20/04/05 15:14:44 TVxqncZm9.net
■ロックダウンはするしないの二元論ではない。「する際の条件」こそが重要である。(※長文のため一部抜粋)
しかし、「現状維持」から遥かにリープしたロックダウンはそれが、どのような形であれ必要だ。今からその根拠を述べる。(中略)
それでも。私は東京エリアのロックダウンを主張したい。政治家・官僚の方々にはぜひ「ロックダウンで人が飢え」たりしないよう、皆様の職能を最大限発揮していただきたい。感染対策的意思決定はプロに任せて。(中略)
では、ロックダウンすべきタイミングはどこか。それは、COVID-19のオーバーシュートが起きたとき、という回答は不正解だ。それでは遅すぎる。(中略)
空の星の光は、実は何年も前に放たれた光である。同様に、本日PCRで何例COVID-19が見つかった、というのは10日とか14日前に起きた感染を観察しているに過ぎない。
もし、感染の爆発的、指数関数的増大が観察されたとき(オーバーシュート)、それは10日とかそれ以前に起きた現象の観察だ。よって、「そこから」対策を始めても、もう手遅れなのである。「今はまだ持ちこたえている」「感染の爆発的増加はまだ起きていない」という見解が意味を成さないのはそのためだ。
東京都では毎日感染者数の増加が見られている。検査数が極端に少なかった日曜などの例外を除けば、3月23日あたりからずっとそうだ。これが偶然的なクラスターの重なりと考えるのは不適切で、増加していくトレンドと捉えるのが正しい。
現状の日本の対策はクラスターを察知して、追いかけて、クラスターを封じ込めるやり方だ。いわば、起きた感染症を後ろから追いかけて捕まえようというのである。先を行く相手に追いつくのは難儀だが、やってできないことでもない。現に日本ではずっとそうやって追いかけて、追いついてきた。
が、東京ではそれが追いつけなくなっている。そして、ある日、1日で数千人という感染者が検出されるようになったらもう追いかける相手ははるか先を行き過ぎていて、とても手が届かないところに行ってしまっている。
だから、オーバーシュートが起きる直前、あるいは起き始めた萌芽の時点で抜本的な作戦変更、プランBが必要だ。ロックダウンは、感染者を追いかけるのではなく、感染者がもう発生しなくなるような環境の最適化を図る、「感染の前を走る」やり方なのだ。
長い間、感染症のアウトブレイクと取っ組み合ってきたが、事態がどんどん悪くなる中で、「現状維持」というオプションをとって自然に事態が改善に転じた感染症アウトブレイクなど経験したことがない。通常は、仮説を立て直し、データを見直し、現状を批判的に吟味し、作戦を立て直して、「昨日までとは違うこと」をする。ステイタス・クオーはありえない選択肢なのである。
「ロックダウンは大きな経済的損失を伴う。だから、反対だ」という意見があるが、ではその根拠に基づいてロックダウンを回避した場合、先に待っているのはなんだろうか。
おそらくそれは、「もっと巨大なロックダウン」である。感染が手を付けられないくらいに拡大した状態でのロックダウン。それはより広範囲の、より厳密な、より長期間のロックダウンである。「ロックダウン」の代替案は「もっと巨大なロックダウン」であり、「もっと巨大な経済損失」である。どっちがましなプランであるかは、火を見るよりも明らかだ。(中略)
もちろん、もっとベターな解があるのであれば、ぜひ拝聴したい。繰り返すが岩田は「ロックダウン派」ではない。ベターな解の提示によるアウフヘーベンは望むところである。が、「ロックダウンにはこんな欠点が」という「出来ない理由」をいくら羅列されても、それはなにもよいものはもたらさないのである(もっと悪いものをもたらしたとしても)。そういう意見には今は耳を傾けるべきときではないのだ。
2020/04/05
URLリンク(georgebest1969.typepad.jp)