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コロナとポックス、両者を結びつけるエイズとPCR検査
2022.8.4(木)
伊東 乾
今回の稿でもグローバル疫学対策の観点から「新型コロナ」と「サル痘」の共通項を考えてみます。
本稿執筆時点で2例が「確認」(URLリンク(www.asahi.com))されており、各々別の感染ルートであったとされます。
しかし、報道は軒並み、「動物からの感染が主」「人から人への感染は稀とされるが」「性交渉が関係?」など、要領を得ません。
情報を発信する側も、それを取材するマスコミも、中身を分からず文字を並べるからこういうことになります。
それでは報道としての意味がありまませんし、まともな防疫にも役立ちません。ということで、東京大学ゲノムAI生命倫理研究コアのスタンダードに則り、基礎から確認していきましょう。
第1は、その「検査法」です。
新しい病気ですから、本当に「ソレだ」と確認するには方法が必要です。共通の方法として「PCR」検査が挙げられます。
サル痘を「この患者は、まさしくサル痘である」と診断するには、適切なPCR検査によって、その病原体が「サル痘ウイルス」であることを確認する必要があります。
サル痘の「2重膜構造」を知る
サル痘の病原体は「天然痘ウイルス」と親戚である「サル痘ウイルス」で「オルソ・ポックスウイルス」(URLリンク(www.niid.go.jp))と分類される「DNAウイルス」であり、新型コロナウイルスのような「RNAウイルス」とは異なります。
新型コロナは、直径約100ナノメートル、つまり0.1ミクロンほどのトゲトゲの生えた形をしています。
自分自身のRNAを私たちの細胞内に注入、細胞内の再生産工場を占拠して爆発的に部品を増加させたのち、私たちの細胞の材料を新たな外皮として出芽して増えます。
これに対して、ポックスウイルスは1辺が300ナノメートル程度、つまりコロナより長さで3倍、体積だとその3乗ですから数十倍の大きさになります。
形は巨大な煉瓦状、ブロック型のウイルスで、感染した私たちの細胞内でまず「細胞内成熟ウイルス」が増えていきます。
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
次にこの「細胞内成熟ウイルス」が、私たち…
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)