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会員制交流サイト(SNS)で知り合った男性から精子提供を受け、子を出産した東京都内の30代の女性が、男性が国籍や学歴を偽ったことで精神的苦痛を受けたとして、約3億3000万円の損害賠償を求め27日、東京地裁に提訴した。SNSなどで個人間の精子取引が広がる中、代理人弁護士によると、実際のトラブルを巡る訴訟は全国初とみられる。
◆性交10回で妊娠出産も…子どもは児童福祉施設へ
訴状によると、女性は夫と、夫との間で10年以上前に生まれた第1子と3人暮らし。夫に難病の疑いがあることなどからSNS上で精子ドナーを探し、2019年3月、20代男性と連絡を取り合い始めた。
女性は、男性が京大卒の日本人で、妻や交際相手はいないと信じた上で、10回程度、性交による精子提供を受け同年6月に妊娠。その後、男性が本当は中国籍で別の国立大を卒業し、既婚者だったことが判明した。身ごもった子は出産したが、都内の児童福祉施設に預けているという。
◆規制なく…精子提供SNSアカウント急増中
女性側は、男性が性的な快楽を得るなどの目的で虚偽の情報を伝えていたとし、「望んでいた条件と合致しない相手との性交渉と、これに伴う妊娠、出産を強いられた」と主張。自らの子の父親となるべき男性を選択する自己決定権が侵害されたと訴えている。
第3者の精子や卵子で生まれた子はこれまでに推計1万人以上とされる。個人間の取引の規制がないまま、精子の提供をうたうSNSアカウントなどが急増している。(小嶋麻友美)
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