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【ベンガルール（インド）時事】日米欧やロシア、中国など２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議は２４日、「グローバルサウス」と呼ばれるアジア、アフリカの途上国で深刻化した債務問題について討議した。国際金融市場の混乱や政情不安の芽を摘むため、債権国が債務減免に向けた国際合意を形成する枠組みづくりに力を入れる。だが、債権国として影響力を増す中国やインドと、これを警戒する先進国の思惑が交錯し、折り合いをつけられるか見通せない。
「多くの国の財政の健全性が持続不可能な債務水準によって脅かされている」。Ｇ２０議長国インドのモディ首相は２４日、討議開始に当たって寄せたビデオメッセージで、債務問題の解決に向けた協調を呼び掛けた。
ここ数年、新型コロナウイルス対策で途上国の財政支出は急拡大。先進国の大規模金融緩和によるカネ余りや、途上国への影響拡大を狙う中国の積極的な融資姿勢を背景に、債務が膨張した。
だが、ロシアのウクライナ侵攻によるインフレの加速で状況は一変した。欧米などの先進国は金融引き締めにかじを切り、途上国では資本流出が進んだ。国際通貨基金（ＩＭＦ）は低所得国の約１５％が過剰債務に陥り、４５％が過剰債務に陥る高いリスクを抱えていると指摘。さらに、「新興市場国でも約２５％の国々が高いリスクにさらされている」と警鐘を鳴らす。
Ｇ２０は２０２０年、低所得国の債務減免を促進する「共通枠組み」を導入。この枠組みの下、アフリカ中部のチャドが債務減免で初の合意に達した。ザンビアが債務再編に向けた協議を進めるほか、ガーナもこのほど減免を申請した。しかし、枠組みの適用対象は低所得国に限られる。Ｇ２０は、中所得国への対象拡大についても議論を進める。
ただ、低所得国の債務減免も簡単には進まない。主要な貸し手に浮上した中国は融資の規模や条件の開示に消極的だとされ、減免交渉の遅延を招いている。伝統的に債務削減交渉を主導してきた先進国主体の「パリクラブ（主要債権国会議）」を超える枠組みづくりは難航している。
時事通信 2023年02月25日07時11分
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