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日大医学部付属病院を巡る事件で特捜部は、一連の資金流出と同時期に井ノ口、籔本両被告から田中英寿理事長(74)側に金が渡っていたことを把握。理事長の関与についても捜査を進めたが、今回の背任容疑では立件に至らなかった。田中理事長が流出の仕組みまで認識していたと立証するのは困難と判断したとみられる。
病院の設計と医療機器調達の契約を巡っては、資金流出先の籔本被告側から井ノ口被告側にも金が「還流」していたことが判明。一方、関係者によると、井ノ口被告は籔本被告と相談の上、一連の取引の「お礼」として、田中理事長夫妻に「数千万円を渡した」と供述したとされる。
◆任意の聴取で関与を全否定
特捜部は9月以降、田中理事長の自宅を2度、家宅捜索。計3回にわたって任意の事情聴取を行ったが、理事長は自身の関与を一貫して否定した。
関係者の話では、追起訴直前の今月13日、入院先の都内の病院で行われた3度目の聴取でも理事長は「医療機器の選定や不正に関与していない」「金は受け取っていない」などとする調書に署名したという。
背任罪は、自身や第三者の利益を図る目的で、任務に背いて損害を与えることが要件。「日大事業部」幹部で契約業務を主導した井ノ口被告と、トップとして大学を統括する田中理事長とでは任務は異なる。
◆日大側「ストーリーありきの捜査」と批判
検察幹部は「理事長側にお金が渡っているというだけでは背任罪の共犯に問えず、認識と故意を示す客観的な証拠が必要」と説明。別の検察幹部も「日大に損害を与えたり、金を流出させたりする仕組み自体を一緒に考え出し、指示していた程度の強い共謀関係がなければ立件は難しい」と話す。
日大本部の顧問弁護士は「子分は親分の指示で動いているという、検察のストーリーありきの捜査だ」と批判した。(奥村圭吾、三宅千智)
東京新聞 2021年11月16日 21時25分
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