21/05/30 23:09:54.45 oHbEYV/U9.net
「人生、辛いことばかり。そもそも生まれてこなければよかった」。そんなことを考えたことのある人は、決して少なくはないのではないだろうか。
今、その思考を突き詰めたかのような「反出生主義」が静かな広がりを見せている。「反出生主義」とは何なのか。そしてその考え方を支持する人の動機はー。
■「非常に明快で、否定するのが難しい論理」…苦痛回避論
早稲田大学の森岡正博教授(哲学)は「“全ての人間は生まれてこない方が良かった”、そして“全ての人間は子どもを産むべきではない”という考え方が合わさったものが、最もコアな反出生主義の思想だと言えると思う」と説明する。
「そして、ほとんどの反出生主義者は“説得ベース”で全員を納得させ、段階的に、そしてある意味で幸せに人類を絶滅させていき、それによって全てが解決するという考え方だ。ここで大事なのは、一旦生まれた人に対して死んだ方がいいなどという考え方ではないこと、“私は生まれて来ない方がよかった”“私は子どもを産むべきではない”というだけの考え方ではないということだ。
こうした考え方が共感を呼んでいる理由には、“苦痛回避論”があると思う。生きていれば苦痛を感じる。逆に言えば、生まれてこなければ苦痛を感じることもない。だとしたら全ての人にとって生まれてこないのが一番いいに決まっているという、非常に明快で、否定するのが難しい論理だ。これに対し、“でも、人生には苦しいこともあるが、楽しいことや喜びもあるじゃないか”という反論を誰もが思いつくだろう。反出生主義はそこに二つの回答を用意している。
まず、楽しいことがたくさんあったとしても、苦しみが一つでもあったら意味がないのではないか、という回答だ。“快苦の非対称性”と呼ばれているが、楽しみが何かの苦しみによって一瞬にして無意味になったという経験は誰にでもあると思う。ここから、“生まれる前の楽しみも苦しみもない無の状態の方が100%いいに決まっている”という論理が出てくる。
次に、幸福な人生を送る人がたくさんいる一方、地球のどこかに必ず不幸な人生を送る人が少なからずいるはずだという、“ロシアンルーレット論”と呼ばれる回答だ。人間がすることに少々の犠牲は付き物だ、と思われるかもしれないが、こんなにひどい絶望を味わっているのは生まれてきたせいだ、という人からすれば、とんでもない話だ。その意味で出産は一定の犠牲者を作り出すシステムだということになるし、だからこそ全ての人は出産すべきでないという強力な論理が出てくる」。
■「苦しみが存在しない世界を作るのは、むしろ良いことでは」
ごく一般的な家庭に生まれ育ち、特に“生きづらさ”も感じていないという大学生のむちさん(仮名、20)は、「これまで培ってきた英知が人類の滅亡によってパアになるのは虚しいが、まだ生まれてきていない人たちが不幸になる可能性がゼロになることの方がメリットは大きい」と主張する、いわば“反出生主義者”の一人だという。
「“子どもが欲しい”というのは、根本には“親のエゴ”があると思う。そして、まだ生まれてきてない子どもの視点に立てば、不幸になる可能性をどこまで考えてるの?と。“絶対に幸せにしてやる”と親が思っていたとしても、病気に罹ったり、不慮の事故に遭ったりする可能性もある。今のコロナ禍を見ていても、不幸に巻き込まれる可能性が実際にあることは理解できると思う。例えば子どもが性被害やDV被害に遭い、それに伴うPTSDに罹った場合、親も社会も責任なんて取れない。
すでに生まれた人が生きていく意味や苦痛を乗り越える方法を考えたり、人生を肯定していったりすることは大切だと思っている。ただ、そもそもそういう苦痛が生じさせないというのが、反出生のいいところ。“それじゃあ幸せも生まれない”って言われるかもしれないが、主体が幸せか不幸せかを認識しない状態であれば、別に問題にはならないのではないか。環境破壊や核戦争のような不幸を伴う人類滅亡よりも、人口減少に伴う人類滅亡ならそれほど苦痛を伴わないわけだし、そのようにして苦痛の犠牲者が存在しない世界になっていくのは、むしろ良いことではないか」。
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