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2021年3月4日 05時00分
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自治会の掲示板設置を巡り津市から補助金をだまし取ったとして、相生町自治会長の田辺哲司容疑者（６０）が三重県警に詐欺容疑で逮捕されてから三日で一週間。田辺容疑者は飼い犬の散歩や買い物など私的な用事まで市職員にさせていたとみられている。市の調査チームは事件の背景にある市と自治会長のゆがんだ関係を調べている。
市の調査チームが公表した報告書によると、職員がさせられていた作業は、田辺容疑者の自宅での監視カメラ設置や除草のほか、病院の予約、通院時の送迎、自動車オークション会場への同行などもあった。報告書は「（職員の）私的利用の実態は極めて多岐にわたっており、想像をはるかに超える」としている。
報告書によると、作業依頼の多くは平日の勤務時間中にあり、有給休暇を取って対応する職員も。私的な作業の見返りに金銭を受け取った職員はいないとする一方、疑惑や不信を招くとして「公務員として厳に慎むべき行為」と指摘した。
市関係者によると、一部の職員は勤務時間前に田辺容疑者の飼い犬の散歩を済ませてから出勤していたという。別の職員は取材に「なぜこんなことをしなければならないのかと思っていたが、断るとトラブルになりそうなので拒否できなかった」と話した。
田辺容疑者は市内の塗装業増田宏和容疑者（３８）と共謀し、実際は別の知人に掲示板を作らせたのに増田容疑者が施工したように装った申請で補助金をだまし取った疑いがもたれている。