21/04/12 21:52:45.44 SF37ryoN9.net
※統一まで100年
日本の生産性が先進国の中で低いということは知られるようになった。生産性が低いということは実質所得が低いということであり、貧しいことである。
世界で広く使われている豊かさの指標は一人当たり実質購買力平価GDPである。日本は、この豊かさの指標で、韓国よりも貧しくなった。
まず事実を確認し、なぜそうなってしまったのかを考える。日本が遅れた理由として、多くの人が主張する、「日本はキャッチアップを終えて先進国になったのだから、もはやキャッチアップ型の成長はできない。これからの成長を支えるのは独自性と独創性だ」という言説にあると考える。しょうもない独自性と独創性にこだわるうちに、日本は豊かさにおいて、アメリカにキャッチアップするどころか、キャッチダウンし、シンガポール、香港、台湾、韓国に次々と抜かれることとなった。
(略)
コロナ禍でも見える日本の遅れ
私は、日本の遅れの大きな理由は、「日本はキャッチアップを終えて先進国になったのだから、もはやキャッチアップ型の成長はできない。これからの成長を支えるのは独自性と独創性だ」というような主張にあると考える。少なからぬ人がこの主張を信じているようだが、まったくの誤りである。事実として、日本は、アメリカを追い越したことがなく、90年代以降はアメリカとの差が開くばかりだった。この間、アジアの国々は着実にキャッチアップ型の成長を進め、シンガポールはアメリカを追い越し、香港はアメリカに追いつき、台湾と韓国は日本を追い越した。
日本はキャッチアップどころか、キャッチダウンしているのだから、必要なのは他国の優れたものを学ぶことだ。日本にウーバーがなく、有機ELパネルを作れず、安価に電子決済できるシステムが普及していないのは独自性と独創性がないからではない。農業、運輸、電力、金融、建設、卸・小売、食品産業などの生産性が低いのもそうだ。アメリカや他国の優れた事例を真似ることができないような規制、制度、慣行があるからだ。
産業だけでなく、政府の機能においても、遅れている。コロナショックの中で、日本の政府も世界の水準に追いついていないことが多々あると分かった。
世界中の先進国が、国民の所得を把握し、コロナショックで経済的に傷ついた人々に素早く給付金を配布することができたが、日本はそれができなかった。
世界は感染者をスマホの位置情報などで把握しているのに、日本は電話で感染経路を洗い出そうとしていた。結局、人手不足とプライバシーの壁に阻まれ、それもできなくなっている。
日本は世界一の医療供給体制を維持していると言われていたが、欧米の10分の1の感染者で医療崩壊の危機を招いている。
ワクチンを作れず、その接種体制でも世界に遅れている。せっかく購入したワクチンを、世界では1瓶で6回接種できるのに日本では5回しか接種できない。日本の報道機関は、厚生労働種の説明に従って、6回接種できる「特殊な注射器」と伝えているが、日本の5回が特殊で、6回接種できる注射器が世界標準なのだ。貴重な薬剤を無駄にしない方が良いに決まっている。日本は世界標準に遅れている。遅れていることを認めない厚労省の言語操作に追随してしまっている。
日本は遅れていることを素直に認めなければならない。豊かに楽しくするためには、世界を豊かに楽しくしているものを学び真似て貪欲に取り入れ、新しい試みをする人の邪魔をしないことだ。その後で、日本の独自性と独創性を考えても遅くはない。
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