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ヤフーニュー2/28(日) 13:54 石田雅彦
URLリンク(news.yahoo.co.jp)
喫煙と新型コロナの関係でいえば、喫煙者は症状が重くなったり重症化するリスクが高くなる。これに関してパラドックスはない。では、喫煙者は感染しやすかったり入院するリスクは高いのだろうか。
過去の研究や直感的な推測で喫煙者は新型コロナにかかりやすいことになる。
新型コロナと喫煙の関係を調べた研究では、患者の喫煙の状況や過去喫煙と現在喫煙などの分類が正確に把握できていなかったり、喫煙率の低い富裕層が多いといった社会経済的な患者の選択に偏りがあったりといった問題点が指摘されている。
つまり、新型コロナの臨床の現場は混乱していると考えられ、そうした状況で患者の喫煙歴を正確に記述できるかどうかわからないし、喫煙者の多くが新型コロナの感染を恐れ、入院前にタバコをやめている可能性もある。これまでに喫煙と新型コロナについて一貫した研究が少ないのも事実だが、これらは研究の参加者や患者の選択に影響を与え、バイアスになる危険性が高い
実際、臨床現場が落ち着きを取り戻すにつれ、新型コロナと喫煙の関係について感染や入院リスクでも高くなるという結果が出てきている。英国で5万人以上を対象に行われた調査では、これまで一度もタバコを吸ったことのない人と現在喫煙者を比べると、現在喫煙者のほうが新型コロナと疑われる症状を引き起こすリスクが79%高かった。また、この調査で参加者を社会経済的に調整したところ、新型コロナに感染した患者では若年の社会経済的な弱者でリスクが高かったという。
さらに新型コロナのスマホ用分析アプリのデータを使った英国の研究(参加者83万人以上)によると、現在喫煙者は、発熱、咳、息切れ、嗅覚異常、食欲減退、下痢、倦怠感、筋肉痛といった新型コロナに特有の症状を起こす割合がタバコを吸ったことのない人に比べて29%高く、検査で新型コロナウイルス陽性反応の出た現在喫煙者のほうがタバコを吸ったことのない人より2倍以上、病院にかかる割合が多かったという。
こうした疫学調査と同時に新型コロナのウイルスが、喫煙者に侵入しやすい、つまり感染しやすいのではないかという研究も多く出てきている。これは新型コロナウイルスが細胞へ侵入する足掛かりになるACE2という酵素受容体が、タバコによって発生するPM2.5などの微小粒子状物質によって多く発現するからだ。
喫煙者は感染や入院しにくいという新型コロナと喫煙のパラドックスは、こうして崩壊しつつある。その一方で、タバコ会社は喫煙者という顧客の維持や新たな創出に余念がない。
タバコ会社は、国際的なタバコ規制条約(FCTC)によって広告宣伝を厳しく制限されている。日本でもJTが喫煙シーンのないイメージCMを流しているが、それはタバコ製品をテレビで見せないという業界の自主規制があるからだ。
そのためタバコ会社は、コロナ禍の中で自社イメージをあげようと躍起になっている。例えばブリティッシュ・アメリカン・タバコはタバコ葉を使ったワクチン開発を進めるとアナウンスし、フィリップ・モリス社はブルガリアやルーマニアで新型コロナ支援と称して数千万円規模の寄付をするなど、JTを含めたタバコ会社が世界各国各地で盛んに新型コロナに乗じたキャンペーンを展開している。
日本でもJTの各支社が自治体へ寄付金を贈ったり喫煙所を設置したりしているが、こうした行為はマスメディアに取り上げられ、支援金などが広告宣伝費代わりになっている。
日本は国際的なタバコ規制条約(FCTC)に加盟しているが、自治体がタバコ会社から寄付を受けるのはこの国際法違反の疑いもある。実際、日本はタバコ産業からの影響が最も深刻な国だ。
喫煙者は喫煙所へ出入りする際、ドアノブを触り、素手でタバコを扱い、タバコ煙やエアロゾルを吐き出す。タバコは素手で持って口へくわえ、そのたびにマスクを外し、喫煙行為によって気が緩むのか喫煙者同士で会話をする。そのため、喫煙所が感染クラスターになるケースも増えている。
すでに「オワコン」でもあるタバコ会社は延命に必死だが、30年1箱(20本、30パック年)以上のタバコを吸ってきた喫煙者もまた入院や死亡リスクが極端に高くなることがわかっている。米国クリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学などの研究グループがオハイオ州とフロリダ州の病院データを調べたところ、30パック年以上の喫煙者はタバコを吸ったことのない人と比べて入院するリスクが2.25倍高く、死亡率は1.89倍高かったという。
(長文のため一部略)