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山梨県のキャンプ場で2019年9月、行方不明になった成田市の小倉美咲さん(9)の母、とも子さん(38)を自身のブログで中傷したとして、名誉毀損(きそん)の罪に問われた野上幸雄被告(70)の判決公判が17日、千葉地裁であった。安永健次裁判長は「臆測に基づく文章を掲載し、正当化する余地はない」として、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
閉廷後、小倉美咲さんの母、とも子さんが報道陣の取材に応じた。「名誉毀損としては重い判決。判決内容に私の思いが届いて良かった」とする一方、判決で「反省の態度が見られない」と指摘された野上幸雄被告について「一番望んでいたのは、被告に自分の罪に気付いてもらうこと。私たちの思いが伝わっていないようで残念」と声を絞り出した。
「判決に納得いかないよ俺」「冗談じゃないよ」と声を荒らげながら法廷を後にした野上被告。とも子さんは「もしかしたら謝罪があるかもしれないと思い傍聴したが、最後まで罪を認めず、謝罪もなかった」と肩を落とした。
とも子さんは全公判を傍聴し、自らもビデオリンク方式を使って証言した。「美咲と家族を守るための裁判。私たちは毎日傷つき、苦しみながら生活している。そんな私たちの気持ちを踏みにじることをネットに書かれた」。ただ、被告の供述を聞くのが苦しく、時には吐きそうになることもあったと打ち明けた。
今回の事件に限らずネットでの誹謗(ひぼう)中傷は社会問題化している。「ネットでつぶやくのと、心の中や家でつぶやくのとは違う。多くの人に見られるネットに書き込む前に、受け取る相手にどう思われるか考えて」と訴えた。
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