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梅毒、熊本県内も急増 熊本市・ひらやまクリニックの甲斐院長「過去の病気ではない」
性行為でうつる梅毒の感染報告数が近年急増している。2021年は全国で7873人と過去最多となり、熊本県内は記録が残る06年以降で3番目に多い131人となっている。県感染症発生動向調査企画委員会で性感染症を担当する「ひらやまクリニック」(熊本市北区)の甲斐信幸院長(泌尿器科医)は「性風俗産業の従事・利用が主な原因であることは間違いない」との見方を示す。留意点などを聞いた。(川崎浩平)
-梅毒は過去の病気ではないのですか。
「決して過去の病気ではなく、全国では13年、県内では17年くらいから降って湧いたかのように増え始めた。男性は20~40代、女性は20代に多いようだ。男女とも異性間性交渉での感染が増加傾向にある」
-急増した原因は何でしょうか。
「東南アジアや東アジア、欧米では以前から一定数の報告が続いている性感染症の一つだ。新型コロナの流行以前に多かった訪日外国人客(インバウンド)から、日本の性風俗従事者を介して国内に広がったとの見方もあるが、日本性感染症学会は見解を明らかにしていない」
「梅毒患者を診断した医師は知事に発生届を提出することになっている。急増した原因の一端を把握するため、19年から、直近6カ月以内の性風俗産業への従事・利用歴の有無を尋ねる項目が加わった。うちの患者の7~8割は性風俗を利用して感染し、残りは恋人や友人など関係を持った相手からだった」
-症状、治療法を教えてください。
「原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触を通じてうつる。初期には感染部位にしこりや腫瘍ができたり、股の付け根のリンパ節が腫れたりする。3カ月以上たつと、手のひらや顔などにバラの花びらに似た赤い発疹が出る場合もある。こうした症状は痛みやかゆみを伴わず、治療せずとも消えるが、治ったわけではない」
「梅毒は抗菌薬を用いて治療すれば必ず治る。ただし感染後、潜伏期間が1カ月前後あり、この間に血液検査をしても陰性になってしまうので注意が必要だ。よく『昨日、風俗を利用して性器が赤くなった』と来院する男性もいるが、1カ月後に再検査するよう勧めている」
-啓発したいことはありますか。
「海外ではエイズ(後天性免疫不全症候群)を合併している事例も多い。現実的な予防策としては、望まない妊娠を防ぐという意味でもコンドームの着用しかない。症状に気付いたら早めの受診を。保健所が梅毒やエイズなど性感染症の無料匿名検査を受け付けており、心当たりのある人は性行為を控えて利用してほしい。自分の身は、最後は自分で守るしかない」
熊本日日新聞 | 2022年01月23日 12:34
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