超固い!でも攻撃弱い…戦車砲はじくも武装は機関銃 戦車「マチルダ」なぜ生まれたかat NEWSPLUS
超固い!でも攻撃弱い…戦車砲はじくも武装は機関銃 戦車「マチルダ」なぜ生まれたか - 暇つぶし2ch1:首都圏の虎 ★
20/02/26 09:46:06 t/ygnCmm9.net
なにかしらの性能や用途に特化したものというのは、使いどころが肝要で、これを誤ると無用の長物になってしまいますが、それは戦車も同じようです。戦車黎明期、ひたすら防御力に特化したマチルダI歩兵戦車のたどった道のりを追います。

敵弾をはじき機関銃を撃ってノロノロ前進…そんな戦車は時代遅れ

 第2次世界大戦初頭、フランス領内を戦車やトラックなどの機動力を生かし進撃する、いわゆる「電撃戦」を展開したドイツ軍に対し、一矢を報いたのがイギリスのマチルダI歩兵戦車です。

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1940(昭和15)年5月21日、フランス北部にあるベルギー国境にほど近い町、アラス近郊で起きた「アラスの戦い」において、当時フランスに駐留していたイギリス遠征軍(BEF)は、進攻してくるドイツ軍に対して反撃を行います。このときドイツ軍が放つ銃砲弾を跳ね返し、ドイツ軍をパニックに陥れたのが、74両のマチルダI&II戦車でした。

 マチルダIとマチルダIIで、数的に主力だったのは前者です。マチルダI歩兵戦車約60両は、当時ドイツ軍が装備していた3.7cm対戦車砲弾をはじき返すほどの重装甲で、機関銃弾もしかり。そのため対峙するドイツ軍を蹂躙し、一時、イギリス側が攻勢に出るほどでしたが、ドイツ軍は対空用に装備していた8.8cm高射砲の水平射撃によってマチルダI歩兵戦車の撃破に成功、イギリス軍の攻撃は最終的には失敗に終わりました。

 作戦失敗には様々な要因がありますが、マチルダI自体の低性能も、ひとつの理由でした。ドイツ軍をパニックに陥れた戦車のどこが低性能だったのかといえば、それは極端な防御力偏重で、火力と機動力が軽視されていた点です。

 マチルダI歩兵戦車は最大装甲厚が65mmあり、当時ドイツ軍の主力であったII号戦車やIII号戦車などが30mmから35mmであったのと比べると、倍以上の厚さがありました。その一方、火力は機関銃1丁のみで、機動力は最大12.87km/hと人間の駆け足程度の速さでしかなかったのです。

 そのため、前述の「アラスの戦い」では、ドイツ軍戦車の砲弾などは防げても、戦車自体を撃破することはできず、また敵陣においても、近くのものは蹂躙できても、遠方のものは砲を積んでいないため攻撃できませんでした。

運用思想はWWIを引きずったままのマチルダI

 なぜイギリスは、このような戦車を作ったのでしょう。それには、第2次世界大戦の四半世紀前に起きた、第1次世界大戦が大きく影響しています。

 第1次世界大戦で、イギリスは世界で初めて戦車を戦場に投入しましたが、このときの戦車の役割は敵の塹壕陣地を突破するためのものであり、歩兵の進撃を支援するのがおもな目的でした。

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敵の銃弾をはじき返し、搭載する機関銃や砲で敵の強固な陣地を破壊、そして味方歩兵の進撃を支援する……このような戦い方は、その後のイギリス陸軍における戦車運用にも影を落とします。

 やがてイギリス陸軍の戦車は1930年代半ばに、従来どおり歩兵支援用の「歩兵戦車」と、機動力を生かして敵戦車を追撃したり、敵の後方を強襲したりするための「巡航戦車」という、2種類に区分されることになり、この歩兵戦車の第1弾として1935(昭和10)年に開発されたのがマチルダIでした。

 歩兵戦車たるマチルダIは、歩兵の盾となるよう徹底的に防御力を高める一方で、敵陣地の歩兵に対する攻撃だから武装は機関銃1丁のみ、機動力も歩兵の進撃速度に合わせられれば十分との判断で、前述のような低速仕様だったのです。

 しかし第2次世界大戦は、イギリスが考えたような塹壕戦、陣地戦にはなりませんでした。ドイツの戦車戦術はスピードを生かした機動戦で、戦車のおもな敵は戦車になったため、武装も敵の装甲を貫ける戦車砲が必須となりました。要は走攻防のバランスが重要になったのです。

 その結果、防御力偏重のマチルダI歩兵戦車は、1938(昭和13)年に部隊配備が始まったばかりの新鋭戦車ながら、冒頭のフランス戦が起きた1940(昭和15)年の時点で早々と旧式化してしまいます。

 しかも車体サイズを、イギリス国内における橋梁の構造制限に合わせてコンパクトに作っていたため、発展性に乏しく、自走砲や戦闘工兵車などに転用することもできませんでした。

 こうしてマチルダI歩兵戦車は、イギリスがフランスから撤退したのを最後に戦場での運用がなくなり、以降は、イギリス本土で訓練用として用いられるにとどまりました。

【了】

2020.02.26
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