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■ 外国人長期収容で国外退去拒否に罰則提言 入管庁、法改正検討へ
法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」は14日、外国人の入管施設収容が長期化している問題への対応策を森雅子法相に提言した。
国外退去を命じられた外国人の自発的な出国を促す施策を導入する一方、拒否した場合は刑事罰を科すとの内容。
出入国在留管理庁は提言を踏まえ、入管難民法の改正を検討する。
長期収容は、難民申請中や日本に家族がいることを理由に、退去命令に応じない外国人が増加していることが要因だ。
長崎県の入管施設では昨年6月、長期収容に抗議しハンガーストライキ中だったナイジェリア人男性が死亡。
その後、懇談会の中に設置された有識者専門部会が対策を検討し、今年6月に提言をまとめていた。
提言では、退去命令後に速やかに出国した場合は、日本に再上陸できない期間を現行ルールよりも短くする。
一方で命令に応じない場合は、懲役や罰金などを科すことを求めた。
一時的に収容を解く「仮放免」についても、要件・基準を明確化するとともに、逃亡者への罰則導入の検討を提唱。
施設収容に代わる措置も検討対象とした。
専門部会の議論では、施設の収容期間に上限を設けることを求める意見があったが、「逃亡の恐れが否定できない者も収容を解かれる」などの懸念から見送られた。
代わりに、一定期間を超えて収容を継続する場合には、要否を吟味する仕組みを創設するとした。
さらに難民認定申請中は送還が停止されるため、退去を避けることを目的にした申請が増加している実情があるとし、同じ理由で申請を繰り返す外国人は停止の例外とするよう要請した。
◆長期収容解消のムチに疑問 支援者「外国人苦しめる」
国外退去命令を拒否した外国人の長期収容解消に向けた提言を受け、出入国在留管理庁が入管難民法改正へ検討を始める。
提言は、命令に従って出国すれば、その後は再入国しやすくする「アメ」と、命令を拒否すれば罰則を科す「ムチ」の両方の側面を持つ。
ムチに対しては「帰国困難な外国人を苦しめるだけだ」と疑問の声も上がる。
入管庁によると、全国の入管施設の収容者は、2014年末に932人だったが、18年末には1246人に増加。
この間に6カ月以上の長期収容も290人から681人と2倍以上になった。
昨年は長期収容に抗議する外国人のハンガーストライキも相次ぎ、餓死者も出たため、入管庁が対応に乗り出していた。
「長期収容は、外国人と入管職員両方に大きな負担になっており、対策を急がないといけない。提言はバランスが取れた内容で、国民の理解を得やすいのではないか」。
入管庁幹部は法改正へ自信を見せる。
一方、支援者は「罰則は問題解決につながらない」と反発。
提言をまとめた出入国管理政策懇談会の有識者専門部会からも「罰則を科しても、刑務所と入管施設を行き来する状況をつくり出すだけで、実効性はない」と反対意見も出ていた。
難民問題に詳しい渡辺彰悟弁護士らでつくる「収容・送還問題を考える会」は記者会見などで「送還を拒否している収容者だけが悪者のように議論し、提言がつくられた」と強調。
日本に家族がいたり、母国に帰ると迫害を受けたりする人がいるとして「拙速に法改正をしてはならない」と訴えている。
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