20/06/10 23:47:32 UqvsbXu39.net
「3月7日に、最初の利用者の感染が判明してから、施設内で32人(利用者25人・職員7人)に感染が広がり、約1カ月、デイケアをストップしました。そのために、この部門の収入は10分の1になってしまいました」
苦しい事情を明かすのは、通所リハビリ施設「グリーンアルス伊丹」(兵庫県)の事務局長・塩田眞一郎さんだ。
「当初から通所される際には検温や症状チェックを行っていたのですが、“無症状”の方が感染されていたため、防ぎきることができませんでした」
3月7日、1人目の感染者が判明した直後から、すべてのサービスを休止した。
「さらに2人の陽性が判明したので、保健所の指示で、3月12日からデイケア利用者150人とスタッフ26人、すべてにPCR検査を行うことになりました。保健所の判断は早かったんですが、大人数を一度に検体採取する体制は整っておらず、当施設の常勤医に依頼することに」
苦労したのは送迎だ。ほとんどの利用者が歩けなかった。
「感染している可能性を考えて、個別の送迎が必要でした。送迎車にビニールシートを貼って、送迎が終わるごとに消毒する。この工程を合計100回以上繰り返しました」
利用者やその家族のため、一刻も早く検査結果を明らかにしたい。そんな思いから、検査を急いだ。当初は手間取ったものの、1日に取れる検体数はだんだん増えていった。その矢先、保健所からこんな要請が--。
『たくさん陽性者が出ると入院先がなくなるので、検査は1日15人までにしてほしい』
塩田さんは耳を疑った。だが、保健所の要請は拒めない。要請に従い少しずつ検査を進めると、保健所は「今日は陽性者2人」「今日は1人」と、さみだれ式に結果を発表した。
「すると、すでに業務はストップしていて、感染が広がることはないのに、『あの施設は、いまだに感染者を出し続けているのか』という印象を与えてしまったのです」
PCR検査がすべて終了したのは3月24日。利用者からは、「まだ再開しないのか」という声が多数届いていた。
「いちばん多かったのは、『入浴サービスを再開してほしい』というものです。自宅では入浴できない利用者の方も多くいるんです」
この時点で、3月30日を目標に、入浴などの一部サービスに限定した業務の再開を目指したが……。
「厚労省の専門家の方が『あと2週間、再開を延ばしましょう』というんです。理由を聞いたら『社会的インパクトです』と……」
科学的な根拠のない話だが、この要請にも従わざるをえなかった。結局、業務を再開できたのは4月9日。休業から1カ月後だった。
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