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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「不織布マスク」の着用を推奨する学校や店舗が増えている。
昨春、不織布マスクが品薄になり、見た目もいいことから布マスクやウレタンマスクが普及した。
ところが、不織布の方が飛沫(ひまつ)を抑える効果が高いという研究結果が出たことで再評価されているのだ。
年明けから、このように不織布マスクを推奨する医療機関や学校、一般の店舗が増えている。
首都圏の産婦人科クリニック、歯科医、衣料品店、北海道の美容院、九州のフィットネススパなど全国の医療機関や店舗で
「不織布マスクの着用」を求める案内が今月に入ってからホームページで次々と示されている。
不織布マスクを提供したり、1枚30円で販売したりして対応する美容室もある。
自治体にも推奨の動きがあり、愛知県瀬戸市は10日に開いた成人式の参加者に対し
「不織布マスクの着用を推奨します」と事前のアナウンスをした。
埼玉県和光市の松本武洋市長も12日、自身のツイッターで「不織布マスクの価格も単価は10円台まで下がり、
選ばない理由がなくなりつつある」と発信した。
最近の不織布マスク推奨の背景にあるのは、理化学研究所(理研)や豊橋技術科学大などのチームによる研究だ。
チームは飛沫をとらえる能力などが不織布、布、ウレタン製マスクでどう違うのかを実験した。
スーパーコンピューター「富岳」でもシミュレーションし、その結果を昨年発表している。
それによると、飛沫をとらえるフィルター捕集効率については、不織布が9割以上の飛沫をカットできたものが多かったが、
その分、通気性はよくなかった。
一方、布はその種類や重ねた枚数でばらつきがあり、不織布と同程度の性能のものもあった。
ウレタンは捕集効率が20~40%ほどと全体に低かった。
この結果をもとに実際にマスクをした状態での性能をシミュレーション(予想)したところ、
やはり不織布は通り抜ける飛沫が少なく、ウレタンの性能は見劣りした。
こうした研究結果に加え、不織布マスクの品薄が解消されたこともあり、今回の第3波のタイミングで、不織布マスク着用をすすめる動きが加速したようだ。
ただ、研究チーム側としては、単に不織布マスクを推奨している、というわけではない。
一口に不織布といっても性能に幅があり、布より性能が劣る不織布も市販されていたことから、
理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授は「基本的に『息が吸いにくいものは性能がいい』と覚えておいてもらいたい」とアドバイスする。
具体的には「通気性や費用対効果(繰り返し使えるかどうか)も考えて選ぶのがいい」としたうえで、坪倉教授はこう提案している。
「日常的なオフィスなら布マスク、人と集まる密な機会がある日は不織布、といったように、
その日の体調や行く場所の(感染)リスクを考えて選んでもらえれば」
坪倉教授は昨年11月末のオンライン記者勉強会でも研究結果を解説し、資料や動画は理研の公式サイトから見られる
(URLリンク(www.r-ccs.riken.jp))。
不織布マスク
不織布とは文字通り「織っていない布」。繊維や糸を織らずに、熱、機械、化学反応などの力で接着または絡み合わせた薄いシート状の素材だ。
日本衛生材料工業連合会によると、従来は医療用マスクの素材として一般的だったが、花粉症の流行を機に急速に普及し、
2007年度の調査では家庭用マスクの総生産数の9割以上を占めた。粒子捕集性や通気性に優れるため、紙おむつや生理用品などにも使われている。
URLリンク(mainichi.jp)