暮らしている。
この間、石川氏の支援活動がきっかけでX氏の仮放免を求める署名活動もネット上で行われていた。ネット上に現在も残っている署名は2万5000人を超えているが、はたしてこのうちの何人がX氏の過去を知った上で賛同の意を示しただろうか。
強制わいせつ致傷で服役後に難民認定申請
「Xは2000年に90日間の短期ビザで来日、その後、不法在留のまま日本にとどまっていたが、強制わいせつ致傷事件を起こし05年に懲役4年の有罪判決を受けています」
こう明かすのは、X氏の実情を知る警察関係者だ。
「08年に府中刑務所を出所し、東京入管局に収容されたXは、そのまま強制送還される運命にありました。しかし、“ワザ”を使ってそれを回避するのです」
それこそが「難民認定申請」だ。X氏は08年に1度目の申請をしたものの却下。すぐに異議申し立てを行い、それも却下されると、10年に2度目の難民認定申請。再び却下されると、また異議を申し立てた。
難民認定申請した理由について、X氏を取り上げたジャーナリスト・志葉玲氏の記事にはこう書いてある。
《2000年に来日し、日本で結婚したが、その後、離婚したために在留資格を失ってしまった。また、母国スリランカ内戦では現在の政府と応戦していた勢力に属していたため、帰国すれば迫害される恐れがあるとして、難民認定申請を行った》
この“後出し”で訴え出した主張は怪しいものである。事実、入管も認定しなかった。
仮放免中に再び
以下略