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だが、自民党と統一教会の「ズブズブ」の関係は、そんなレベルでは済まされない。「現代ビジネス」は、今回の問題の発端となった故・安倍晋三首相と統一教会の密接な関係を示す、決定的な証拠を入手した。
2014年3月3日、非公開のFacebook上で【がんばれ安倍さん! at 自民党会館 第二次安倍政権発足1年前】という文言とともに、下の写真を投稿したのは、大塚洪孝なる人物。この大塚氏は、日本の統一教会の会長を二度にわたって務めたトップ・大塚克己氏の長男であり、そして文鮮明氏の孫の夫でもある。この写真は洪孝氏と安倍元首相が写っている。
洪孝氏は、韓国の旧統一教会系の中学、高校に進学し。その後、帰国して早稲田大学に入学した。卒業後は日本を代表する名門商社を経て、2006年8月、統一教会の創設者である文鮮明氏の孫・文信淑氏と祝福結婚した「ロイヤルファミリー」の一員だ。その名は教団内でもつとに知られており、洪孝氏が信淑氏と結婚した翌日には、洪孝氏の父・克己氏が日本統一教会会長に異例の「再選」を果たしている。
洪孝氏が投稿したFacebookでは、2009年9月に文鮮明氏と韓国で船釣りに同行して魚を釣り上げた写真が、妻・信淑さんらと一緒にアップされている(下写真)。文鮮明氏は、統一教会では地上に再来したメシアと認識されている。洪孝氏が文鮮明一族、すなわち「ロイヤルファミリー」であることを明確に示す写真だ。
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旧統一教会の信者で、洪孝氏とともに韓国に留学した経験のある男性は言う。
「洪孝さんはお父さんが日本統一教会の会長というエリートですし、いずれは旧統一教会を背負って立つことは間違いない。なんといってもロイヤルファミリーの一員ですからね。文鮮明と魚釣りに同行し、写真をとるなんて、普通の信者ではありえない。
安倍元首相とのツーショット写真をSNSに投稿した件は仲間内でもよく知られていて、まさに旧統一教会と自身の力を見せつけるようなものでした。洪孝さんは嬉しそうに『安倍元首相と話してきた。教会のことを気にかけてくれていたんだ。自民党が政権に復帰し、安倍元首相が返り咲けば、もっと教会と自民党の関係は深くなり、選挙など支援に力が入る』と語っていました」
安倍氏のダンス動画まで
この洪孝氏は、Facebookの統一教会信者が参加するグループで、幾度となく安倍総理との「昵懇」ぶりを示す記述を行っている。そのうちの一つが前述した「がんばれ安倍さん! at 自民党会館 第二次安倍政権発足1年前」である。
前掲の写真には「元ネタ」がある。2011年12月2日、洪孝氏が「With ex-prime minisiter Abe.」と題して、安倍氏と共に写った集合写真を、トリミングのうえで再掲載したものと思われる。再登板を画策していた時期の安倍晋三総理を応援すべく、自民党本部で会っていたという意味であろう。統一教会の「ロイヤルファミリー」と安倍氏の密接な関係を示唆している。
このほかにも洪孝氏は、2015年10月2日、《let's get together .feel all right.by PM Abe》と、安倍元首相が女性と踊っている動画をシェアしているし、2014年5月4日にも《頑張れ安倍さん》などと応援メッセージを書いている。
また洪孝氏が関連しているとみられる統一教会関係者のFacebookグループには、今年夏の参議院選挙で統一教会の組織的応援で当選したとされる井上義行参議院議員についての記述もある。井上氏は、言わずと知れた安倍氏の元秘書官である。
今年6月24日、世界平和連合主催で「より良い社会の実現」「若者の政治参加への関心と行動」について考えるセッションと称して、井上議員を招いてトークセッションを開催したと書いている。
《井上先生は私たちと志をともにしている》《井上先生は安倍政権において総理大臣第一秘書官を務められ、家庭を中心とする私たちの考えに深く共感し、その内容をいかに実現していくかを真剣に考えておられる》といった記述があった。
「井上先生が食口(シック:信者の意味)だと多くの信者が信じている」(統一教会の現役信者)ことを裏付けるような書き込みだ。
安倍元首相は2021年9月、旧統一教会の関連団体「天宙平和連合」の会合にビデオメッセージを送っていた。それが安倍元首相銃撃事件、山上徹也容疑者の犯行の引き金の一つになったとされている。本人も秘書も、統一教会との関係がいかに深かったかは、今回の記述から裏付けられる。
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