20/02/26 08:50:22 t/ygnCmm9.net
地域政党・大阪維新の会が推進する「大阪都構想」。その賛否を問う2度目の住民投票が11月にも実施される見通しだ。
大阪市を廃止して特別区に再編する。大阪市と大阪府の法定協議会が制度案の大枠を了承し、府と特別区の役割をまとめた協定書案が示された。
都構想は2015年の住民投票で僅差で否決された。維新の看板政策とはいえ、住民投票が再び行われるのは異例だろう。
英国の欧州連合(EU)離脱のように「(投票結果を)後悔している」といった声が出ているわけでもない。再実施には、市民への十分な説明が求められるのはいうまでもない。
案によると、現行の24行政区を再編して4特別区を新設する。都市計画やインフラ整備などは府に集約し、消防や水道も市から移管する。特別区は中核市並みの業務を担う。
だが特別区が5区から4区に減った以外は、否決された案との違いが分かりにくい。
住民サービスは低下しないのか。移行に伴うコストに見合う効果があるのか。根本的な疑問は残ったままだ。
都構想は08年に知事に就任した橋下徹氏が市との二重行政を問題視し、10年に大阪維新を設立して議論が本格化した。
維新は11年の統一地方選で躍進し、知事・市長ポストも確保して住民投票にこぎ着けた。否決されたが、その後、知事と市長のダブル選を制したことで、都構想は息を吹き返した。
昨年4月には知事と市長のポストを入れ替えるという「奇策」でダブル選に圧勝し、影響力を強めた。公明が賛成に転じ、協議は一気に進んだ。
選挙で勝利を重ねた維新が、大阪での支持を固めてきたのは間違いない。だからこそ住民投票で否決された事実は重いといえるだろう。
維新はそれにしっかり向き合っているだろうか。
注目される研究がある。大阪で維新が支持される理由について、独自の意識調査で迫った善教将大・関西学院大准教授の「維新支持の分析」だ。第41回サントリー学芸賞に選ばれた。
維新の台頭と躍進は、橋下氏の政治手法などからポピュリズム(大衆迎合主義)と結び付けて語られがちだが、決してそうではないという。
個別利益の代表者としてしか振る舞わない既存政党と比べ、維新は「大阪」の利益の代表者として有権者の目に映った。
住民投票での反対は、今後の見通しが立ちにくい状況が、賛成を「踏みとどまらせた」。つまり有権者が慎重に判断した結果だと分析する。
一見すると矛盾しているような投票行動は、十分に合理的であることが浮き彫りになっている。
この10年の維新の歩みは、地方自治における政党の在り方を改めて考えさせた。
「成果」を台無しにしないためにも、市民の理解を深める丁寧な議論が欠かせない。このまま住民投票ありき、スケジュールありきで突き進んでは市民軽視となろう。
2/25(火) 16:00配信
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