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明治時代に全国で作られ、身分や犯罪歴に関わる記載があり現在は閲覧が禁止されている「壬申(じんしん)戸籍」の県関係分とみられる文書が昨年８月、インターネット競売サイト「ヤフオク！」に出品された問題で、出品者の男性が文書を「燃やした」と説明していることが１１日、部落解放同盟県連合会（長野市）への取材で分かった。
男性はその後、連絡が取れなくなっており、説明の真偽は不明。サイトの管理者を通じて回収に応じるよう協力を求めていた法務省長野地方法務局（長野市）による回収は事実上、困難になった。
部落解放同盟中央本部（東京）が昨年１１月、入手経緯を説明し、回収に応じるよう男性に求めるため連絡を取ったところ、男性は「友人から指摘されて燃やしてしまった」と話したという。その後は連絡が取れず、１１日に本紙記者がサイトに記載された男性の携帯電話にかけたが、つながらない状態。男性は昨年８月の電話取材の際は「人権問題に関わるような文書とは知らなかった」と話していた。
同連合会は同日、今後の対応や実態調査などを求める申し入れ書を同法務局に提出。同法務局戸籍課は取材に「個別の案件には答えられない」、法務省民事局民事第一課は「回収できていないことは把握している」とし、これまでもサイト管理者を通じて出品者に協力を求めてきており、今回も対応に問題はないとの認識を示した。
文書は現在の松本市に関する物とみられ、県や同市の要請を受け、サイトを運営するヤフー（東京）がページを削除した。
男性と連絡を取った部落解放同盟中央本部事務局の安田聡さん（６７）は「法務省は出品者と面会するなど踏み込んで対応してほしい」と話している。
信濃毎日新聞 2022/01/12 08:02
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