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■「役所に力が戻ってきた感じがする」省庁幹部の実感
一度決めた方針の撤回は、世論に配慮した“柔軟な対応”とも取れるが、政府内の調整機能が十分果たされていない証拠でもある。国交省も文科省も官邸に事前に伝えておらず、独断で行っていたようだ。官邸幹部の一人は、立て続けに起こった今回の事例に対し、「岸田内閣になって省庁側からの提案で物事を進めていく雰囲気になった。もう少し省庁との連携や目配せが必要だった」と反省を口にする。
一方で、ある省庁の幹部は、「安倍、菅時代の官邸一強と比べれば今は相対的に官邸の力が落ちている。我々からすれば役所に力が戻ってきたという感じだ」と話した。
■「状況の変化があれば躊躇なく対応する」開き直る総理に国民の支持は・・・
今回の事例を契機に岸田総理は至る所でこういう台詞を頻繁に使うようになった。
「一度決まった政府の方針であったとしても、状況の変化があれば、前例にとらわれず躊躇することなく、柔軟に対応する。これが私の基本的な方針だ」
繰り返される朝令暮改も「国民のために何が最善か考えた結果」だと胸を張る。開き直りともとれるが、こういえばなんとなく耳障りがいいのか、今のところ総理の方針はある程度評価されている。JNNが1月8日、9日に行った最新の世論調査でも岸田内閣の支持率は66.7%と政権発足後3か月連続で上昇している。
ただ度重なる方針転換によって振り回されるのは自治体であり、私たちであることは忘れてはならない。
■「政高党高があるべき姿」党に“気を遣わなければいけない”事情とは
霞が関(省庁)だけではなく、党との関係も岸田内閣になって変わってきた。安倍、菅政権では、意志決定において官邸主導の傾向が強く、党の力が相対的に低い「政高党低」だといわれた。
「政府と党は車の両輪だ。『政高党高』があるべき姿だ」
自身が出馬した昨年9月の総裁選を通じて、岸田総理は「政府と党は両方とも活力を持たなければならない。どちらが上の方がよいという話ではない」と主張してきた。総理に就任してから、弱体化した党の力を是正し、政策の「ボトムアップ型」を試みているように思う。人事でも副総裁に重鎮・麻生太郎氏を起用したことや、総理が就任後も頻繁に党本部に足を運ぶ姿からも感じ取れる。安倍・菅時代ではあまり見られなかった光景であり、総理が麻生副総理や茂木幹事長ら党幹部との意思疎通を重要視していることがわかる。
一方で、総理には彼らに気を遣わなければいけない事情もある。
総理が所属する岸田派(宏池会)は43人で党内第5派閥。つまり総理は決して党内基盤が盤石ではない。党内最大派閥・安倍派(94人)を率いる安倍元総理、第2派閥・麻生派(53人)を率いる麻生副総裁らの顔色を見ながら、政権運営をせざるを得ない。今後支持率が低下すればいつでも“岸田下ろし”が起き得る環境にある。岸田総理はできるだけ党内に敵を作らず、少しでも多くの“味方”を作っておきたいという事情がある。
そんな中、憶測を呼びそうな会合があった。
■くすぶる“大宏池会”構想・・・第5派閥の悲哀
1月5日夜、東京・帝国ホテルにある鉄板焼が有名なレストラン。岸田総理は、麻生副総裁、遠藤選対委員長と会食した。麻生氏が率いる麻生派(志公会)と、遠藤氏が所属する谷垣グループ(有隣会)はもともと、総理が率いる岸田派(宏池会)の流れをくむ。これらの勢力が再結集するのではないかという“大宏池会”構想がくすぶり続けている。
遠藤氏が麻生氏にこの夕食会を呼びかけた時、麻生氏は「この3人が飯食えば“大宏池会”って言われるんじゃないか」と応じ、「この3派が集まれば安倍派を越えて最大派閥になる」と盛り上がったという。
現在は麻生氏も遠藤氏も派閥の合流には消極的で、この構想は下火だ。
ただ岸田内閣の最初の人事をみると、鈴木財務大臣(麻生派)、中谷総理補佐官(谷垣G)、麻生副総理(麻生派)、遠藤選対委員長(谷垣G)と重要閣僚や党幹部に宏池会系の議員を据え、「これは大宏池会人事ではないか」とささやかれた。総理は派閥の合流にこだわっていないのかもしれないが、第5派閥の領袖として、同じ考えを共有する大きな塊が必要との認識は変わっていないはずだ。
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