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7月4日に行われた東京都議選。世田谷選挙区(定数8)で、8位で初当選を果たした自民党の土屋美和都議(43)に、学歴や居住地を巡る詐称疑惑があることが「週刊文春」の取材で分かった。
自民党関係者が語る。
「土屋氏は2019年の神奈川県議選に出馬し、菅義偉首相と関係を深めた。都議選候補の選考面接では『総理とメル友です』とも豪語していた」
今回の都議選中は菅事務所の秘書や菅首相に近い横浜市議、神奈川県議が選対の中心となり、「まるで菅事務所」(選対関係者)。選対にいた菅首相の元秘書・遊佐大輔横浜市議が語る。
「自分は街頭に何回か行きました。土屋さんと深く話し込んだわけではないですが、なんだか経歴を見ると華やかな方ですよね」
確かに経歴は煌びやかだ。中でも目を引くのが〈ニューヨーク大学経営大学院修了〉。選挙前は自身のホームページやパンフレットなどでこう謳っていた。「スターン・スクール」の通称で知られるニューヨーク大学経営大学院は世界屈指の名門ビジネススクールだ。土屋氏は都庁記者クラブの調査票にも2009年に同大学院を修了したと記載。当選後も新聞などでそう書かれている。だが土屋氏の学歴については不可解な動きがあった。
「告示前のチラシにはそう書いてあるのに、選挙公報では聖心女子大卒になった。自身のホームページにも選挙前は明記していたのに、現在は削除されている」(前出・自民党関係者)
修士号をなぜ隠すのか。「週刊文春」がニューヨーク大学大学院に学歴照会を依頼すると、こんな回答が返ってきた。
〈ご照会の名前と生年月日の人物は、ニューヨーク大経営大学院で学位をとったり、授業を受けていたりした記録はない。ニューヨーク大学の別の学部の、卒業単位に含まれない授業を2007年に受講していました〉
もう一つ、居住地を巡る疑惑もある。
「土屋氏は親と杉並区の実家で同居していました。世田谷選挙区から都議選に出るぶんには、杉並区在住でも構わないのですが、自民党の世田谷からの候補者を選ぶ公募の条件が世田谷区内在住でした。そこで、土屋氏の母親が世田谷区の知人に懇願し、土屋氏の住民票を世田谷区内の知人宅に置かせてもらったのです」(事情を知る関係者)
事実、土屋氏は11月に住民票を世田谷区内に移しており、都議選でも選挙管理委員会に「現住所」として届け出た。だが、地元関係者がこう語る。
「その後も土屋さんが知人宅に転居することはありませんでした。選挙期間中も近隣住民がその姿を見ることはなかった」
土屋氏の現住所であるマンションの一室の登記を確認すると、所有者は別人夫婦。間取りは2LDK。大人3人で住むには、いささか手狭である。所有者を訪ねたが、「個人情報」を理由に取材に応じなかった。
東京都の選管に一連の疑惑について聞いた。
「公選法235条は当選のために虚偽の経歴を公にした場合の罰則を規定しています。過去には選挙公報に虚偽事項を書いて当選無効となった事例がある。公報以外に自身のホームページやビラも対象になる可能性があります。また虚偽の住所を届け出た場合、公選法238条2の立候補に関する虚偽宣誓罪に該当する恐れがあり、場合によっては当選無効もありえます」
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7/14(水) 16:12 文春オンライン
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