20/01/21 21:18:02 M5L0ED/29.net
世界で一番安全な作物をつくっている国はどこか。少なくともそれは日本ではない。拓殖大学国際学部教授の竹下正哲氏は「日本の農薬使用量は中国並みで、世界有数の農薬大国。日本の農業は長期間の『鎖国』で、すっかり農業後進国になってしまった」という―。
■日本人は日本の農業を誤解している? !
「日本の農業問題」というキーワードを聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべるであろうか? 農家の高齢化、担い手不足、農家の減少、耕作放棄地、低い自給率、衰退産業……。そういったキーワードが思い浮かぶのではないだろうか。ニュースなどを見ていると、必ずこういった論調で、危機が叫ばれている。
しかし、実は高齢化や農家の減少、耕作放棄地、自給率などの問題は、どれもまったく問題ではない。少なくとも、どれも解決可能であり、表面的なことにすぎない。むしろ問題の本質はまったく別のところにある。というのも、その問題の本質に取り組むことができたなら、高齢化や農家の減少、耕作放棄地などの問題はひとりでに解決に向かうからだ。
では、その問題の本質とは何か、を一緒に考えてみたいと思う。
最初にみなさんに伺いたいのは、「世界で一番安全な作物をつくっているのは、どの国だろうか? 」という問いである。裏返すと、「世界で一番危険な作物をつくっているのは、どの国だろうか? 」という質問に変わる。
もちろん、何をもって危険とするかについては、人によって違うだろう。確固たる基準が存在するわけではないが、ここでは、仮に「農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)をたくさん使っている作物ほど危険」という基準から見てみることにしよう。一番農薬を使っている国はどこだろうか?
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■「国産が一番安全」という間違った神話
学生たちにこの質問をすると、たいてい「アメリカ、中国」といった答えが返ってくる。その両国が、農薬を大量に使っているイメージなのだろう。逆に「世界で一番安全な作物をつくっている国は? 」という問いに対しては、9割近くの人が、「日本」と回答してくる。
だが、この認識は大きく間違っている。FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、中国の農薬使用量は、農地1haあたり13kgという世界トップレベルの数値だ。だが、実は日本も11.4kgの農薬を使っており、中国とほぼ変わらない。日本も中国に劣らず、世界トップレベルの農薬大国なのだ。
実はアメリカはずっと少なく、日本の5分の1しか使っていない。ヨーロッパ諸国も日本より低く、イギリスは日本の4分の1、ドイツ3分の1、フランス3分の1、スペイン3分の1、オランダ5分の4、デンマーク10分の1、スウェーデン20分の1となっている。EUは政策により意図的に農薬を減らしている。また近年躍進が著しいブラジルを見てみても、日本の3分の1であり、インドは日本の30分の1しかない。
日本人の多くは「国産が一番安全」、そう信じていることだろう。しかし、それは間違った神話なのかもしれない。少なくとも、統計の数字だけを見るならば、日本は中国と並んで世界でも有数の農薬大国ということになる。農薬漬けと言ってもいい。アメリカの4倍以上、ヨーロッパの3~20倍以上を使っている。
■「鎖国」を続けた日本農業の危機
このように、日本人に植え付けられてしまっている誤解は他にもたくさんある。これから順次それらを解いていくが、その前に、具体的にどんな危機が日本に来るのか、それをまず考えてみよう。
大きな背景としては、日本の鎖国がついに終わろうとしている、という世界的な動きがある。結論から先に言うと、日本の農業の多くは、1970年代からまったく進歩をしていない。技術革新というものが、起きてこなかったのだ。
農村でのどかにカボチャやニンジンを作っている農家の多くは、実は1970年代とまったく同じ農法で栽培している。昔ながらの「土づくり」を尊び、50年前と同じように肥料をあげ、同じように水やりをして、同じ量だけ収穫している。
今の時代に1970年代と同じ方法でやっていけている産業など、他にあるだろうか。農業だけ、それができてしまう。なぜかというと、国際競争にさらされてこなかったからだ。
1/21(火) 9:16配信 全文はソース元で
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★1 2020/01/21(火) 11:41:14.73
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