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山口敬之氏の逮捕を中止した中村元刑事部長が警察庁長官目前…安倍政権下で大出世
文=深笛義也/ライター 2020.01.12
山口敬之氏(右後方)、FCCJで会見 記者席に伊藤詩織さん(写真:日刊現代/アフロ)
ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏から性暴力被害を受けたとして損害賠償を求めていた民事裁判について、2019年12月18日東京地裁709号法廷で判決が下った。「支局長の立場に乗じ、就職斡旋をチラつかせ、性暴行をはたらいた」とする詩織さんの主張が認められ、330万円の損害賠償の支払いを山口氏に命じた。一方、山口氏は「伊藤さんの記者会見での発言などで社会的信用を奪われた」として詩織さんに慰謝料を支払うように求める反訴を行っていたが、これは棄却された。
シェラトン都ホテルで、詩織さんが山口氏に暴行されたのは、2015年4月4日未明。詩織さんからの刑事告発状を受理した警視庁高輪署は捜査を進め、裁判所からの逮捕状の発布を受けて、6月8日、アメリカから帰国する山口氏を逮捕すべく、成田空港で張り込んでいた。しかし、当時の警視庁刑事部長の中村格氏から逮捕中止の命令が入った。捜査員たちは通り過ぎていく山口氏を、ただ呆然と見送るしかなかった。
裁判所が発布した逮捕状に関して、たとえ幹部であろうと警察がその執行を止めるなど、通常はありえない。もちろん、別の証拠が出て来て逮捕状発布の条件が変わったなどの例外はあるが、この件に関してはそうではない。中村氏本人が逮捕中止に関して「私が決裁した」と「週刊新潮」(新潮社)の取材に答えているから、これは動かぬ事実だろう。
山口氏には安倍晋三総理に関する『総理』『暗闘』(いずれも幻冬舎)の著書があり、総理に直接電話で話ができる記者であった。『総理』は2016年6月9日、『暗闘』は2017年1月27日に発刊されている。逮捕されていれば、どちらも世に出ていなかった可能性が高い。
「忖度」がまかりとおる日本の司法
本来は、他人の心情を推し量ることを指した「忖度」が、ここ10年、自分の身分を守るために上位者の意向を窺って行動するという意味に変わってしまった。
中村氏は逮捕中止の後、組織犯罪対策部長兼生活安全局付兼刑事局付兼官房付、総括審議官兼警備局付と出世を続け、現在は警察庁長官官房長、次は警察庁長官の椅子が待っていると言われている。書類送検を受けた東京地検は、16年7月に不起訴処分とした。中村氏と同様の原理で動いたのだろう。
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警察庁長官に松本氏が昇格 警視総監に斉藤氏
2020年1月14日 10:35
警察庁の栗生俊一長官が勇退し、後任に松本光弘次長が昇格する人事と、警視庁の三浦正充警視総監が勇退し、後任に斉藤実副総監が昇格する人事が、14日の閣議で承認された。警察庁の次長には中村格官房長、官房長に露木康浩刑事局長、刑事局長に田中勝也組織犯罪対策部長が就く。白川靖浩生活安全局長も退任し、後任に小田部耕治官房審議官を充てる。いずれも17日付の発令。
松本 光弘氏(まつもと・みつひろ=警察庁長官)83年(昭58年)東大法卒、警察庁へ。警備局長、官房長、18年9月次長。神奈川県出身、58歳。
斉藤 実氏(さいとう・みのる=警視総監)85年(昭60年)東大法卒、警察庁へ。総括審議官、神奈川県警本部長、18年7月警視庁副総監。東京都出身、58歳。
中村 格氏(なかむら・いたる=警察庁次長)86年(昭61年)東大法卒、警察庁へ。総括審議官、18年9月官房長。福岡県出身、56歳。