22/02/02 14:53:39.75 ztvDSypd9.net
感染者の激増と病床使用率の急上昇のため、さすがに危機感が広がっている新型コロナウイルスの第6波だが、
今回の主役となっている変異種オミクロン株は当初、感染力は強いが重症化しづらいという評判のために「大したことない」と感染予防を軽んじる人が続出してしまった。
ライターの森鷹久氏が、「オミクロン株なんて大したことない」と言いつつ感染した飲食店主の後悔と不安を聞いた。
「オミクロン株なんて、風邪と一緒だろう? マスコミが煽りすぎるからいけないんだ」
2021年末に訪れた東京都内の飲食店で、店の経営者である藤原哲さん(仮名・40代)は筆者にこう言い放った。
筆者が一応「マスコミ」側であることも承知した上での発言であることは明白で、当然居心地は悪かったが、
忌憚なき「マスコミ批判」は、藤原さんの本音であることもまた事実だった。
その後、オミクロン株の感染者が増え、都内では1日に1万人以上の感染者が出るなど過去最多を記録。
飲食店は、またもや「時短営業」などの制限を要請されるなどし、経営者らからは不満の声が相次いでいる。
そんな折、藤原さんからきた連絡は、筆者にとっても意外なものだった。藤原さん自身がオミクロン株に感染してしまい、
仕事を休むだけでなく、家族全員が感染し社会と完全に切り離された、そう落胆していたのだ。
「オミクロンは単なる風邪でしたか?」と、意地悪な質問をしてみたが、電話口の藤原さんは意気消沈といった感じで、言い返すこともできない様子だった。
「いや……確かにオミクロンは風邪というか、そんな生やさしいものではなく、インフルエンザに近い。
熱は39度まで上がり、咳も頭痛もひどい。倦怠感が抜けず、悪寒がするので布団から出られない」(藤原さん)
現時点で、藤原さんの感染ルートははっきりとしていない。いや、保健所に問い合わせても「今は感染ルートの追跡は行っていない」と言われるばかりで、
もし自身の濃厚接触者がいた場合は、藤原さん自身で連絡するよう指示されただけ。そのことに初めは憤慨していたというが、現実に起こったことに打ちひしがれていたと漏らす。
「コロナが風邪、というのは正直なところ今もそう思っているし、自分の症状はインフルエンザそのもので、やはりきつかった。
それ以上に大変だったのは、職場にも家族にも、そして子供達にも大きすぎる影響を与えてしまったことです」(藤原さん)
何よりも深刻だったのは、藤原さんの感染が発覚したことで、同居する家族が濃厚接触者と認定されたこと。
息子は今年中学3年生で高校受験を控えていたが、濃厚接触者ということで、私立高校の受験が予定通りにできなかったのだ。
「私立はあくまでも公立校の滑り止めでしたが、息子はかなりショックを受けていた様子です。
ちょうど、若い世代の感染者数が増えたことで、受験日は別に設定されたのですが、親父のせいだと思っているに違いありません。
息子の前でも『コロナなんか大したことない』と話していたのに、大したことになってしまった」(藤原さん)
受験資格を失ったのではなく救済措置があったのが救いだが、子供の進路に関わる重大事に発展してしまったのだから
「大したことない」などとは口が裂けても言えない。だが、自身の店で、客に向かって「コロナなんて気にしない」と豪語するのは気持ちがよかったし、客も大いに納得してくれていた。
万一感染したとしても、店は部下に任せれば事足りるし、ホテルなり実家に帰省し、一週間ほど休めば済むだけの話。
そう考えていたが、そこから家族を含めた身の回りの人々の事情についての思慮がスッポリ抜けていたのだと後悔する。
「結局、俺がコロナは大したことないと言い続けても、そういう人たちが大勢周りにいたとしても、実際に感染してしまえばどうしようもなくなる。
コロナは風邪、インフルと同じだとは思いますが、インフルであっても仕事や学校を休まざるを得ないし、感染しないよう注意するものですよ。
私自身、そのことを忘れていたに過ぎない。本当に申し訳ない」(藤原さん)
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