20/07/08 13:18:19 EtP74Yes9.net
九州の記録的な豪雨で、各地で甚大な被害が出ている。7日には大分県日田市の筑後川が氾濫し、福岡、佐賀、長崎の各県で大雨特別警報が継続した。雨雲が連なり局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」はいつどこで発生してもおかしくないが、首都圏や関西の生活圏にも水害が起こりやすい地形は数多く存在するとして、識者は警戒を呼びかける。
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豪雨に見舞われた熊本県南部の被災地は7日、災害現場で生存率が下がる目安の一つとされる「発生後72時間」を迎えた。県はこれまでに49人の死亡と1人の心肺停止を確認。11人が行方不明となっている。
福岡県は、大牟田市で87歳の女性の死亡が確認されたと発表した。6日午後11時50分ごろ、冠水した自宅で見つかった。
今回の豪雨で被害が大きい熊本県の人吉盆地や、2018年7月に水害が襲った岡山県倉敷市真備地区などの地形に共通する特徴があると解説するのは立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏。
「いずれも川の本流に支流が合流する盆地の下流部に当たり、本流の水位が上がると支流が合流できずに逆流して氾濫する」
関西圏でもこうした特徴を持つ地域は存在すると高橋氏。「京都から大阪へ抜ける大山崎(おおやまざき)周辺は峡谷で洪水が起きやすい。大阪城の北側は天満砂堆(てんまさたい)と呼ばれ、こちらも峡谷になっており、水がはけずに逆流する可能性がある」
東京都内にも特異な地形があるという。高橋氏は「野川や神田川、目黒川など山の手を源流にする小さな川は、横断面でみると、幅の狭いV字状の谷になる。一気に水が集まれば水位が上昇、関東ローム層の火山灰が崩れることも考えられる。山の手でも水位が上昇し、マンホールが突然水を噴き始める可能性もある」という。
多摩川の支流である野川が本流に合流する世田谷区二子玉川地区では、昨年10月の台風19号で浸水被害が起きた。
関西大学社会安全学部特別任命教授の河田惠昭氏は、「谷合を流れる川は水位が上がるから危険だ。東京都が管理する目黒川や築地川、呑川(のみがわ)など流域が小さい2級河川が危ない」とし、「山手線の西の外側は傾斜地で水がはけず、集中豪雨に弱い」と語る。
東京都心部も注意が必要だ。「1時間に70ミリ雨が降れば大手町も床下浸水が起きやすい。千代田区や中央区など東京駅周辺などは、元は湿地帯だった。新橋や汐留、首相官邸に近い溜池山王から、元は海で坂道の多い六本木なども水がたまりやすい」と河田氏は指摘した。
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