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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの初回接種を前に、接種後の副反応について心配した人は少なくないだろう。
しかし、そうした副反応に対する懸念を抱くことで、実際に副反応が現れやすくなるという研究結果が報告された。
米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJulia Haas氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に1月18日掲載された。
実際には薬効のない薬剤でも、「薬が効く」と信じることで本当に効果が現れることがある。
これをプラセボ効果という。これとは反対に、例えば薬や担当医に対する不信感があると、薬剤の効果が落ちてしまうことがある。
これをノセボ(ノシーボ)効果という。
Haas氏らは今回、システマティックレビューにより抽出したCOVID-19ワクチンに関する12件の臨床試験を対象にメタアナリシスを行い、
試験対象者における有害事象(AE)の発生率を調べた。
解析は、AEについて報告した4万5,380人〔プラセボ(生理的食塩水)接種群2万2,578人、COVID-19ワクチン接種群2万2,802人〕を対象に行われた。
その結果、プラセボ接種群では初回接種後に、35.2%が全身性AEを1つ以上、16.2%が注射部位の痛みなどの局所性AEを1つ以上訴えていたことが判明した
(ワクチン接種群ではそれぞれ、46.3%、66.7%)。
プラセボ接種群とワクチン接種群でのAE発生率の比から、ワクチン接種群での全身性AEの76.0%、局所性AEの24.3%はノセボ効果により生じたものと計算された。
2回目の接種後におけるプラセボ接種群でのAEの発生率は低めで、31.8%が全身性AEを1つ以上、11.8%が局所性AEを1つ以上報告していた
(ワクチン接種群ではそれぞれ、61.4%、72.8%)。
初回接種時と同様にワクチン接種群でのノセボ効果を計算したところ、全身性AEの51.8%、局所性AEの16.2%が同効果により生じたものと推定された。
プラセボ接種群が報告した全身症状で多かったのは、頭痛(初回19.3%、2回目16.2%)と倦怠感(初回16.7%、2回目14.9%)であった。
Haas氏は、「ランダム化比較試験では、プラセボ接種群に有害事象が生じることは珍しくない」と指摘する。
その上で同氏は、「COVID-19ワクチンの接種を世界規模で進めるにあたり、ワクチンの臨床試験の結果から
ノセボ効果による反応に関する情報を体系的に収集することは重要だ。とりわけ、ワクチン接種を躊躇する理由の一つは副反応に対する懸念なのだから」と話している。
研究論文の上席著者で、同医療センターのProgram in Placebo Studies and the Therapeutic Encounterのディレクターを務めるTed Kaptchuk氏は、
「頭痛や倦怠感といった非特異的な症状は、COVID-19ワクチン接種に関するリーフレットの多くに、接種後によく生じる症状として記載されている。
われわれは、これらの症状は特にノセボ効果として現れやすいことを突き止めた」と述べる。
同氏はさらに、「しかし、そうした情報の接種者への提供が裏目に出ることも考えられる。
例えば、日常的に感じることのある些細な違和感をワクチン接種によるものと曲解したり、不安や心配から有害事象に対する身体感覚が過敏になったりする可能性がある」と付け加えている。
Kaptchuk氏は、「医学とは信頼に基づくものだ。ワクチン接種後に、ノセボ効果により副反応が生じることもあると人々に知らせることで、
ワクチン接種に対する不安を減らし、それにより接種をためらう人の数を減らすことができるかもしれない」と話している。
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