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■続々と襲いかかる変異株
そのうえ、新型コロナウイルスは予想以上にすばやく遺伝子の変異を獲得し、進化を遂げた。
コロナウイルスでは通常、インフルエンザウイルスやHIVなどのほかのRNAウイルスに比べて、遺伝子の変異が起こるスピードが遅い。
SARS-CoVとSARS-CoV-2で遺伝子を構成する塩基が置き換わる割合は毎月ほぼ2カ所程度で、
インフルエンザウイルスの半分から6分の1程度にあたる。
その原因は、コロナウイルスには、ウイルスの遺伝物質が複製される際に生じるエラーを修正する「校正タンパク質」があるためだ。
「だからこそ、われわれは新型コロナウイルスがそれほど速く進化することはないと考えたのです」と、
米ケンブリッジ大学の臨床微生物学者ラビンドラ・グプタ氏は言う。
ところがこのウイルスは、グプタ氏らが間違っていたことをすぐに証明してみせた。
(中略)
「こうしていくつもの変異が一気に起こると、パンデミックが非常に予測しにくくなります」と、
英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン遺伝学研究所の計算生物学者フランソワ・バロー氏は言う。
■ただの呼吸器系ウイルスではなかった
パンデミックの初期、医療関係者たちが気づいたのは、このウイルスが単に肺炎のような症状を引き起こすだけではないということだった。
一部の入院患者には、心臓障害、血栓、神経学的合併症、腎臓や肝臓の障害などが見られた。
最初の数カ月間で蓄積された研究は、ひとつの理由を示唆していた。
新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する部位のACE2受容体と呼ばれるタンパク質が、
いくつもの臓器や組織に存在するため、呼吸器以外にも感染していたのだ。また、血管の細胞や腎臓の細胞にもウイルスやその一部が、
さらには脳の細胞にも少量のウイルスが見られたとの報告もあった。
「わたしは数多くのパンデミックを研究してきましたが、そのほぼすべてにおいて、脳をみればそこにウイルスが見つかります」と、
米国立衛生研究所の神経免疫学者アビンドラ・ナス氏は言う。
たとえば、新型コロナウイルス感染症の入院患者および死亡患者41人の脳の剖検組織からは、低レベルのウイルスが検出されている。
死滅した神経細胞や傷ついた血管など、明らかな損傷の兆候も見られた。
「これがいちばんの驚きでした」とナス氏は言う。
おそらくはウイルスが引き金となって、体の免疫系がサイトカインストームと呼ばれる過度に活発な状態となり、
それがさまざまな臓器や組織に炎症と損傷を引き起こすものと思われる。
異常な免疫反応が感染後も収まらずに、慢性疲労、動悸、霧がかかったように頭がぼんやりとする
「ブレインフォグ」などの症状が長く続く場合もある。
学術サイト「Nature Portfolio」に2021年12月20日付けで発表され、現在査読を受けている研究では、
患者が新型コロナウイルス感染症を発症後に、ウイルスは最大で230日間体や脳の中に残り続けることが示されている。
スーザン・レバイン氏はニューヨークの感染症専門医で、コロナ後遺症と重なるところもある慢性疲労症候群の治療と診断を専門としていた。
レバイン氏は現在、毎週200人を診察しているが、その数はパンデミック前には60人だった。それまでの慢性疲労症候群とは異なり、
コロナ後遺症は「猛烈な勢いで襲いかかる」と氏は述べている。
「まるで体の中で竜巻が起きているようなものです。週に60時間働いていた人が、感染から1週間で1日中ベッドにいるようになるのですから」
(中略)
「この先何が起こるかは、まだわかりません」とウォール氏は言う。「わたしたちには2年以上の経験と実績がありますが、
その知識を持ってしても、何が起こるかを予想するのは難しいのです」
URLリンク(news.yahoo.co.jp)