21/02/19 18:56:00.39 vTmyKdl99.net
誰もが必要としうる教育・医療・介護などの「ベーシックサービス」を無償で全ての人に提供するには、消費税でいうと6%の税率アップが必要です。
むろん、貧しい人も負担する消費税の増税ではなく、富裕層の所得税率アップや法人税の課税強化で対応すべきだとの意見もあります。
消費税1%分は2・8兆円なので、6%分なら17兆円になります。
1237万円以上の富裕層の所得税を1%上げた場合、新たに入ってくる税収は1400億円です。
法人税の場合、税率を1%上げて5千億~6千億円。
つまり、消費税6%分の税収を得るには、所得税なら120%、法人税なら30%以上も追加で上げる必要があります。現実的でしょうか。
企業の内部留保への課税もそうです。460兆円の内部留保があるとされていますが、
預金や現金としてあるのは210兆円で、半分以上は中小企業のものです。
だから、困るのは中小企業ですし、大企業に限定したとすれば、ものの数年で貯蓄が空っぽになります。
富裕層の所得税率アップや法人税の課税強化に反対しているのではありません。
消費税を目の敵にするのはやめて、税のベストミックスを考えようと言っているのです。
低所得層も痛みを受け入れれば、富裕層に「あなたたちも応分の負担を」と言える。みんなで負担を分かち合う税のパッケージが重要です。
1974年、フランスのルビロアという高官が日本で講演し、こう言いました。
「税の累進性、逆進性を議論するとき、一税目だけを取り上げてもあまり意味がない」
「税がいくら逆進的でも、社会福祉への支出が手厚いならば全体としては逆進的ではない」と。
金持ちはごく一部しかいないので、富裕層の税率を上げても増える税収は限られています。
だから、EU加盟国は付加価値税と呼ばれる消費税で広く集める代わりに、日本よりも広い範囲で受益者を生み出してきました。
消費税抜きで格差を小さくした国はないのです。大切なのは使い道。集めた税でどんな社会をつくるのか、ここが議論の肝なのです。
「ベーシックインカム(BI)」という言葉を聞いたことがあると思います。
最低限の生活を保障するために、全国民にお金を給付する仕組みです。僕が提唱するベーシックサービスと響きは似ていますが、内容は全く違います。
国際労働機関(ILO)の試算によると、BIはGDPの2~3割のコストがかかるとされ、日本に当てはめると年100兆~150兆円の財源が必要になります。
昨年、政府は全国民に10万円を配りましたが、13兆円かかりました。これが毎月配られるイメージです。
BIは膨大なコストがかかるので、今ある社会保障を置き換えることになるでしょう。月平均15万円だった年金が月10万円のBIになり、
3割負担の医療費、1~3割負担の介護費が10割負担になる可能性だってある。
毎月の支給は公的サービスの代わりだから、BIを使い切って困窮しても社会は助けてくれません。究極の自己責任社会を招く恐れがあるのです。
× × ×
新型コロナウイルス禍で生活不安に拍車が掛かっている。
自分のことで精いっぱいで利他の心を見失いつつある分断社会を、ともに支え合う連帯の社会にどう再生していくべきか。
財政学者の井手英策氏(慶応大学経済学部教授)に聞く。
■いで・えいさく 1972年福岡県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院博士課程単位取得退学。
横浜国立大学大学院助教授などを経て現職。専門は財政社会学。「経済の時代の終焉」で大佛次郎論壇賞。
「幸福の増税論」「欲望の経済を終わらせる」など著書多数。
URLリンク(www.fukuishimbun.co.jp)
消費税(付加価値税)の標準税率
URLリンク(fki.ismcdn.jp)
★1が立った時間:2021/02/19(金) 13:32:01.99
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