21/11/14 09:45:36.03 OZXza8eE9.net
「元々私は“コロナは存在しない”、“ワクチンは人口を減らすためのもので必要ない”と信じていました。身の回りにコロナに感染したという人がいたら、
雇われた“工作員”だと考え『新型コロナのワクチンを打ったら、死んでしまうからワクチンは打たないほうがいい』と周囲の人を説得。
その結果、学生時代の友達をみんな失って――。わかった気になり偉そうに語っていた自分が、今では本当に恥ずかしいと思っています」
ZOOM越しでこう語る一人の女性。一見すると普通の女性だが、実はネットではちょっとした“有名人”。ピンクドルフィンというアカウント名で、
反ワクチンを唱える“陰謀論”からの目覚めの経緯を語ったツイートが4万回以上リツイートされ、話題を呼んだのだ。
なぜピンクドルフィンさんが陰謀論にのめりこんでしまったのか。そのきっかけは、彼女の幼少期にまで遡る。
「私の祖母が、医療ミスで亡くなったのが原因で、母が医療を信じていなかったんです。だから、母は私にワクチンを1本も打たず、
真っ白な母子手帳を自慢げに私に見せ“あなたはナチュラル”と褒めてくれました」
さらに、難病を患う父親が、新薬の副反応で苦しみ、ある臓器の機能を失ってしまう。そんな様子をそばで目撃したことも、ピンクドルフィンさんの医療に対する
不信感を募らせた。その後、大人になって結婚したピンクドルフィンさんは、自身の妊活をきっかけに、自ら非科学的な民間療法にのめり込むようになる。
「赤ちゃんがほしかったけれど、まだ若いし不妊治療には抵抗がありました。それで、食事療法で不妊を解消できるという先生を訪ねたんです」
彼女が頼った食事療法の先生は、医師免許はないものの、整体師の資格や健康に関する民間の資格はたくさんもっていたという。
「その先生は、不妊に悩む私に、1時間以上、なんで不妊になるのかと、医療の“本当のこと”を丁寧に教えてくれました。
日本の食事は農薬と添加物の含有量が世界一。そのせいで体に毒がたまって不妊になる。製薬会社や医療には利権が絡んでいて、
風邪を治す薬は絶対にできないし、ワクチンや薬は不妊や自閉症の子供が生まれる原因になる―。
今はデマだとわかるけれど、当時の私は、父のことを思い出して“やっぱりそうなんだ!”って信じ込んでいました」
陰謀論を客観的にみられるようになった今、当時のことをピンクドルフィンさんはこう振り返る。
「不安が強い人や医療を信じていない人は周りを守るという大義名分のために、頑張ってしまうのだと思います。
でも、そんなことは現実の世界では誰も相手にしてくれません。だから、ネット上の仲間の存在に依存してしまうんです。
過激なことを言えばより仲間意識も強まるから、思想もどんどん極端になっていきました」
陰謀論を信じていたことで失ったことも多い。
「今も“あんなにコロナ信じてなかったのに”と、馬鹿にされることがあります。学生時代のかけがえのない友人に嫌な思いをさせて、
自ら縁を切ってしまったことは、悔やんでも悔やみきれません。でもそれはやってしまったことですから、しょうがない」
しかし、陰謀論から抜け出してからは、現実の世界で新たな友人関係にも恵まれたという。
コロナの話をしないでつき合えば、普通に遊びにも誘われる。その事実が、とても嬉しかった。
「陰謀論を信じている人は、自分の論理と違うことは全て“工作員”だと思ってしまうので、洗脳を解くのは本当に難しい。
でも、だからこそ私の一連のツイートを読んだ陰謀論者から、“敵ながらあっぱれ”と、リプライがきたときには“届いてはいるんだ”と前向きになれました」
現在は、アカウントを削除したピンクドルフィンさん。彼女の最後のツイートには、ワクチンの2回目接種を無事終えたことや、
彼女の一連のツイートを読んだことで陰謀論から目を覚ますことができた人が、少なからずいたことが報告されている。
陰謀論にはまってしまった人が、そこから抜け出して自分や周囲の人を守るきっかけに少しでもなれば―。
反ワクチンを広めていた時よりも強い思いが、彼女の投稿にはこめられていた。
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