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【ワシントン=永沢毅】トランプ前米大統領(共和党)が共和党に自らを支持するかどうか踏み絵を突き付けている。上下両院での弾劾プロセスでの対応を踏まえ、自らに敵対的な姿勢を示す現職議員には「刺客」を擁立して追い落としをはかる構えだ。党の内紛が激しくなるのは避けられない。
「政治的洞察を欠くうえに個性もないマコネルが共和党を多数派から少数派に転落させた」「彼に従う共和党の上院議員は二度と勝利できない」―。トランプ氏は16日の声明で、共和の上院トップのマコネル院内総務をこう痛烈に批判した。
弾劾裁判ではすでに大統領を退任していることを理由に「無罪」に票を投じた同氏は、裁判が終結した直後の演説で1月の米連邦議会占拠事件に関しトランプ氏に「責任があるのは疑いようがない」と明言した。トランプ氏の声明は、この批判への意趣返しにほかならない。
トランプ氏は「必要かつ適切なら、米国を再び偉大にする候補を予備選で支援する」とも表明した。2022年秋の中間選挙で自らに批判的な現職には対立候補の擁立も辞さない考えを示した。
そのターゲットは、下院で弾劾訴追に賛成したナンバー3のリズ・チェイニー氏ら10人の下院議員や、弾劾裁判でトランプ氏を「有罪」とみなした7人の上院議員だ。チェイニー氏の地元、西部ワイオミング州の共和党中央委員会は2月上旬、同氏への非難決議を賛成多数で可決した。中間選挙での「親トランプ」派候補の擁立を見据えた動きだ。
米CBSの世論調査ではトランプ氏が新党を結成した場合に参加に前向きな回答をした共和党支持者は7割にのぼった。マコネル氏が裁判で「無罪」の判断に回ったのもそんな事態を避けたい思いがある。ただ、トランプ氏に忠誠を誓う勢力と、「脱トランプ」を探る党主流派の対立が深まれば、中間選挙でめざす上下両院の過半数奪還はおぼつかない。
日本経済新聞 2021年2月17日 20:00
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