20/01/04 04:44:00.34 7TFnY3LH9.net
2018年12月のソフトバンク株式会社上場に始まって、19年9月、傘下のヤフー(現ZHD)によるZOZOへのTOB、11月に発表されたソフトバンクグループ(SBG)「真っ赤っか」決算、そして、同月のZHDとLINEの経営統合と、ここ1年に亘って、SBGは世間の耳目を集め続けた。新年を迎え、会計界のレジェンド・細野祐二氏がそのヤバい節税術を解説。ちょっと難しけれど絶対に為になる論考である。
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1.SBGという本丸に立ち入る前に、2019年にSBGが傘下に収めたLINEとZOZOの知られざる内情についての分析から始めてみたい。
(1)実態は連結資本欠損会社だった「LINE」
ヤフー(現ZHD)とLINEの経営統合は、ZHDの親会社であるソフトバンク側がかねてより持ち掛けていたものの、LINEの親会社であるNAVERが断り続けてきたという経緯がある。それが今年の夏ころからNAVERの風向きが変わり、今回一転、合意に至った。LINEの懐具合が大きく変わったからである。
LINEは対話アプリの利用者が8千万人を超える国内最大のスマホ向けメッセンジャーアプリ運営会社である。LINEは、東証1部上場企業ではあるものの、韓国のNAVERが株式の72.64%を所有するNAVERの完全支配子会社でもある。ここで、NAVERは韓国内最大のインターネット検索ポータルサイトを運営しており、韓国KOSDAQ上場企業である。
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SBGの連結業績推移
LINEの売上高はここ数年順調に伸びているものの、その損益状況は芳しくない。LINEの当期純損益は、株式が上場された2016年12月期こそ71億円の当期純利益を上げたものの、その後、2017年12月期は82億円の当期純損失、2018年12月期が58億円の当期純損失と続き、2019年9月第3四半期に至ってはなんと339億円の当期純損失を出してしまった。会社の2019年9月第3四半期末の連結利益剰余金はマイナス394億円となっており、LINEは連結資本欠損会社なのである。
この会社が営業キャッシュフローをそれなりに上げていながらも当期純損益が悪いのは、主として、損失がキャッシュアウトしない(=関連会社の営業キャッシュフローは連結されない)関連会社の業績が悪いからである。ところが、2019年9月第3四半期には、頼みの綱の営業キャッシュフロー自体がマイナス91億円と赤字転落した。悪いのは関連会社だけではなく、本体の業績そのものが立ち行かなくなってきたのである。
LINEの業績不振の原因は、一般的には、会社が鋭意育成中のスマホ決済の利用者と加盟店の開拓費用が先行したためということになっている。会社は、2018年にユーロ円建社債を1421億円発行して、これら開発費用の資金手当てをしたが、2019年には、わずか9カ月で340億円もの損失を出してしまった。いくら金をつぎ込んでも一向に好転しないスマホ市場を前にして、LINEは、茫然と、乏しくなった金庫の底を見つめていたに違いないのである。
追い詰められたLINEに対して、ソフトバンク側より破格の経営統合案が出された。この経営統合案は、LINE株式の公開買付と株式交換を骨子としている。ここで、NAVERはLINEの発行済株式の72.64%を所有しており、LINEは本件経営統合後非公開会社化することになっている。統合会社は、LINE株式の残り27.36%(=100%-LINE持株72.64%)を、公開買付の方法により、1株5380円で日米の証券市場で買い取る。1株5380円で計算するとLINEの時価総額は約1兆3000億円となり、NAVERの持株評価は約9400億円となる。
経営統合案によれば、統合会社に対する持分はソフトバンク側とNAVER側で均等とするため、NAVERが持つLINE株の内50%を超過する部分(22.64%=72.64%-50%)は、LINEの新株発行により、ZHD株式と交換される。株式交換比率は、LINE株1株に対してZHD株11.75株とされている。ここで、LINEはTOB価格で1株5380円と評価されているので、ZHD株の評価は1株458円(=@5380円÷11.75)で固定され、これにZHDの発行済株式数を乗じると、ZHDの時価総額は2兆2000億円と計算される。NAVERはLINE株の22.64%と交換にZHD株2900億円相当を手にいれることができる。
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1/3(金) 11:02配信
デイリー新潮
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