21/05/30 14:20:36.22 oHbEYV/U9.net
「人生、辛いことばかり。そもそも生まれてこなければよかった」。そんなことを考えたことのある人は、決して少なくはないのではないだろうか。
今、その思考を突き詰めたかのような「反出生主義」が静かな広がりを見せている。「反出生主義」とは何なのか。そしてその考え方を支持する人の動機はー。
■「非常に明快で、否定するのが難しい論理」…苦痛回避論
早稲田大学の森岡正博教授(哲学)は「“全ての人間は生まれてこない方が良かった”、そして“全ての人間は子どもを産むべきではない”という考え方が合わさったものが、最もコアな反出生主義の思想だと言えると思う」と説明する。
「そして、ほとんどの反出生主義者は“説得ベース”で全員を納得させ、段階的に、そしてある意味で幸せに人類を絶滅させていき、それによって全てが解決するという考え方だ。ここで大事なのは、一旦生まれた人に対して死んだ方がいいなどという考え方ではないこと、“私は生まれて来ない方がよかった”“私は子どもを産むべきではない”というだけの考え方ではないということだ。
こうした考え方が共感を呼んでいる理由には、“苦痛回避論”があると思う。生きていれば苦痛を感じる。逆に言えば、生まれてこなければ苦痛を感じることもない。だとしたら全ての人にとって生まれてこないのが一番いいに決まっているという、非常に明快で、否定するのが難しい論理だ。これに対し、“でも、人生には苦しいこともあるが、楽しいことや喜びもあるじゃないか”という反論を誰もが思いつくだろう。反出生主義はそこに二つの回答を用意している。
まず、楽しいことがたくさんあったとしても、苦しみが一つでもあったら意味がないのではないか、という回答だ。“快苦の非対