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「必ず座れる」JR東の通勤ライナー、3月でお別れ…コロナ禍と重なり需要減
2021/01/30 15:00
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JR東日本で「座れる通勤電車」として人気を集める三つの通勤ライナーが3月に廃止されることが決まり、かつて8路線で運行されていた通勤ライナー全てが姿を消すことになった。利用者の減少や業務の効率化などが理由だが、背景にはライフスタイルの変化もあるという。(山下智寛)
コーヒー1杯
JR東によると、3月13日のダイヤ改正で廃止されるのは、東京―小田原(神奈川県小田原市)を1時間半でむすぶ「湘南ライナー」と、小田原発新宿行きの「おはようライナー新宿」、新宿発小田原行きの「ホームライナー小田原」。いずれも1986~88年に運行を開始し、通勤、通学に使われてきた。
通勤ライナーの始まりは、国鉄時代の84年に運行された上野発大宮(さいたま市)行きの「ホームライナー大宮」だ。
夜に上野から大宮へ向かう特急回送電車を活用しようと、追加料金300円(当時)のライナー券で乗車可能とし、座席分だけを販売したところ、「コーヒー1杯分で特急車両に座って帰れる」と人気を集めた。
当時、東京都外の都市からの通勤・通学客が増加し、朝夕の混雑が激しかったこともあってニーズが高まり、今回廃止になる湘南ライナーや、土浦(茨城県土浦市)発上野行きの「おはようライナー土浦」などが次々と導入された。通勤ライナーは91年には最多の8路線に拡大した。
特急に転換
しかし、通勤ライナーは90年代後半と2010年代以降に、廃止されてグリーン車付きの快速や、特急に転換されてきた。業務の効率化や、近年は利用者の減少などが理由という。
利用者の減少の背景には、郊外からの通勤、通学が減ったこともある。
東京都によると、通勤や通学などで都内へ流入する1日当たりの人口は、1995年の約335万人から2015年には約290万人に減少した。要因として、新型コロナウイルス感染拡大前のトレンドだった都内に移り住む「都心回帰」が挙げられるという。
都の人口は97年から増加し続けて約1390万人に達し、転入者の4割から半数弱は埼玉、千葉、神奈川県が占める。昨年以降はコロナの影響などで、6か月連続で都からの転出者が転入者を上回る「転出超過」となるなど都心回帰にブレーキがかかったが、密の回避などで通勤客も大幅に減少している。
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