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2023/4/13 15:06(最終更新 4/13 15:29)
インターネット上の匿名掲示板で「殺処分でいいやん」などと中傷され、精神的苦痛を受けたとして、重度の障害がある前橋市の男性が、東京都と愛知県の投稿者の男性2人に対してそれぞれ約196万円の損害賠償を求めて前橋地裁に提訴した。12日付。投稿者の2人は、東京地裁がプロバイダに対して発信者の情報を開示する命令を出し、特定されていた。
東京地裁、発信者情報の開示命令
原告の男性は、骨の成長に異常が生じる「脊椎(せきつい)骨端異形成症」患者の兵藤一晶さん(47)。
訴状などによると、兵藤さんは左手をわずかに動かせる程度で食事や入浴などの介護が必要で、2022年4月11日に前橋市に24時間体制の介護サービス提供を求めて行政訴訟を起こした。
提訴が報じられた同13日、ネットの匿名掲示板「5ちゃんねる」で、兵藤さんに対して東京都の男性は「殺処分でいいやん」、愛知県の男性は「生かしておく理由が無いなあ、一思いに殺してやれよ」と投稿。兵藤さんは、16年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件を想起し、自分の生存価値を否定する人がいるかもしれないと考え、日々の生活において恐怖を感じるようになったという。
原告側の下山順弁護士によると、書き込みを見た兵藤さんはやつれた様子で「そんなに僕に死んでほしいのか」と漏らしていたという。下山弁護士は「中傷を『許さない』と意思表示することが大事」として22年10月、プロバイダーに対して発信者の情報開示を求めて東京地裁に提訴。東京地裁は同年12月と23年3月の判決で「(原告の)人格的価値を否定するもので、社会通念上許容される限度を超える侮辱行為」と厳しく非難し、それぞれ開示命令を出した。
一方で、別の投稿で中傷したと告白し、電話で謝罪を申し出る人もいたという。
投稿主を名乗る男性数人と話した下山弁護士は「責任意識の希薄さを感じた」と語る。ある男性は「簡単な気持ちで書いてしまった」と震えた声で話し、別の男性は同じく謝罪したものの「どれを書いたか思い出せないけど、これだと思う」と具体的な投稿内容を忘れていたという。それぞれ示談に応じた。
下山弁護士はネット上の中傷被害について「匿名性があり、面と向かって言えないことも言えてしまう。謝罪を受けて『障害者が憎い』という考えは感じず、面白半分で言っていたと思った」と話す。また、相模原市の事件で殺人罪などで死刑が確定した植松聖死刑囚が「(障害者は)生産性がない」との思想を持っていたことに触れ、「自分の近しい人が障害者になっても同じことを言えるのか。優生思想がはびこると、少数の人の権利がないがしろにされてしまう。差別に毅然(きぜん)と対応することが重要だ」と訴える。
兵藤さんは今回の提訴について「障害者が権利を行使すると、生きる価値まで否定されるような社会であってはならないと思い、今回、特定できた加害者に対して裁判を起こした」と説明している。
ソース URLリンク(mainichi.jp)
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匿名掲示板「5ちゃんねる」に書き込まれた中傷=2023年4月13日
1が立った日時 4/13 15:35
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