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中国で感染が拡大する新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の患者は、湖北省の武漢を中心にほぼ全土に広がっていて、死亡した人の数は26人に上っています。WHO=世界保健機関は23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には現時点ではあたらないと発表した一方、今後、中国以外でも患者が増える可能性が高いとして各国に検疫の強化などを呼びかけています。
中国では新型のコロナウイルスの感染が確認された肺炎の患者が、湖北省の武漢を中心にほぼ全土で確認されていて、国家衛生健康委員会は24日午前、感染者がきのうの発表から259人増えて830人になったほか、死亡した人も8人増えて25人になったとしました。
さらに、東北部の黒竜江省の保健当局も新たに1人が死亡したと発表し、死者の数は合わせて26人に上っています。
感染の拡大が最も深刻な湖北省以外の地域で死者が出たのは、河北省に続いて2例目です。
武漢では23日から現地を離れる航空便や鉄道などの運行が停止され、街が事実上、封鎖された状態となっているほか、周辺の複数の市でも、バスや鉄道などの運行を停止する措置が取られ、対策が強化されています。
これについて、湖北省の王暁東省長は「武漢は人口が1000万人を超える交通の要衝である大都市で、旧正月の期間中は、人の往来が増えるため、感染が広がる大きなリスクがある。ほかの地域への感染の拡大を防ぐ責任を負わなければならない」と述べました。
そのうえで「交通機関の停止は難しい選択で、長期的な安全と引き換えに、一時的に地元の人たちには不便をかけるが、理解と支援を求める」と述べました。
また、王省長は食料などの物資は十分な備蓄があるほか、貨物輸送は行われていて、物資の供給に問題はないとしています。
この問題について、WHOは23日、緊急に開いた委員会で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には現時点ではあたらないと発表した一方、今後、中国以外でも患者が増える可能性が高いとして各国に検疫の強化などを呼びかけています。
中国では、旧正月の「春節」を25日に控えて、24日から1週間の連休が始まり、このうち北京の空港では、日本などに向かうマスク姿の旅行客が訪れていて、当局は乗客の体温検査を徹底するなど厳重な警戒が続いています。
2020年1月24日 11時45分
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