21/03/30 16:46:22.77 i4IVkCr79.net
ドラッグストアの中で追いかけられ、助けを求めた。地下鉄駅で、唾をかけられた。そんなアジア人差別が、アメリカの大都市で日本人にも起きている。
新型コロナウイルスが世界で拡大したのは、中国のせいだとトランプ米大統領らが発言し、多くのアメリカ人にとってアジア人はみな同じに見えるためだ。
私たち日本人もアジア系の顔をしている限り、現在、差別や攻撃は避けられない。
さらにこのコロナ危機が過ぎても、アジア人差別が固定化する懸念さえある。
ドラッグストアで「武漢」と叫ばれた
ニューヨークに住むプロのバイオリニスト、トモコ・アカボシさんは東京音大卒、アメリカ在住18年になる。英語も流暢に話せるバイリンガルだ。
事件は、3月17日に起きた。
彼女がドラッグストアに入った途端、マスクをしていたせいか「武漢、武漢!」と、40?50代の白人男性が叫んだ。
「人種差別なのでスマートフォンで録画しようとしたが、録画を始めた途端に店内を追いかけてきました」
「とっさに逃げたのですが、銃を持っている可能性がある、と正気に戻り、レジに走り、とりあえず守って欲しいと伝えました。
店員はすぐに警察を呼ぼうか?と聞いてくれたが、私は『警察を待っている間に私や他のお客さんに危害があったら困る』と思い、
店を出たい、と伝えました。店員は優しくエスコートしてくれました」
店を出た後もアカボシさんは背後が気になり、警戒しながら歩いた。アジア人が「ウイルスを持ってきた」と思う人がどこにいて、
いつ怒鳴られたり、暴行を加えられるかは予想できない。
「街を歩いていて、誰かに殴られるかも、と思いながら歩いたこと、ありますか?」
とアカボシさんは不安を口にした。
(中略)
トランプ米大統領は連日開く記者会見で、「コロナウイルス」を「チャイニーズウイルス」と呼び続けている。
彼の支持者の一部は、中国を含めた外国排斥主義者で、彼らが喜ぶのを意識してのことだろう。
中国外務省の報道官が新型コロナウイルスについて「アメリカ軍が中国に持ち込んだものかもしれない」とTwitterに投稿したデマを否定するためだと説明している。
(中略)
世界保健機関(WHO)は2015年から感染病名に、国名、人名、動物の名、特定の文化や業界に関する名詞を使わないことを決めた。
「スペイン風邪」「豚インフルエンザ」など過去の感染病名が、特定の人々の差別につながったことをくり返さないためだ。
トランプ氏の人種差別攻撃に対し、ドラマ「スタートレック」出演で人気の日系アメリカ人俳優、ジョージ・タケイ氏はMSNBCに出演し、こう語った。
「ホワイトハウスは、へイター(憎しみを持っている人)にメッセージを送っている。
アメリカには、アンチ・アジア人の歴史がある。1940年代、私たち日系アメリカ人は、(第2次大戦の敵性外国人ということで)収容された。
僕は5歳だった。令状、捜査、裁判もなく。両親はアメリカで生まれたのにかかわらずだ」
「1980年代、ミシガン州デトロイトでは中国人の若者が、白人に野球のバットで殴り殺された。
日本車がアメリカのマーケットを侵食していて、日本のせいで白人が失業しているという背景があったからだ」
米メディアによると、西部カリフォルニア州のアジア系アメリカ人が多い地域にある銃器店では
3月上旬、銃や銃弾を買う人が急増したという。アジア人に対する攻撃に備える「自衛」が目的だという。
長い目で見ると、新型コロナウイルスよりも人種差別の方が怖い。ウイルスは治る時が来る。
しかし、ジョージ・タケイ氏が指摘するアジア人差別、黒人差別はアメリカ建国以来根強く、終わることがない。
人種差別は、終わる時がない。その対象に、アジア人である日本人も入っている。
今日本でも一部の外国人に対する差別意識が広がっている。コロナ危機が根深い差別を助長させる恐れがある。
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(津山恵子 [ジャーナリスト] )